
独自のノウハウにより入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、他の不動産会社が取り扱いづらい“お困り物件”を解決に導いてきた不動産・用地開発のスペシャリスト、株式会社エスエイアシストがお届けする“お困り物件”コラム、第95回目は「共有状態の底地整理」です。
「親から相続した底地が兄弟と共有状態になっていて売却や活用ができない」「他の共有者や借地人とトラブルになっている」など、そんな悩みはありませんか?権利関係が複雑な共有名義の底地をそのままにしておくと、思わぬ問題発生や資産価値の低下に繋がります。問題を放置すると、後々の手続きがさらに難しくなるため、早めの底地整理が重要に!
今回の記事では、共有状態の底地整理とは何か、放置することで生じるリスク、そして問題解消への具体策について、分かりやすく解説します。底地整理について必要な知識を得て、最適な方法を選択できるよう、ぜひ最後まで読んでいってくださいね!
共有状態の底地とは?

まず、そもそも「底地」とは、「借地権が設定されている土地の所有権部分のこと」を指します。つまり、土地の所有者である底地人(地主)さんが土地を貸し出し、借地人さんがその土地に建物を建てて利用している状態です。土地の所有権でありながら底地権は、借地人さんが土地を使っているため、自由には活用できないという特徴があります。
そして、「共有状態の底地」とは、「複数の所有者が共有して所有する底地」のこと。例えば、親の土地を相続した際に、兄弟姉妹間で共有となるケースが該当します。
共有状態の底地は権利関係が複雑になりやすく、その特徴として以下のようなものがあります。
・共有者全員の合意がないと大きな決定を下せない
・借地人への交渉について共有者間で意見が分かれる
・共有者のさらなる相続により共有者が増える
このように、共有状態の底地は、複数の所有者さんが関わるため意思決定が難しくなり、特に売却や活用において問題が生じやすいです。
「共有状態の底地整理は早めにすべき?」放置するリスク!
そんな共有状態の底地をそのまま放置すると、さまざまなリスクが発生します。
①活用や売却がしづらい
ひとつに、共有名義の底地を活用するには、原則として共有者全員の合意が必要です。一人でも反対することがあれば、土地の運用が滞り活用できなくなります。その結果、売却のタイミングを逃したり、活用できないまま固定資産税などの維持費用がかかり続けることになります。
②共有者が増えて利権関係が複雑化する
つぎに、時の経過とともに生じるリスクもあります。時間が経つと、相続などで共有人数が増え、なかには所在不明となる人も出てきます。そうやって全員の同意を得ることが出来なくなれば、さらに意思決定の難易度が上がります。関係性も薄まってくれば、対立も起きやすくもなります。
③維持費や税金の負担が続く
また、そんな状態であっても土地には固定資産税や維持費がかかり続けます。共有状態ではそれらの支払いの負担や分担が曖昧になり、トラブルの原因となります。共有者さんのなかに支払いを滞納する人がいると、他がその負担を肩代わりするケースもあり、不公平感が溜まっていきます。
④共有持分のみの売却トラブルが起きる
ときに、その状況に嫌気がさし、全体の売却が叶わないのであれば、自身の共有持分のみを売却しようとする人も出てきます。ただ、共有持分の売却には買い手さんが限られたり、他の共有者さんとの関係が悪化する恐れもあります。例え売却がうまくいったとしても、新たな共有者さんが管理や活用に関して異なる意見を持っていれば、より一層の混乱を招く場合があります。
⑤不動産価値が低くなる
そんな共有状態のままの底地を長期間放置すると、適切な管理ができず、結果的に不動産の価値は下がってしまいます。積極的な管理を行われなければ、建物の老朽化が進んだり、近隣トラブルが発生するなど、いいことはありません。そうなる前に適切な対応を取らなくてはなりません。
ここまでのリスクを考えると、底地の共有状態は早めに解消すべきです。問題が大きくなってしまう前に「借地権が設定されている土地(底地)と借地権の法的関係をシンプルにし、底地人(地主)と借地人が土地を自由に活用できるようにすること」を実行しなくてはなりません。それを「底地整理」といいます。
共有状態の底地整理をする方法とは?
共有状態の底地整理をすることで、トラブルを避けたり、相続をスムーズにしたり、税金を抑えたりすることができます。その底地整理の方法には、以下のようなものがあります。
①底地の持分を一部の共有者に集約する
まず、共有者間で話し合い、一部の共有者さんに権利を集約することで、管理がしやすくなります。当然ですが、集約されれば共有者さんが減るので意思決定がスムーズになります。将来的な売却や活用の計画が立てやすくなるでしょう。
ただし、共有持分の放棄でなければ、基本的には買い取りを行う共有者さんには資金負担が発生します。
②共有者全員で底地権を売却する
つぎに、共有者全員が合意し、第三者や借地人さんに底地を売却する方法があります。借地人さんからしてみれば、土地建物の完全な所有権が得られるため、悪い話ではありません。
ただし、ほぼ適正価格となるため、借地人さんの資金力が必要になります。
③共有者全員で借地権を買い取ってから売却する
また、底地のみでは不動産市場で価値が出せないので、共有者全員の合意で借地権を買い取ることで物件の価値を上げます。その上で売却できれば、相場通りの売却価格を実現することができます。
ただし、借地人さんとの交渉や資金調達が必要となり、手続きも複雑になりがちです。
④底地権と借地権の一部を等価交換して土地を分割する
そして、借地人さんも含めた全員で合意形成し、底地権と借地権の一部を等価交換して、2つの所有権を作ることで土地を分割する方法があります。全体の持分を整理しつつ持ち出しの資金も少ないので、借地人さんの立場にもメリットはあります。
ただし、小さい土地ではそもそも難しいことや、分割後の活用計画を明確にしないと、新たな問題が生じる可能性もあります。
⑤底地権と借地権を同時売却する
さらに、同じく借地人さんと合意の上、底地権と借地権を一緒に同時売却する方法もあります。それにより、完全な所有権として市場に出せるので、買い手さんが見つけやすくなります。
ただし、それぞれの権利が残ったままでの売却活動になるので、合意形成後でも調整をしなくてはならない難しさがあります。必要に応じて覚書などを早期に交わすことが大切。
⑥共有持分のみを売却する
さいごに、不動産売却に合意が得られず、それでも共有状態を解消したいと考えるときの、最終的な方法になります。他の共有者さんとの合意は不要であり、単独での整理を進めることができます。
ただし、共有持分のみの売却は価格が下がりやすく、買い手はほぼ不動産買取業者さんに限られます。また、他の共有者さんとの関係性が決定的な溝を残すことになる可能性があります。
共有状態の底地整理をする具体策とは?

この共有状態の底地整理は簡単なものではありません。それは、権利関係が複雑なためです。全員の不動産に対するリテラシーを高めなくてはなりませんし、そもそも「感情がついてこない!」ということもあるでしょう。底地整理をスムーズに進める具体策は以下。
①第三者の専門家を入れ共有者間および借地人との話し合いを進める
まず大切なことは、不動産の知見の無い者同士で話すことは、さらなるトラブルの一因になってしまいます。それを予防するためには、早い段階で不動産に精通した第三者の専門家さん(宅建士、弁護士、税理士など)を交えて話し合いを行い、スムーズな解決を目指します。
・意見の調整:共有者間(及び借地人)の中立公平な立場から調整し合意形成する
・最適な選択:法的な手続きや税務的な観点も考慮した最適な底地整理方法を選択する
②共有物分割請求を行い法的強制力をもたせる
ただ、どうしても対立が激しく合意形成が難しい場合、共有物分割請求をする権利を行使します。基本的には他の共有者さんは拒否できないため、協議に参加しなくてはなりません。
・訴訟を行う:協議が決裂した場合に裁判所に申し立てを行い(訴訟)、分割や売却をする
・強制力がある:「代償分割(対価を払って単独所有にする)」「換価分割(競売手続き)」などの手法があり、実行しなくてはならない
③自身の共有持分を放棄するか売却する
さらに、共有者間の合意形成が難しい場合には、もう一つの選択肢。自身の共有持分だけを手放す方法となります。「波風を立てたくない」と放棄する方法もありますが、手元に何も残らないことになってしまいます。しかし、自身の権利を主張し、持分のみを売却することは悪いことではありません。
ただし、共有持分のみを売却する(もしくは共有者間の合意形成でき底地のみの売却をする)には、不動産仲介での売却は難しいため、不動産買取を利用するのがベターとなります。不動産買取では、不動産仲介に比べて売却価格は低くなりやすいですが、以下のようなメリットがあります。
・業者によっては他の共有者や借地人との交渉も代行してもらえる
・他の関係者に気付かれずに迅速な対応もしてもらえる
・現金化が早くまとまった資金を得ることが可能である
・業者との直接取引で安心な売却ができる
・売却後の責任や手続きを気にせずスムーズに手放せる
これらの方法を活用することで、共有状態の底地整理をスムーズに進めることができます。状況に応じて最適な方法を選択し、早めの対応をしていきましょう!
まとめ
今回の記事では、共有状態の底地整理とは何か、放置することで生じるリスク、そして問題解消への具体策について、分かりやすく解説していきました。
まず、「底地」とは、「借地権が設定されている土地の所有権部分のこと」を指し、土地の所有権でありながら自由には活用できないという特徴があります。
そして、「共有状態の底地」とは、「複数の所有者が共有して所有する底地」のことで、権利関係が複雑になりやすく、その特徴として「共有者全員の合意がないと大きな決定を下せない・借地人への交渉で意見が分かれる・相続により共有者が増える」があります。
そんな共有状態の底地をそのまま放置すると、さまざまなリスクが発生します。
①活用や売却がしづらい
②共有者が増えて利権関係が複雑化する
③維持費や税金の負担が続く
④共有持分のみの売却トラブルが起きる
⑤不動産価値が低くなる
問題が大きくなる前に、底地の共有状態は早めに解消すべきです。それを「底地整理」といい、「借地権が設定されている土地(底地)と借地権の法的関係をシンプルにし、底地人(地主)と借地人が土地を自由に活用できるようにすること」です。
その底地整理の方法には、以下のようなものがあります。
①底地の持分を一部の共有者に集約する
②共有者全員で底地権を売却する
③共有者全員で借地権を買い取ってから売却する
④底地権と借地権の一部を等価交換して土地を分割する
⑤底地権と借地権を同時売却する
⑥共有持分のみを売却する
この共有状態の底地整理は簡単ではなく、権利関係が複雑で全員のリテラシーを高め、感情にも配慮しなくてはなりません。底地整理をスムーズに進める具体策は以下。
①第三者の専門家を入れ共有者間および借地人との話し合いを進める
②共有物分割請求を行い法的強制力をもたせる
③自身の共有持分を放棄するか売却する
ただし、共有持分のみを売却するには、不動産買取を利用するのがベターであり、不動産仲介に比べて売却価格は低くなりやすいですが、以下のようなメリットがあります。
・業者によっては交渉も代行してもらえる
・迅速な対応もしてもらえる
・まとまった資金を得ることが可能である
・直接取引で安心な売却ができる
・売却後を気にせずスムーズに手放せる
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