古いアパートの相続は難しい?「自ら経営する!」と自覚しないと失敗する!

独自のノウハウにより入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、他の不動産会社が取り扱いづらい”お困り物件”を解決に導いてきた不動産・用地開発のスペシャリスト、株式会社エスエイアシストがお届けする”お困り物件”コラム、第8回目は「古いアパートの相続」についてです。

「親の経営する古いアパートをどうするか?」と、いずれ直面するであろう相続問題に対して、悩まれている人も多いかと思います。とは言え、今は健在である親御さんを前に、そんな話しをするのも正直なところ気が進まないなんてこともありますね。
ただ、そのままにしているのも得策ではありませんので、古いアパートの相続とはどんなものなのか、そしてその難しさについて抑えるべきは何なのか、についてお話します。

お困り物件買取事業

古いアパートの相続は難しい?

親御さんが高齢な世代と言えば、会社員なら中堅社員。部下をマネジメントする立場くらいの方も多いかもしれません。そういった人の周りでは、親の相続問題についても友人同士で話しが上がってくる頃で、「古いアパートの相続は難しい」と聞かれることも!そんな言葉が出る背景には、どんなに古いアパートとは言えそれは経営であり、これまでに直面する経験のなかったことであるからだと思います。

では、古いアパートの相続が難しい理由はどんなところでしょうか?問題になりやすい原因は大きく5つ。

①法定相続人が複数いると揉めやすい

相続における法定相続人が複数いると、不動産というのは揉めやすいと言われています。分割相続するにあたって、不動産は現金と違いキレイに分けることが出来ないからです。
アパートを相続する方法として、
・現物分割
相続人のひとりにアパート、他の相続人には現金という分割方法で、不平等になりやすいものです。
・代償分割
アパートの相続人が他の相続人に現金払いする方法で、アパート経営に前向きな相続人がいる場合が向いています。
・換価分割
アパートを売却して現金で分ける方法で、金銭的には平等になります。
・共有分割
アパートを共有して経営していくことになりますが、その後のトラブルになりやすいものです。
ということになりますが、どんな方法であれ相続人間での同意や納得感を得ることは簡単ではありません。それは親族であってもです!

②築浅アパートに比べて負担が大きい

次に相続税の問題です。相続税の算出において、アパートの稼働率(入居率)が大きく影響します。それは、相続税評価額に稼働率をかけた額を評価額から引くことになるので、空室が多いと税負担は大きくなるからです。古いアパートは古い分、入居者の付きやすい築浅アパートに比べて不利です。

③借入金の残額が経営を圧迫する

入居率の低いアパートの多くは老朽化も進んでいるかもしれません。修繕すべきところは数多くあり修繕費がかさみます。そんな古いアパートの運営にはお金が必要です。その他、新築時のもの、大規模修繕時のもの、入居者の入れ替え時などいろいろお金がかかり、融資を受けることも多いはずです。当然、借入金の残額が経営を圧迫することになります。相続の際には、その返済見込みが立つのかどうかも問題にもなります。

④不動産売却しづらい

そして、古いアパートの多くは法定耐用年数が過ぎています。買い手としては、投資用不動産の購入時は現金というよりローンを組んで、少ない資金にレバレッジ(テコ入れ)して収益を出していこうとします。しかし、耐用年数が過ぎていると、融資が難しくなるため敬遠されます。また、入居者が残っていると建て替えや土地の利用目的の変更もしづらいこともあります。立ち退いてもらうにも立ち退き料などのコストも出てきます。その上で、修繕やリノベーションでアパートの賃貸寿命はどの程度延びるのか、立ち退きを進めるならいくらかかるのか、かけた費用に対して回収見込みは立つのか、厳しくチェックされます。これらから、古いアパートは不動産売却しづらいのです。

⑤古いアパートと言えども不動産経営は難しい

万が一、法定相続人間で揉めてしまっても、アパート運営は止まりません。遺産分割協議の最中でも、入居者から賃料を回収して、関係各者へ精算していかなくてはなりません。トラブルが起きたり、原状回復などの手配や支出を管理したり、それは誰がしていくのでしょうか?借金の返済もどうするのでしょうか?協議が済むまで共有状態で資金も動かせません。また、そんな状態では入居者も関係各者も大変困ります。
それでも折り合いを付けて運営出来たとして、「売却しづらいし、立ち退いてもらうには気が引ける」などと安易にアパート経営を続けるのも非常に危険です。古いアパートと言えども不動産経営は難しいからです。

「自ら経営する!」と自覚しないと失敗する!

では、不動産経営するにあたって注意すべきことは何でしょうか?不動産管理会社さんに丸投げすれば何とかなるワケではありません。せっかく親御さんが育てた財産を相続しても「自ら経営する!」と自覚しないとプラスどころか大損して失敗するかもしれません。

①賃貸物件を持つことは経営であると自覚する

世の中的には未だに賃貸物件は増え続けています。一方で日本の人口は減り続けており、ライバルの多い中、古い工夫のない物件の空室率は上がっていきます。資金がないからとアパートを修繕もせずに放っておけば、建物はさらに劣化しまた空室率は上がり悪循環。だからといって、どうにも判断が難しいからと不動産管理会社さんに丸投げしてしまった時に、悪い(もしくは実力のない)管理会社さんにあたったら最悪です。少なくとも管理会社さんを判断するのも経営です。まずは「賃貸物件を持つことは経営であると自覚する」ことが大切です。

②不動産管理会社や入居者とコミュニケーションをとる

そして選んだ不動産管理会社の担当者さんとの関係構築は重要です。間違っても殿様感覚で上から目線なんて態度であれば、働いている担当者さんも人間ですから、表面上は大人しくしていてもそんな経営者のアパートに積極的に客付けをすることはありません。それどころか割高なリフォームを提案したりされかねません。そして、入居者さんも同様です。入居者さんの住環境を良くする努力もすべきです。不動産管理会社さんや入居者さんと密にコミュニケーションをとっていかなくてはなりません。

③不動産経営について勉強し行動もする

相続の話題なので仕方のないことかもしれませんが、関心が税金だけではうまくいきません。不動産経営には、建築・営業・デザイン・マーケティングといった知識が必要です。じつは(古いアパートは特に)どんな分野の経営より難しい経営かもしれません。しょっちゅう自らの物件を見に行く、不動産セミナーにも参加する、フットワーク軽く不動産経営について勉強し行動もする人にならなければ、時間の問題でアパート経営は立ち行かなくなります。

「アパート経営なんて無理!」と思うなら売却も検討!

ここまで聞いて、「アパート経営なんて自分には無理!」と感じたなら、親御さんの大切にしていた物件であっても売却も検討することも念頭に置くのが最善です。建物は時間とともに劣化し状況は悪くなります。見切りをつけるのは早い方が良いかもしれません。
売却方法は以下の通り。

①入居者をそのままに売却する

入居者をそのままに売却するというのは、いわゆる「オーナーチェンジ」です。ここでの買主は投資家です。買主は年間の純利益を期待利回りで割った「収益還元価格」で判断してきます。また、空室率・家賃滞納者・建物の状態によることもあり、一般的には相場より割安価格でしか売れません。

②更地にして売却する

一方で、更地にして売却するのであれば、もちろん相場価格で売却できます。しかし当然ながら入居者の立ち退きが必要になります。日本の法律では入居者さんの借家権の方が立場が強く、立ち退き料は高額で解決までの時間もかかります。

③買取り専門不動産会社に買い取ってもらう

ということで、「安く買い叩かれるのも、時間がかかり過ぎるのも、難しいなあ…」そんなふうに考える人も多いかもしれませんね。ではそれ以外にはどうするか、ひとつの解決策として買取り専門不動産会社さんに買い取ってもらうというのがあります。
もちろん入居者のいる古いアパートを購入するのはリスクがありますので、どこの不動産会社さんでも買い取ってもらえるというワケではありません。しっかりとした同様な物件の買取り実績がある会社さんに頼むことが大切です。

古いアパートの買取り事例!

私たちエスエイアシストでは、問題解決に時間がかかると分かった上でも買い取って販売するノウハウがあるので、そういった古いアパートも取り扱っています。次にそんな弊社の買取り事例を紹介します!

「西川口駅が最寄り駅で徒歩10分ほどの、埼玉県戸田市喜沢に古い二階建てが二棟並んだアパートがありました。こちらは大手不動産会社を通じてあるご兄妹から、親御さんが亡くなって最近相続された古いアパートを買い取ってほしいとのご依頼でした。
その物件にはご高齢のご入居者が多く、ご転居頂くことに苦戦が予想されました。なぜなら、弊社ではピタットハウス浦和西口店・恵比寿店にて賃貸物件も扱っているのですが、ご来客者の中にはご高齢の方もいらっしゃいまして、60歳代後半以降だと物件探しにそこそこ苦労するからです。
オーナー様側からのご質問は、「お仕事は?」「保証人やご家族は?お近くにお住まいですか?」「預金残高を確認させて下さい」「携帯電話はお持ちですか?」などあり、携帯電話を持っていないと、それだけで断られるケースも多いのです!
というわけで、80歳代や90歳代のご入居者もいらっしゃって、当初は転居そのものにも渋い反応でした。それでも何度も何度も訪問してお願いしたり話しを聞いたり、またご家族にもお会いして説明したり、時には行政や施設にも相談に行ったりと動き回った結果、これを機にグループホームに入居されることになりました。ご本人もご家族も「結果的に良かったね、こちらの方が安心だね」と喜んで頂けたようでした。グループホームやそれをご紹介頂いた行政の方にも、「ここまでやってくれる不動産屋さんは初めてです!」とお褒めの言葉も頂きました。
その後は解体もスムーズに進んで、キレイな更地になったところで、いろいろな住宅業者さんから「ウチに売ってくれないか?」と話が舞い込み、自社で分譲するには少し大きめだったこともあり、とある住宅業者さんに買って頂きました。
「ありがとう」の連鎖が起こって、手前味噌ではありますが、良い仕事になった気がしています。関係者の皆様、ご協力頂き、ありがとうございました!」

まとめ

「古いアパートの相続は難しい」そんな言葉が出る背景には、どんなに古いアパートとは言えそれは経営であり、これまでに直面する経験のなかったことであるからだと思います。
古いアパートの相続が難しい理由とされる原因は大きく5つ。

①法定相続人が複数いると揉めやすい
相続における法定相続人が複数いると、不動産は現金と違いキレイに分けることが出来ません。
②築浅アパートに比べて負担が大きい
次に相続税の問題です。相続税の算出において、アパートの稼働率(入居率)が大きく影響し、空室が多いと税負担は大きくなります。
③借入金の残額が経営を圧迫する
借入金の残額が経営を圧迫することになり、その返済見込みが立つのかどうかも問題にもなります。
④不動産売却しづらい
古いアパートの多くは法定耐用年数が過ぎており、買主は融資が難しくなるため敬遠されます。また、入居者が残っていると建て替えや土地の利用目的の変更もしづらく、立ち退き料などのコストも出てきます。故に売却しづらいです。
⑤古いアパートと言えど不動産経営は難しい
法定相続人間で揉めてしまっても、アパート運営は止まりません。協議が済むまで共有状態で資金も動かせません。それでも運営出来たとして、「売却しづらいし、立ち退いてもらうには気が引ける」などと安易にアパート経営を続けるのも非常に危険です。

では、不動産経営するにあたって注意すべきことは何でしょうか?せっかく財産を相続しても「自ら経営する!」と自覚しないとプラスどころか大損して失敗するかもしれません。アパートを経営する上で重要なことがあります。
①賃貸物件を持つことは経営であると自覚する
ライバルの多い中、人口は減り続けており、古い工夫のない物件の空室率は上がっていきます。アパートを修繕もせずに放っておけば、建物はさらに劣化し、また空室率は上がり悪循環になります。
②不動産管理会社や入居者とコミュニケーションをとる
アパート経営には、不動産管理会社さんや入居者さんと密にコミュニケーションをとり、その関係構築は重要です。
③不動産経営について勉強し行動もする
不動産経営には、建築・営業・デザイン・マーケティングといった知識が必要です。フットワーク軽く不動産経営について勉強し行動もする人にならなければなりません。

ここまで聞いて、「アパート経営なんて自分には無理!」と感じたなら、売却が最善です。
①入居者をそのままに売却する
いわゆる「オーナーチェンジ」で、一般的には相場より割安価格でしか売れません。
②更地にして売却する
更地にして売却すれば相場価格で売却できますが、当然ながら入居者の立ち退きが必要になり、立ち退き料は高額で解決までの時間もかかります。
③買取り専門不動産会社に買い取ってもらう
「安く買い叩かれるのも時間がかかり過ぎるのも難しい」と考えるなら、買取り専門不動産会社さんに買い取ってもらうという方法があります。入居者のいる古いアパートを購入するのはリスクがありますので、さすがに相場価格にはなりませんが、しっかりとした買取り実績がある会社さんに頼むことが大切です。

エスエイアシストでは、今回実例で紹介したような入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、数々の困ってしまう”訳あり物件”のご相談を解決してきた実績があります。例え相続前であっても、親御さんがお健在のうちに相談しておくことも重要と考えておりますので、ものは試しとぜひ一度エスエイアシストにご相談ください!お待ちしています。

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