独自のノウハウにより入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、他の不動産会社が取り扱いづらい“お困り物件”を解決に導いてきた不動産・用地開発のスペシャリスト、株式会社エスエイアシストがお届けする“お困り物件”コラム、第30回目は「底地と借地を同時売却する」です。
ご自身の引退も控える中、「代々受け継いできた土地だけど、子供たちの負担になるかもしれないし、資産の整理をするのもアリなのかも?」と漠然と考え始めていませんか?実は、この「底地」と「借地」の関係性は、地主さんにとって少々デリケートな問題をはらんでいるんです。なぜなら、法的には借地人さんが有利な立場になっており、土地を自由に使えない、収益性が低い、トラブルが起こりやすい、といった悩みを抱えていることが多いからです。そんな地主さんに朗報になるかもしれないのが、「底地と借地の同時売却」!
この記事では、「底地」と「借地」の基本的な違いから、同時売却のメリット、さらには売却時の注意点や対策まで、「同時売却のススメ!」と銘打って分かりやすく解説していきます!これらが安心の資産管理の最適解になるのか?ぜひ注目してみてくださいね!
底地と借地の違いとは?
土地の所有権や使用権に関するもので、「底地」と「借地」がありますが、ちょっと一見似ているようで大きく異なるものです。
簡単に言うと…、「底地」とは、土地を所有している地主さんの立場からの土地を指し、「底地権」とは、その土地を持っていることが証明される権利を言います。
一方「借地」とは、建物を建て使用するために借りた立場からの土地を指し、「借地権」とは、その土地を借りて建物を建てて住むことを認められる権利を言います。
その土地を所有しているけど別の人が建物を建てて使用する、この関係性は特に都市部でよく見られる形態で、地主である底地人さんは、収入として借地人さんから地代を得るのが一般的です。
ただ、イメージ的に「土地を持っているだけでお金が入ってくる」と良く捉えるかもしれませんが、実際にはそんなにオイシイ話しではありません。例えば、もらえる地代は、古い借地権の契約であれば、現在の市場価格よりもずっと低いままであることも少なくありません。
「土地を所有する=力を持っている」なんて単純に思うかも…ですが、実際の関係性はもう少し複雑。法的には、借地人さんの方が強い権利を持っていて、底地人さんの方が意外と立場が弱いとされています。「土地を自由に活用したい!」と地主さんが思ったとしても、その多くが制限されている現状にあるんです!
そんな底地を単純に不動産市場に出そうにも、利権の絡んだややこしいその土地が人気になることはありません。一方で、借地人さんからしても「高く売却できない!」のは同じことで、借地にも人気はないのです。そして、法的に守られてその土地から追い出されることはないにしろ、過去にいくら地代を払い続けても、「いつまで経っても土地が自分のものにならない(泣)」という思いを抱えています。
同時売却のススメ!そのメリットとは?
そんなワケで、相反する権利・立場にあるのが、底地人さんと借地人さんというものです。それでも唯一、その方向性を同じにする一つになり得るのが、「高く不動産売却したい!」ことなのかもしれません。
ここでは、底地と借地同時売却のススメ!その大きなメリットを、具体的な3つのポイントでご紹介!
①合わせて一つにすれば高く売れる!
何より大きなポイントとして、コレ。実は、底地と借地を個別に売るより、合わせて一つにして同時売却すれば、価格は高く売れます!その理由の一つとして、買い手さんが見つかりやすくなること。一緒にすると言わば「完全所有権」ですので、買い手さんに困ったシガラミは引き継がれません。
②売却スピードが早い!
もちろん「完全所有権」であれば、適正価格であれば売却スピードは早いはずです!まして都心部であれば、とても魅力的な土地だと思われます。これが、底地だけで売却するのだとすれば、一般には分かりにくい利権関係を説明したり、手続きも複雑になるしで、そうこうしてる内に買い手さんに逃げられちゃいますね。
③土地利用の自由度が増しトラブルも回避!
最後に、買い手さんにとってのポイントではありますが、土地利用の自由度が増しトラブルも回避できます。底地だけ購入するのであれば、借地人さんの存在により、土地利用に自由はありません。また、借地人さんとの関係構築は必須で、将来にトラブルを抱えるかもしれません。それがないのは大きい!
安心な資産整理の最適解?売却時の懸念点と対策!
では、「借地人さんに働きかけて、できる限り土地を高く売りたい!」と地主さん(底地人)が思ったとき、借地人さんへのアプローチ〜底地と借地を同時売却するまでの懸念点と対策とは何でしょう?まとめます!
①借地人との合意が必要
まずはココがなければ始まらない!同時売却するためには、地主さんと借地人さん双方の合意が必要です。底地権と借地権それぞれの権利が存在するため、当然一方が反対すれば同時売却できません。それには、借地人さんとの日頃からのコミュニケーションが鍵!感謝の気持ちを伝えつつ、お互いの利益を考慮した話し合いを!ただ、こちらの期待や要望もしっかりと伝えます!
②手続きが複雑で売却価格の取り決めが重要
同じく2つの権利は、手続きを複雑にすることがあります。底地と借地の評価方法や税金、売却時の手続きに関しては素人ではムリ!売却価格の取り決めは、高額なものなだけに感情的にもなりがちです。物件の相場を調査し、公正な価格で取り引きすることが信頼関係を築く秘訣。ただ、双方が納得できる価格を決めるには第三者が入るのが一番。不動産の専門家にアドバイスをもらうことが望ましいです。
③同時売却を相談する不動産業者選びには難しさ
とは言え、その専門家選びには難しさがあるんです。法的および財務上の複雑さに精通していて、底地人さん・借地人さん・買い手さん、それぞれとの調整能力も必要です。また、内容が複雑なだけに弁護士・鑑定士などのその他とのネットワークに強いことも大切になります。
ご自身も不動産知識について少しでも学び、聞きたい質問等はまとめておき、その上で業者さんは複数社にあたります。受動的ではなく能動的な姿勢は、それだけで牽制にもなります。知ったかぶりは良くないですが、ここは丁寧かつ慎重にコミュニケーションします。
そして、ここまで底地と借地の同時売却の話しをしてきて何なんですが、それが安心な資産整理の最適解とは限りません!その取り引きがスムーズにいかなかった時にも、別の手段を提案できる不動産業者さんを選びましょう。
例えば、広い土地なら分割した上で価格を明確にして等価交換。土地を分けることで、相続税の負担軽減や土地の活用範囲が広がるかもしれません。もしくは、不動産買取業者さんに直接取引することも視野に!
まとめ
ここまで、「底地」と「借地」の基本的な違いから、同時売却のメリット、さらには売却時の注意点や対策まで、「同時売却のススメ!」と銘打って解説してきました。
「底地」とは、土地を所有している地主さんの立場からの土地を指し、「底地権」とは、その土地を持っていることが証明される権利のこと。
「借地」とは、建物を建て使用するために借りた立場からの土地を指し、「借地権」とは、その土地を借りて建物を建てて住むことを認められる権利のこと。
所有している土地に借地人さんが建物を建てて使用し、収入として地代を得るのが一般的です。その地代は古い契約であれば、現在の市場価格よりもずっと低いものです。そして法的には、借地人さんの方が強い権利を持っていて、「土地を自由に活用したい!」と地主さんが思ったとしても、その多くが制限されている現状にあります。
底地は利権の絡んだ土地なので不動産市場では人気はありません。それは、借地でも同様で人気はなく、いくら地代を払い続けても「いつまで経っても土地が自分のものにならない」土地となります。
相反する権利・立場にある底地人さんと借地人さんにあって、唯一、その方向性を同じくするのが、「高く不動産売却したい!」。
底地と借地同時売却のススメ!その大きなメリットを3つのポイントに。
①合わせて一つにすれば高く売れる!
②売却スピードが早い!
③土地利用の自由度が増しトラブルも回避!
借地人さんに働きかけて土地を高く売るなら、地主さんの借地人さんへのアプローチ〜底地と借地を同時売却するまでの懸念点と対策は以下。
①借地人との合意が必要
地主さんと借地人さん双方の合意が必要で、それぞれの権利があるため、一方が反対すれば同時売却できません。
それには、日頃からのコミュニケーションが鍵!
②手続きが複雑で売却価格の取り決めが重要
2つの権利は手続きが複雑で、底地と借地の評価方法や税金、売却時の手続き、売却価格の取り決めは感情的にもなります。
物件の相場を調査し、双方が納得できる価格を決めるには、不動産の専門家にアドバイスをもらうことが望ましいです。
③同時売却を相談する不動産業者選びには難しさ
法的および財務上の複雑さに精通していて、それぞれとの調整能力、各種プロとのネットワークに強い専門家選びは難しいです。
ご自身も不動産知識を学び、その上で業者さんは複数社にあたります。受動的ではなく能動的な姿勢は、それだけで牽制にもなります。
そして、底地と借地の同時売却が必ずしも安心な資産整理の最適解とは限りません!別の手段を提案できる不動産業者さんを選びましょう。
例えば、広い土地なら分割した上で価格を明確にして等価交換。土地を分けることで、相続税の負担軽減や土地の活用範囲が広がるかもしれません。もしくは、不動産買取業者さんに直接取引することも視野に!
と、私たちエスエイアシストはそんなひとつの不動産買取業者です。
何度も言いますが底地を売却することは、一筋縄には行きません!多くの交渉事を前に頭を抱えてしまうようなら、一つの最適解としてご検討くださいね。
私たちはこれまで、入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、困ってしまう“訳あり物件”のご相談を数々と解決してきた実績があります。もし、ほかの不動産会社で難色を示されてしまうことがあれば、ぜひ一度エスエイアシストにご相談ください!お待ちしています。