旧法借地権にはデメリットが!それでも検討する購入者像とは?

独自のノウハウにより入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、他の不動産会社が取り扱いづらい“お困り物件”を解決に導いてきた不動産・用地開発のスペシャリスト、株式会社エスエイアシストがお届けする”お困り物件”コラム、第25回目は「旧法借地権を検討する購入者像」です。
ちょっと失礼ですが、ご自身の住まいが「旧法借地権」付きの建物であったとして、それを正しく理解していますか?これって実はかなりややこしくて、過去の購入時に「あんまり理解せずに買ってしまった…」方や、「そもそも相続しただけでよく分からない…」方など、意外と多かったりするものです。でも、将来的にそんな不動産売却を考えたとき、そのままではとても安心の不動産取引には臨めないのではないでしょうか?
今回の記事では、旧法借地権とは何なのか、不動産売却においてそのデメリットをはじめとして、具体的にどのような影響があるのか、について解説します。そして、そんなデメリットを加味しても、「それでも旧法借地権を買いたい!」と検討する可能性のある購入者像を理解することで、潜在的なニーズを逃さずにスムーズに不動産取引を行っていくコツをお伝えしたいと思います!ぜひ最後まで読んでいって下さいね。

お困り物件買取事業

まず「借地権」とは、「建物所有を目的に土地を借りる権利」を指し、その権利者を「借地人」といいます。その対となる権利を「底地権」といい、「その土地の所有の権利」で、その権利者を「底地人」と呼びます。いわゆる地主さんですね!
そして本題の「旧法借地権」とは、1992年に施行された新法である「借地借家法」より以前に成立した借地権のことで、歴史上不利な状況にあった借地人さんを守るために、1921年に制定された(旧)借地法に基づいて設定されたもの。
さらに借地権には、より強い「物に対する権利(物権)」である「地上権」と、何事にも地主の許可が必要な「人に対する権利(債権)」である「貸借権」があり、一般的に宅地として不動産市場に出回っているものの多くは、旧法借地権における貸借権と言えますので、今回の記事ではこちらを前提にお話ししていきます。

ちなみに旧法借地権では、立場が弱いとされていた借地人さんの権利を強力に保護していて、基本的に契約の更新を底地人さんが拒否することができず、いつまで経っても土地を自由に使うことができないものです。なので、新法である借地借家法では、それはさすがに時代にそぐわないとして、借地期間終了後は原則更新不可の契約も結べるように是正されました。細かくは割愛しますが、50年以上を契約期間として期間満了したら原則更地返却とする「定期借地権」と、旧法借地権を概ね踏襲した「普通借地権」があります。ただ、現在は旧法借地権であったとして新法借地権に更新されることはありません。

旧法借地権のメリット・デメリットとは?

では、メリットから。旧法借地権には、大きく3つの利点があります。ひとつ目に、土地も購入する完全所有権の場合と比べて、3割程度の初期費用が抑えられます。これが一番の魅力ですね!ふたつ目に、土地の固定資産税を支払わないで済みます。最後に、借地権を更新し続ける限り半永久的に継続利用が可能です。こちらは次の不動産購入者さんにも引き継がれます。

次に、デメリットです。こちらは大きく6つ。
①ランニングコストが高い
毎月の地代からはじまり、更新料や建替え承諾料、さらには名義変更料(譲渡承諾料)といったものがあり、長期的にみると負担が大きくなってきます。また、建物自体の所有権は借地人さんにあるので、修繕費も当然かかります。
②いくら払っても土地の所有権は得られない
上記のコストをいくら払っても、土地の所有権は得られないため、完全な所有権にはならず、資産を積み上げることはできません。
③地価上昇による利益も得られない
当たり前ですが、土地の所有者ではないので、もし地価が上昇しても値上がり利益を得ることはありません。
④底地人(土地所有者)とのトラブルが起きやすい
こちらは土地所有者さんが法人格ならばいいのですが、こと個人の地主さんの場合ならばトラブルが起きやすいと言えます。相続による代替わりや底地権を第三者に売られるなど、たとえこれまでの人間関係が良好だったとしても、次の所有者さんと相性が良いとは限りません。
⑤底地人(土地所有者)からの使用制限がかかっている場合がある
一例として、土地所有者さんからの使用制限として「木造しか認めない」「住宅ローンの金融機関の指定してくる」「アパートなどの収益物件は不可」などがある場合があり、さまざま。
⑥住宅ローンが組みにくい
ここまでのデメリットについて、地主さんとの兼ね合いや担保価値がないなど、金融機関さんも嫌がる部分も多いとは思います。さらには、古い建物であればなおさらで、購入希望者さんの住宅ローンを断られるケースも出てきます。

旧法借地権を検討する購入者像とは?

次に話を少し変えまして、不動産を購入するにあたって、意識されるのは「予算」「エリア」「広さ」と言われています。これを「不動産の3大要素」と言ったりします。ただし、不動産市場では極めて適正に価格は決められているので、これらを全てが理想通りの物件を探し出すのはほぼ不可能!ですので、不動産購入希望者さんは、何かしらの悪い条件を受け入れなくてはなりません。その我慢ポイントのひとつとして、借地権があがるケースがあることを理解することが大切です。
そうです!旧法借地権を検討する購入者像とは、「立地や建物の広さを重視し、初期費用を抑えたいと考えている人」さらには「子供はいない、もしくは子供に資産を残す気がない人」でもあるかもしれません。

このことから「予算」は極めて重要だと言えます。少し深掘りしましょう!

一般的な所有権のコストと言えば以下の通り。
・不動産購入時の仲介手数料および諸費用
・土地と建物の固定資産税
・もちろん地代や更新料は不要
・修繕や維持管理費
・将来に不動産売却すれば土地(と建物)の譲渡益が出る可能性がある

これと比べて借地権のコストの違いは以下の通り。
・権利以外は同じ条件ならば仲介手数料および諸費用は3割安い
・土地に対する固定資産税はかからない(建物分のみ)
・毎月の地代や更新料・建替え承諾料がかかる
・建物は所有しているため修繕や維持管理費はかかる
・期間にもよるが建物は減価償却して価値がなくなっていく(譲渡益が出にくい)上に売却時には譲渡承諾料がかかる

以上の比較から、旧法借地権の物件は「超長期になるとそのお得感は薄れていくものの、立地・広さは妥協せずに初期費用が抑えられる」という特徴があります。そして言い換えると「その住まいに何年住むのか明確で、その特徴を深く理解して納得できたのならば満足感のある生活が得られる」とも言えます。

旧法借地権を将来スムーズに売却するコツ!

最後に、ご自身が所有する旧法借地権の物件を将来スムーズに売却するコツについてまとめていきたいと思います。ニーズを掴んでいくために購入希望者さんが気にするであろうポイントを知ることが大切です。

①借地権の種類を確認
今回の記事では旧法借地権を前提にお話ししていますが、新法である借地借家法の定期借家権の場合、条件が大きく変わってしまいますので、念の為確認をしておいて下さい。
②底地人(地主)さんはどんな人か?
次に、底地人さんとの関係は良好に越したことはありません。譲渡となれば承諾も必要になります。日頃からのコミュニケーションを大切にして下さい。併せて、制限事項の再確認をおすすめします。
③購入者さんは2つの契約が必要であることを理解する
実際の譲渡時には、貸借権の売買契約のみならず、購入希望者さんは底地人さんとの面談とともに、別途、賃貸借契約が必要になります。上記での底地人さんとの関係性が効いてきます。
④購入者目線でランニングコストのシュミレーションをしておく
先述の通り、ご自身も毎月の地代を払っているものと思いますが、ここは購入者目線でも購入〜将来の売却までのランニングコストのシュミレーションをしておくと、実際の売却価格の相場もイメージしやすくなります。
⑤住宅ローンを組めるのか考察しておく
こちらはさすがに専門家の意見が必要なので、自宅に担保価値はあるのか一度相談してみてもいいかもしれません。

これらは底地人さんの人柄のみならず、各種地代や承諾料などは地域の相場や慣習によっても左右されます。今すぐ不動産売却を考えていなくても大丈夫ですので、不安に思うことがあれば、ぜひ一度私たちエスエイアシストに連絡頂きたいと思います。

まとめ

今回の記事では、旧法借地権における貸借権を前提に、そのデメリットや具体的にどのような影響があるのか、それらのデメリットを加味しても検討し得る購入者像を理解して、将来の不動産取引に繋げるコツまで解説してきました。

「借地権」とは、「建物所有を目的に土地を借りる権利」を指し、その権利者を「借地人」といいます。その対となる権利を「底地権」といい、「その土地の所有の権利」で、その権利者を「底地人」と呼びます。
「旧法借地権」とは、歴史上不利な状況にあった借地人さんを守るために、1921年に制定された(旧)借地法に基づいて設定されたもの。

新法(1992年)である借地借家法では、借地期間終了後は原則更新不可の契約も結べるように是正されました。それは、50年以上を契約期間として期間満了したら原則更地返却とする「定期借地権」と、旧法借地権を概ね踏襲した「普通借地権」があります。

旧法借地権のメリット・デメリットとは?

旧法借地権には、大きく3つの利点があります。
・土地も購入する場合と比べて3割程度の初期費用が抑えられる
・土地の固定資産税を支払わないで済む
・借地権を更新し続ける限り半永久的に継続利用が可能

次に、デメリットは大きく6つ。
①ランニングコストが高い
②いくら払っても土地の所有権は得られない
③地価上昇による利益も得られない
④底地人(土地所有者)とのトラブルが起きやすい
⑤底地人(土地所有者)からの使用制限がかかっている場合がある
⑥住宅ローンが組みにくい

不動産を購入するにあたって、意識されるのは「不動産の3大要素」といって「予算」「エリア」「広さ」があります。ただし、不動産市場でこれらを全て理想通りの物件を探し出すのはほぼ不可能です。
不動産購入希望者さんは、何かしらの悪い条件を受け入れなくてはならず、そのひとつとして借地権を受け入れ検討するケースがあると理解することが大切です。
旧法借地権を検討する購入者像とは、
「立地や建物の広さを重視し、初期費用を抑えたいと考えている人」
「子供はいない、もしくは子供に資産を残す気がない人」

このことから「予算」は極めて重要です。

一般的な完全所有権のコストと比べて借地権のコストの違いは以下の通り。
・権利以外は同じ条件ならば仲介手数料および諸費用は3割安い
・土地に対する固定資産税はかからない
・毎月の地代や更新料・建替え承諾料がかかる
・建物は所有しているため修繕や維持管理費はかかる
・期間にもよるが建物は減価償却して価値がなくなっていく(譲渡益が出にくい)上に売却時には譲渡承諾料がかかる

以上から、旧法借地権の物件は「超長期になるとそのお得感は薄れていくものの、立地・広さは妥協せずに初期費用が抑えられる」という特徴があり、言い換えると「その住まいに何年住むのか明確で、その特徴を深く理解して納得出来たならば満足感のある生活が得られる」とも言えます。

自らが所有する旧法借地権を将来スムーズに売却するコツとして、ニーズを掴んでいくためのポイントは、
①借地権の種類を再確認
②底地人(地主)さんはどんな人か?
③購入者さんは2つの契約が必要であることを理解する
④購入者目線でランニングコストのシュミレーションをしておく
⑤住宅ローンを組めるのか考察しておく

これらは底地人さんの人柄のみならず、各種地代や承諾料などは地域の相場や慣習によっても左右されますので、専門家への相談が大切です。

私たちエスエイアシストでは、旧法借地権の物件などを含む、ちょっと困ってしまう”訳あり物件”のご相談を数々と解決してきた実績があります。今すぐ不動産売却を考えていなくても構いませんので、ぜひ一度ご相談くださいね!

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