独自のノウハウにより入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、他の不動産会社が取り扱いづらい“お困り物件”を解決に導いてきた不動産・用地開発のスペシャリスト、株式会社エスエイアシストがお届けする“お困り物件”コラム、第34回目は「境界確定測量の費用」です。
所有地の売却を意識し始めたとき、にわかに出てくる「境界」という言葉。それはどうやら「土地取引の成功に大きく影響するらしい…」と。それを受けて「そもそもウチの土地の境界ってはっきりしているのか?」と不安になっていませんか?そうなんです。境界を確定できていないケースは意外と多く、解決するためには「境界確定測量」を実施する必要があります。そして、そのためには高額な費用もかかります。ただ、だからといってそれを怠ると、土地の売却価格が安くなる可能性があります。また、買い手さんが見つかっても、最後の最後で取引が破談になる恐れもあります。このようなトラブルを避けるためにも、境界確定測量の費用は「負担でも今のうちに押さえるべき」なんです。
今回の記事では、境界確定測量の費用には何が影響するのかその基本と、それをやるべき理由について解説していきます!ぜひ最後まで読んでいって下さいね。
境界確定測量とは?
と、その前にそもそも「境界」とは、文字通り所有の土地と隣の土地の境を言います。実は古くからの土地の場合、その境界が曖昧なケースが意外と多くあります。いわゆる「境界未確定」と言うヤツです。これは全く他人事ではありません!そして、そんな土地の売却には種々のトラブルが起こりがちだったりします。
そこで登場するのが「境界確定測量」です!これは、土地家屋調査士さんや測量士さんが土地の形状を測量して、隣接する土地所有者さんと立ち会いにより、一緒に境界をはっきりさせる作業のこと。
似ている言葉で「現況測量」がありますが、こちらはあくまで測量のみ。一方で境界確定測量は、法的な証拠を作ることまでが目的となります。
具体的な境界確定測量の流れは以下の通り。
①土地家屋調査士や測量士に依頼
②関係する隣地所有者全員と日程調整して立ち会ってもらい境界点を確認する
③その場で測量を行い「境界確定図」を作成
④隣地所有者全員から「筆界確認書」にサイン・捺印をもらう
⑤法務局に登記を行い「確定測量図」を提出する
では、土地の売却に境界確定がなぜ必要なのでしょうか?答えはシンプル!それは「紛争を避ける」ためです。境界がはっきりしていないと、買い手さんが見つかっても「ちょっと待った!」とかかることもあります。一方で、境界が確定してしまえば、土地の価値は正しく市場で評価されます。つまり、売却価格がアップするということなんです!
境界確定測量の費用はいくら?
そんな境界確定測量ですが、気になるところは…やっぱり費用ですよね!というわけで、費用に影響する諸々を解説します。
①官民立ち会い有り
はじめに、公道などの官有地と隣接していると、多くの書類と時間が必要になります。行政手続きが加わるために費用も割高になりがち。一般的に2ヶ月程度は見ておくべきです。
②土地の特性による影響
次に、土地の形状や面積、地形などによって測量の難易度が変わります。不整形地や高低差、面積が広い土地などは、費用が上がる可能性が高いです。
③隣地所有者の人数や法人か個人か?
そして、隣地所有者さんの人数が多ければ多いほど調整に手間と時間がかかります。共有不動産であれば、権利者はもっと多くなります。また、法人が所有している場合は手続きが煩雑になる可能性があり、それも費用に反映します。
④隣地所有者が不明や死亡の場合
さらに、隣地所有者さんが不明や死亡、もしくは不在の場合は特別な手続きが必要です。所有者さんを特定する調査費や、不在者管理制度の利用、相続人の承諾など、費用が高くなる要素が多くあります。
⑤隣人トラブルがある場合
最後に、隣地所有者さんとの関係性が悪く、隣人トラブルがある場合は問題が大きくなる傾向が!協力的でない、立ち会ってくれない、そうなると通常解決が難しくなります。裁判を用いて境界確定を行う「境界確定訴訟」も選択肢となりますが、これには数年という歳月と高額な費用がかかります。これにはさすがに負担感が大きいので「筆界特定制度」という代替方法もあり、早くて6ヶ月程度で土地家屋調査士さんが境界を特定することもできます。が、あくまでも特定であり確定ではないため、その後、隣地所有者さんが「境界確定訴訟」をおこして長期化する場合も考えられます。
一言でいえば、境界確定測量の費用は状況次第。一般的な相場としては35〜80万円程度とされていますが、上記のような多くの要素が影響を与えます。事前に複数の業者さんから見積もりを取って、最も最適な費用を把握することが大切です。また、自治体によっては、境界確定測量に関する補助金や助成金が用意されていることがありますので、チェックすることが大切です。
負担でも今のうちに押さえるべき理由!
これだけの変数があるからこそ、費用を把握し無駄なトラブルを避けるためにも、境界確定測量は重要なワケです。せっかくの土地を売却する直前にその取引を頓挫させては元も子もありません。確定費用は一見「負担」かもしれませんが、将来に向けての「投資」と考えたいところ。
実は境界確定しなくても土地を売却することは可能です。ただし、ここまで見てきた通り、リスクを抱えている以上、売却価格は低く買い叩かれます。多くの人は不動産知識に乏しく、例えばそれまでは問題意識を持てていなかったとして、買い手さんが契約直前に不安になり「境界確定、お願いします」と言われるかもしれません。
もしくは、売却の話が進む中、隣地さんに立ち会いをお願いすることで、足元を見られて厳しい条件を飲まざるを得ない事態もあり得ます。折り合いつかず、問題が長期化してしまえば、買い手さんの気持ちは水物なので、他の物件に心変わりするかもしれません。
まとめると、境界確定測量の費用は確かに高いものですが、それによって避けられるリスクを考慮すれば、決して無駄な出費ではありません。土地売却の際のトラブルは後から手を打つよりも、前もって予防するほうが絶対にお得です。だからこそ「境界確定測量の費用は負担でも今のうちに押さえるべき」なんです。
まとめ
というワケで「境界確定測量」についてお話ししてきました。
境界確定測量とは、土地家屋調査士さんや測量士さんが土地の形状を測量して、隣接する土地所有者さんと立ち会いにより、一緒に境界をはっきりさせる作業のことで、法的な証拠を作ることまでが目的となります。
土地の売却に境界確定が必要なのは「紛争を避ける」ためです。一方で、境界が確定してしまえば、土地の価値は正しく市場で評価されます。
具体的な境界確定測量の流れは以下の通り。
①土地家屋調査士や測量士に依頼
②関係する隣地所有者全員と日程調整して立ち会ってもらい境界点を確認する
③その場で測量を行い「境界確定図」を作成
④隣地所有者全員から「筆界確認書」にサイン・捺印をもらう
⑤法務局に登記を行い「確定測量図」を提出する
境界確定測量の費用に影響する諸々を解説します。
①官民立ち会い有り無し
②土地の特性による影響
③隣地所有者の人数や法人か個人か?
④隣地所有者が不明や死亡の場合
⑤隣人トラブルがある場合
裁判を用いて境界確定を行う「境界確定訴訟」には数年という歳月と高額な費用がかかります。
その負担を押さえる代替方法として「筆界特定制度」があり、土地家屋調査士さんが境界を特定することもできます。
境界確定測量の費用は状況次第で、一般的な相場としては35〜80万円程度とされていますが、上記のような多くの要素が影響を与えます。事前に複数の業者さんから見積もりを取って、最も最適な費用を把握することが大切です。また、自治体によっては、境界確定測量に関する補助金や助成金が用意されていることがありますので、チェックすることが大切です。
これだけの変数があるからこそ、費用を把握し無駄なトラブルを避けるためにも、境界確定測量は重要なワケですが、実は境界確定しなくても土地を売却することは可能です。
ただし、リスクを抱えている以上、売却価格は低く買い叩かれますし、買い手さんが契約直前に不安になるかもしれません。
もしくは、売却の話が進む中、隣地さんに立ち会いをお願いすることで、足元を見られて厳しい条件を飲まざるを得ない事態もあり得ます。
境界確定測量の費用は高額ですが、それによって避けられるリスクを考慮すれば、決して無駄な出費ではありません。土地売却の際のトラブルは前もって予防するほうが絶対にお得です。だからこそ「境界確定測量の費用は負担でも今のうちに押さえるべき」なんです。
「境界未確定」という土地は、住んでいる分には問題はありませんが、こと売却となると多くの問題を抱えていて、それこそ負担に思うかもしれません。もし今後の売却を考えるなら、一つの解決策に不動産買取という選択肢もあります。
私たちエスエイアシストは不動産買取業者として、入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、困ってしまう“訳あり物件”のご相談を数々と解決してきた実績があり、境界未確定の土地もその一つです。
ご相談にも積極的に受けておりますので、ものは試しとぜひ一度エスエイアシストにご相談ください!お待ちしています。