祠のある家を売却するには?御魂抜きの進め方と撤去費用を知りたい!

独自のノウハウにより入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、他の不動産会社が取り扱いづらい“お困り物件”を解決に導いてきた不動産・用地開発のスペシャリスト、株式会社エスエイアシストがお届けする“お困り物件”コラム、第100回目は「祠や社のある家の売却」です。

売却を検討している家に祠(ほこら)があったら、「親から相続した家の敷地内に小さな祠があるけれど、そのまま売却しても大丈夫?」「地域住民からも大切にされてきた社(やしろ)を勝手に撤去していいものなのか?」と悩むかもしれません。祠は土地や家を守る神様をお祀りする場所であり、たとえご自身に信仰心がなかったとしても、安易に取り扱うのは気が引けますね。ときに、祠を巡って買主さんとの交渉や周辺地域との調整が必要になることもあります。

今回の記事では、祠のある家を売却する前に知っておきたい基礎知識と御魂抜きや撤去にかかる費用相場、地域トラブルを避けるコツといったポイントを解説することで、安心して大切な不動産を手放す方法をお伝えしていきます。ぜひ最後まで読んでいってくださいね!

お困り物件買取事業

祠がある家を売却する前に知りたい!

はじめに、そもそも祠がどういう存在なのか、そしてなぜ売却時に問題となりやすいのかを押さえておくことが大切です。祠の由来や役割を理解しておくと、地域住民や買主に対して説明するときにスムーズに話を進められます。

「祠(ほこら)」とは「神様を祀る小規模な殿舎」のことで、諸説ありますが「神宝(しんぽう)を納める倉を意味する神庫(ほくら)からきたもの」とされていて、「社(やしろ)」とも言い換えられます。

いわゆる神社の立派な本殿のような建物ではなく、簡素な木造のものや石で作られた小型のものなど形状はもちろん、歴史や家柄によって意味合いもさまざま。多くは「土地を守る氏神様」を祀っている場合や、先祖代々のお供え場所となっている場合もあります。

そんな祠が、家の裏庭や一角にひっそりと置かれているケースがあるワケですが、その家や土地を不動産売却するときに以下のように困ることがあります。
・買主が敬遠する:「何かあったら怖い」といった心理的なハードルを感じる
・撤去や移設に費用がかかる:正式な手順での解体で費用が予想以上に高くつく可能性
・周辺地域との関係性に影響:地域の氏神様として大切にしている場合があり勝手な撤去でトラブルの恐れ

そもそも祠の管理者が誰なのか分からないケースや、長年放置されて傷んでいるケースなどがあります。いずれにしても、祠を「ただの建築物」として安易に扱わず、売却前にしっかり情報を集めることが大切です。

「御魂抜きって必要?」費用と進め方が知りたい!

ここでは、祠や社の撤去や移設の際には必ず耳にする「御魂抜き(みたまぬき)」について、必要な理由と費用等を解説します。御魂抜きとは、「神道において祠に宿る神様や霊を別の場所へ移す儀式」のことです。

①御魂抜きが必要とされる理由
御魂抜きが必要とされる理由は、祠には神様やご先祖の霊が宿っていると考えられ、きちんとお移しする手順を踏まずに勝手に取り壊すなんてことは心理的障壁が大きいからですね。家族から「不敬・祟り」などを心配する声が上がりそうですね。
御魂抜きを行うことで「正式な形で神様やご先祖に了承を得たうえで祠を移設または撤去した」という安心感を得られます。これは、周辺住民さんとのトラブルや誤解を防ぐ意味でも重要です。

②御魂抜きの依頼先と費用相場
そんな御魂抜きの依頼先には、地元の神社(氏神様を祀っている神社)や、場合によっては神道式に限らずに寺院が対応することもありえます。これには、宗派によっては取り扱いが難しいこともあるため、まずは問い合わせが必要になります。
それらの費用相場は、
・神職や僧侶への謝礼として1万円~3万円前後
・地域や儀式の規模によっては5万円ほどを包むケースもある
遠方への出張費等が追加になる場合もあったり、まちまち。事前に見積りを取ることで安心感が得られます。

③御魂抜きの進め方
具体的な御魂抜きの進め方は以下。
・神社や寺院に相談:祠の状態や場所、撤去または移設の時期の希望などを伝える

・日程調整:神職や僧侶の都合を調整して、現地での儀式日時を決定する

・儀式の実施:祠の前で祝詞や読経があげられ、神様や霊を別の場所へお移しする

・証明書の発行(必要時):適宜、御魂抜きを実施した証明書をもらう必要性もあり

・撤去や移設作業:儀式後、解体業者や移設先の準備を進める
これらの手順を踏むことで、安心かつ適切に次のステップに進むことができます。

祠や社を撤去するための費用相場が知りたい!

つぎに、実際に祠を撤去や移設する場合の費用について確認します。買主さんの希望で「解体して更地にしてから買いたい!」というケースは珍しくありませんし、売主さんご自身で「はじめに祠は撤去しておいて売却しやすく!」「地域住民の要望があって移設する」ケースもあるでしょう。

祠の撤去や移設に伴う作業の種類や費用は以下。

①解体工事
祠の規模や構造によって解体工事の費用や手間は変わります。
・比較的小規模な木造の祠なら、解体自体は数万円から10万円程度に収まることもある
・老朽化が進んでいる場合、周囲に被害を与えないように慎重な作業が求められ、追加費用が発生することあり
・重機や専門的な工具が必要で作業日数が増えるほど人件費も上乗せされ、10万〜20万円以上かかるケースもあり
・堅牢で立派な構造だと建築物として扱われ、法的な手続きや安全対策にコストがかさむ可能性あり

②廃棄物処分
また、解体工事同様に構造や素材によって、廃棄物処分費用が異なります。
・祠は木造・石造などの素材ごとに、それぞれの処分ルールに従って解体後の破片を分別しなければならない
・廃棄物処分費用は平米7000〜10000円程度が相場
・解体から処分まですべて一括で受け付けてくれる業者に任せると、個別に対応するよりも手間やコストが抑えられるケースがあり

③移設工事
そして、「祠を壊すのは気が引ける」「地域住民の要望で別の場所へ移して存続させたい」という場合、移設を選ぶこともありますが、撤去よりも手間と費用がかかるのが一般的です。
・一旦解体する工事には、部材ごとにきちんと取り外し・梱包しなければならないため、人件費と日数が増えることが多い
・解体した部材や石材の運搬費は、トラックで安全に運ぶための専用資材などが必要になる場合もある
・移設先が未整備の土地であれば、基礎工事や整地が必要になり、追加費用がかかる可能性が高い
・神社や寺院への移設の場合には、受け入れてもらうための手続きや、その後の維持費などについて事前に協議が必要

ただし、これらはあくまで一般的な目安であり、地域相場や祠の状態によっても大きく上下します。最終的には、解体業者さんや不動産業者さんなど複数社から見積もりをとることが大切です。安易に一社だけに決めず、相場観を掴む上でも比較検討することが失敗を避けるコツです。

周辺地域とのトラブルを避けるポイントが知りたい!

さらには、祠が氏神様として地域住民さんから信仰されている場合、「勝手に取り壊してよいのか?」という問題もあります。実際に、周辺地域との話し合いをせずに解体した結果、近隣トラブルが起きたという事例も報告されています。 そうしたトラブルを避けるためのポイントを確認しましょう。

①自治会などに相談
まずは自治会や事情に精通した住民に相談し、祠がどのような位置づけで扱われているか確認してください(特に相続で譲渡によって事情を把握していない場合)。自身の敷地内であっても、もし地域の行事(祭礼や参拝)などで活用されている場合、突然撤去を決めると大きな反発を招くことがあります。
「なぜ撤去(移設)するのか」「いつ作業を行うのか」という、この2点を明確に伝えるだけでも、誤解が生じにくくなることがあります。

②移設を提案されるケース
つぎに、地域住民から祠の移設を提案されるケースもあり、たとえば「祠を解体などせず、神社の敷地や公共スペースに移してほしい」という意見が出ることも。こうした希望があれば、移設先や費用負担、工事の手配などをすり合わせる必要があります。
・寺院や神社の場合:受け入れ可能かどうかを事前にしっかり確認する必要
・公共の場所の場合:行政が管理する敷地などの活用には問い合わせや許可申請が必要

③問題が複雑な場合の対処
そして、ときに文化財に指定されている祠や、所有権が曖昧な土地に建っている祠など、法的にも難しい案件である可能性も。問題が複雑な場合には特別な対処が必要なケースもあります。文化財保護法や土地所有権の問題、建築基準法や景観条例の対象になっていないかを確認しなくてはなりません。

このように祠の取り扱いには、「社会通念上の配慮」も重要視される領域です。撤去費用を節約したいあまり周囲の意見を無視すると、長期的にみて大きなリスクを背負う可能性があります。それは、買主さんの立場にも影響するかもしれません!

だからこそ、売却を急ぐ場合でも、まずは地域とコミュニケーションをとることを心がけてください。

祠のある家の売却方法が知りたい!

というワケで、祠や社の撤去やその費用、周辺地域との調整について話してきましたが、しっかりと問題ないように進めるためには、時間も手間も費用もかかることが言えますね。とはいえ、「早く祠のある家を売却したいのに、いつまで経っても作業が進まない!」と悩むこともあるかと思います。

祠のある家の具体的な売却方法や考え方を押さえておきましょう。

①祠を撤去または移設して売却する
ここまでお話してきていますが、祠を撤去または移設して売却する場合のポイントは以下のようになります。
・買主が敬遠されにくくなる:宗教的なものが苦手な方にも物件を検討してもらいやすくなるため、広い層にアピールできる
・費用や調整が大変:御魂抜き、解体工事、地域との連携など、一度に手配する内容が多く精神的負担も大きい
・コストがかかる:解体・移設工事や御魂抜きの謝礼など、売主側の出費が先行しやすい

②祠を残したまま売却する
もし、時間も手間も費用もあまりかけられない事情がある場合に、それでも「祠のある家を売却したい!」ときには、祠を残したまま売却するのも、一つの選択肢になります。ポイントは以下です。
・撤去費用や御魂抜きが不要になる:買主に祠の存在を受け入れてもらうことで、売主側の金銭的・時間的負担が軽減される
・買主への十分な説明が必須:祠を維持する場合、買主が撤去する場合、それぞれきちんと説明しないと、後日クレームやトラブルに発展する可能性がある
・希少価値としてアピールできる:買主が古民家再生を望む場合や、地域文化を重視する場合にはプラス要素となることもある

それぞれにメリット・デメリットがあるため、まずはどちらの方法が自分(売主)に合っているかを考えてみることが大切です。

そして、不動産売却には「仲介」と「買取」の大きく分けて2つの方法があります。仲介は一般の買主さんを不動産市場から探す方法で、時間はかかるものの高値がつきやすい傾向にあります。一方で、買取業者さんに直接買い取ってもらう方法は、やや安い金額になる可能性がありますが、売却までのスピードが速く即金性があるという強みがあります。

そんな不動産買取業者さんに売却するメリットは以下のようなものがあります。
・祠のある家も相談しやすい:一連の手続きについてアドバイスを受けられる
・周辺地域とのやり取りをサポート:地域住民との調整や説明の補助でトラブル回避しやすい
・持ち出し資金不要で管理負担を軽減:必要な撤去費用などをあらかじめ確認し、予想外の負担が減る

仲介にするにせよ、買取にするにせよ、祠のある家を売却するなら複数の業者さんから相見積もりを取り、納得感ある不動産取引を目指しましょう!特に、祠のある家に精通した業者に相談すれば、より的確なアドバイスを得やすくなります。

まとめ

今回の記事では、祠のある家を売却する前に知っておきたい基礎知識と御魂抜きや撤去にかかる費用相場など、安心して大切な不動産を手放す方法をお伝えしてきました。

「祠(ほこら)」とは「神様を祀る小規模な殿舎」のことで、いわゆる神社の立派な本殿のような建物ではなく、簡素な木造のものや石で作られた小型のもの。

そんな祠が、家の一角に置かれているケースがあり、その家や土地を不動産売却するときに、買主が敬遠する・撤去や移設に費用がかかる・周辺地域との関係性に影響するなど、困ることがあります。そのため、祠を「ただの建築物」として安易に扱わず、売却前にしっかり情報を集めることが大切です。

まず、祠の撤去には「御魂抜き(みたまぬき)」と言って、「神道において祠に宿る神様や霊を別の場所へ移す儀式」が必要になることがあります。

①御魂抜きが必要とされる理由:「正式な形で神様やご先祖に了承を得たうえで祠を移設または撤去した」という安心感を得られます。

②御魂抜きの依頼先と費用相場:地元の神社(氏神様を祀っている神社)や寺院が対応し、費用相場は、地域や儀式の規模によっては1万円〜5万円ほどを包むケースが多いです。

③御魂抜きの進め方:「神社や寺院に相談→日程調整→儀式の実施→証明書の発行(必要時)→撤去や移設作業」といった手順を踏みます。

つぎに、祠の撤去や移設に伴う作業の種類や費用は以下。

①解体工事:祠の規模や構造によって解体工事の費用や手間は変わります。
・比較的小規模な木造の祠解体なら数万円から10万円程度
・老朽化が進んでいる場合、追加費用が発生することあり
・重機が必要で作業日数が増えれば、10万〜20万円以上かかるケースもあり
・堅牢で立派な構造だと法的な手続きや安全対策にコストがかさむ可能性あり

②廃棄物処分:構造や素材によって廃棄物処分費用が異なります。
・祠は木造・石造などの素材ごとに分別しなければならない
・廃棄物処分費用は平米7000〜10000円程度が相場
・すべての作業を一括で受け付け業者に任せると手間やコストが抑えられるケースあり

③移設工事:移設を選ぶ場合、撤去よりも手間と費用がかかるのが一般的です。
・一旦解体する工事には人件費と日数が増えることが多い
・解体した部材や石材の運搬費は専用資材などが必要になる場合もある
・移設先が未整備の土地であれば追加費用がかかる可能性が高い
・神社や寺院への移設の場合には、受け入れ手続きや維持費などについて協議が必要

さらには、祠が地域信仰されている場合、取り扱いには「社会通念上の配慮」も重要視される領域です。周囲の意見を無視すると、買主さんの立場にも影響するかもしれません!

①自治会などに相談:突然撤去を決めると大きな反発を招くことがあります。「なぜ撤去(移設)するのか」「いつ作業を行うのか」と明確に伝えます。

②移設を提案されるケース:「祠を解体などせず移設してほしい」という意見があれば、移設先や費用負担、工事の手配などをすり合わせる必要があります。

③問題が複雑な場合の対処:文化財保護法や土地所有権の問題、建築基準法や景観条例の対象になっていないかを確認しなくてはなりません。

売却を急ぐ場合でも、まずは地域とコミュニケーションをとることを心がけてください。

というワケで、祠や社の撤去を問題ないように進めるためには、時間も手間も費用もかかることが言えますが、「早く祠のある家を売却したい!」と悩むこともあるかと思います。そこで、具体的な売却方法や考え方を押さえておきましょう。

①祠を撤去または移設して売却する
・買主が敬遠されにくくなり広い層にアピールできる
・費用や調整が大変で精神的負担も大きい
・解体や御魂抜きなど先行コストがかかる

②祠を残したまま売却する
・撤去費用や御魂抜きが不要になり、金銭的・時間的負担が軽減される
・買主への十分な説明をしないと、後日クレームやトラブルに発展する可能性がある
・買主によっては希少価値としてアピールできる

そして、不動産売却には「仲介」と「買取」の2つの方法があります。
・仲介は市場から買主を探し、時間はかかるものの高値がつきやすい傾向
・買取は業者に直接買い取ってもらうため、やや安い金額になるものの即金性がある

そんな不動産買取のメリットは以下。
・祠のある家の一連の手続きについても相談しやすい
・周辺地域とのやり取りをサポートしトラブル回避しやすい
・撤去費用など持ち出し資金不要で管理負担を軽減

仲介でも買取でも、祠のある家を売却に精通した複数の業者さんから相見積もりを取り、納得感ある不動産取引を目指しましょう!

私たちエスエイアシストも不動産買取業者のひとつです。入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、困ってしまう“訳あり物件”のご相談を数々と解決してきた実績があります。祠が敷地内にあるような特殊なケースにも対応します。難しい物件をお持ちでお困りの方は、一度エスエイアシストにご相談ください!お待ちしています。

エスエイアシストなら処分しづらい“お困り物件”を買取ります!

エスエイアシストでは、
古い住宅・アパート・倉庫・工場等を現況のまま
仕入れ、ひと手間掛けてきれいに仕上げた
住宅用地を同業他社に「土地卸し」の形で
販売することを得意としています。
          他社では買取りを断られるようなトラブルを
抱えた物件や、同業の不動産会社から
扱いに困った物件を買取り、
住宅用地として整えることで不動産価値を創出しています!

不動産事業や人材事業などお困りのことがあれば
エスエイアシストにご相談ください!

お問い合わせはこちら

仲介業者様歓迎!

Tel.048-824-0900

問合せフォーム