相続空き家売却時の税金優遇措置とは?他の特例との適用関係と自分に適した売り方は?

独自のノウハウにより入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、他の不動産会社が取り扱いづらい“お困り物件”を解決に導いてきた不動産・用地開発のスペシャリスト、株式会社エスエイアシストがお届けする“お困り物件”コラム、第69回目は「相続空き家売却時の税金優遇措置について」です。

「相続した空き家、どうすればいいんだろう…?」と悩んでいる方、多いのではないでしょうか?兄弟姉妹はそれぞれ独立し、親御さんが一人で住んでいた家が親御さん亡きあとに空き家になってしまったとき、使う機会なくその処分に困ってしまうケースがあります。その理由として、空き家の維持管理や固定資産税などの負担が残ることがあるためです。そこで、空き家の不動産売却を考えるワケですが、その売却益には税金の問題もついて回ります。特に税金の優遇措置の制度を知らないと、思わぬ出費に頭を抱えることになります。

今回の記事では、相続空き家の売却に関する税金の特例について、他の特例の適用関係とともに詳しく解説していきます。そして、昨今の世間でも言われる空き家問題を理解すると、より相続した空き家を賢く売却する道すじも見えてくるハズです。あわせて、不動産仲介と不動産買取の違いを理解し、ご自分に適した売り方を見つける手助けになるようお伝えしていきますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね!

お困り物件買取事業

まず、相続空き家の売却になぜ税金の優遇措置があるのか?その背景を知ることで、このあとの話がより理解しやすくなるので、ぜひ押さえておきましょう。

国土交通省が平成26年に実施した空家実態調査によると、約75%の空き家が旧耐震基準の時代に建築され、そのうち約60%が十分な耐震性を持たない建物と推計されるそうです。また、空き家が適切に管理されないことで、多くのトラブルを引き起こす原因にもなっています。このような空き家の増加が地域社会に悪影響を与えているのです。

具体的に、空き家の地域社会への悪影響をまとめると、以下のような問題が生じます。
・耐震性不足:地震時の空き家の倒壊リスクが高まり、地域住民の安全を脅かす
・防犯リスク:空き家への不審者の侵入や犯罪の温床になる可能性が高まる
・衛生問題:管理の行き届かない空き家は、ゴミの不法投棄や害虫の発生を招く
・土地資源の未活用:土地が利活用されないばかりか、荒れれば周辺の不動産の価値を毀損する

これらの問題に対処するため、国は「空き家の早期売却を促進し、適切な管理を行う必要性がある」と強調しているワケです。この背景から、平成28年度税制改正にて「被相続人(亡くなった人)の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」、いわゆる「相続空き家の特別控除(空き家特例)」が導入されました。この特例は、相続した空き家を売却する場合に、その譲渡所得から最大3000万円を控除できるもので、売却益に対する課税を軽減することを目的としています。

相続空き家の特別控除の対象となる要件と控除額とは?

では、相続空き家の特別控除とは、国税庁のHPから引用すると「相続または遺贈により取得した被相続人居住用家屋または被相続人居住用家屋の敷地等を、平成28年4月1日から令和9年12月31日までの間に売って、一定の要件に当てはまるときは、譲渡所得の金額から最高3000万円まで控除することができます。」とされています。

この特例は、相続した空き家を売却する場合にかかる税金を大幅に軽減でき、相続人にとって非常に有利な制度です。

その特例の対象となる「被相続人居住用家屋及び敷地」とは、相続の開始の直前まで被相続人(亡くなった人)が居住していた家屋であり、その家屋が建つ敷地(またはその敷地上に存在する権利)のことを指し、次の3つの要件に当てはまるもの。
・旧耐震基準の建物:昭和56年5月31日以前に建築されたものであること
・戸建て:区分所有建物登記(区分マンションなど)がされている建物でないこと
・被相続人の独居:相続開始直前まで被相続人が一人暮らしであったこと

ただ、被相続人さんが老人ホームなどに入所していた場合は、以下の条件を満たす必要があります。
・要介護認定:被相続人が介護保険法に基づく要介護認定を受けていること
・一定の使用:入所中は該当家屋が被相続人の物品保管などの一定の使用のみであり、賃貸や他の人間の入居などには使用されていないこと

なお、敷地内に用途上不可欠な関係のある2つ以上の建物がある場合(母屋と離れなど)は、全ての建物の床面積に対して、主に使用された建物の床面積が占める割合を、全体の敷地面積に乗じた分のみが適用になります。例えば、敷地面積が1000㎡、母屋の床面積が300㎡、離れの床面積が200㎡なら、
300㎡ ÷ ( 300㎡ + 200㎡ ) × 1000㎡ = 600㎡が適用対象
となります。

また、法定相続人さんが複数(3人以上)いた場合、特別控除額はそれぞれ2000万円までとなります。例えば、不動産売却益が7000万円出たとして、
相続人が1人:7000万円 − 3000万円 = 4000万円が課税対象
相続人が2人:7000万円 − ( 3000万円 × 2人 ) = 1000万円が課税対象
相続人が3人:7000万円 − ( 2000万円 × 3人 ) = 1000万円が課税対象
相続人が4人:7000万円 − ( 2000万円 × 4人 ) = −1000万円のため非課税
となります。

相続空き家の特別控除の適用を受けるための要件とは?

その上で、相続空き家の特別控除の適用を受けるための要件は、以下のようにまとめられます。

①取得条件
まずはひとつ目、不動産売却する人が相続または遺贈により、被相続人居住用家屋及びその敷地を取得したことが条件です。もっと言えば、先述したとおり被相続人さんは一人暮らしでなくてはなりません。

②売却期限
つぎに、相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること。遺産分割協議や売却活動に手間取ると意外とあっという間かも?

③売却先の条件
そして、特別な関係(親子や夫婦、家屋を売却後に同居する親族、内縁関係にある人、特殊な関係にある法人など)のある人に売却しないこと。これは、関係者間で不当に利益を得るようなことがないようにするためなので、仕方がないですね。

④売却価格のの制限
さらに、売却価格が1億円以下であること。これは、相続人さんが何人いても、共有状態で売却タイミングがズレたとしても、売却益ではなくあくまでも売却価格(相続から3年間の売却価格の合計で)1億円が上限となります。

⑤特例の適用状況
まだあります。もし、同一の被相続人さんから他にも取得した家屋や敷地があった場合は、そちらでも特例の適用を受けているような状況にないこと。別の物件と併せて何件も適用、というワケにはいきません。

⑥他の特例との併用禁止
もっとあります。「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」や「収用等の場合の特別控除」などの他の特例との併用は禁止です。このあたりは、どの特例を受けるべきかはケースバイケースなので後述します。

⑦耐震改修するか解体する
さいごに、一定の耐震改修をするか解体して更地にする必要があります。ここには「耐震基準を満たさない建物を減らしたい」そして「ましてや空き家などにせず、利活用してほしい」という、国の思惑があるんですね。これには2パターンあり、
・不動産売却時までに売主(相続人)が耐震改修か解体をする
・不動産購入年の翌年2月15日までに買主が耐震改修か解体をする

これら全ての要件が当てはまらないと、特例の適用は受けられません!

他の特例との適用関係は?

というワケで、相続空き家の特別控除を受けるためには、なかなかのハードルがあることもありますが、併せて他の特例との適用関係についても注意が必要になります。状況によって得か損か判断して選び取ることが重要。そこで、併用出来ない特例と空き家特例よりも優先するケース、そして併用可能な特例について詳しく解説します。

以下に併用出来ない特例と空き家特例よりも優先するケースをあげます。

①相続税の取得費加算の特例
概要:相続した土地や建物の譲渡に際して、その取得費に相続税額を加算して譲渡所得を減額する
判断基準:相続税額が高額な場合や、相続した財産全体の取得費を加算する方が節税効果が大きい場合は有利

②収用等の場合の特別控除
概要:公共事業のために土地や建物を収用された場合に、その譲渡所得から一定額を控除する
判断基準:公共事業による収用(国や地方自治体などの事業を行う者が不動産の所有権を取得する)の場合は有利

一方で、被相続人である親御さんの空き家とは別に、現在ご自身が居住している建物に関する以下のような特例は、併用可能となります。

①住宅借入金等特別控除
ひとつに、いわゆる「住宅ローン控除(減税)」とも呼ばれる「住宅借入金等特別控除」があります。住宅ローンを利用してマイホームを取得する場合、最長13年にわたって所得税の一部が戻ってくる制度です。

②居住用財産の買替え等に係る特例措置
つぎに、居住用財産(自宅)を売却し、新たに自宅を買い替えたときに、売却益を繰り延べることができる特例で「居住用財産の買替え等に係る特例措置」という制度があります。買い替え時には税金がかからないため、負担を少なく住み替えることが可能になります。

③居住用財産を売却した場合の3000万円特別控除
そして、居住用財産(自宅)を売却した際に、譲渡所得から最大で3000万円を控除できる「居住用財産を売却した場合の3000万円特別控除」もあります。ただし、こちらは併用しても控除額の限度は3000万円が上限となります。

仲介か買取か?自分に適した売り方は?

ここまでを踏まえて、空き家を売却する際には、不動産仲介と不動産買取のどちらが自分に適した売り方なのかを検討しなくてはなりません。特に自宅から遠方の空き家を相続した場合は、その管理や売却活動に大きな影響があることが多いです。

それは空き家はなるべくして空き家になるからです。核家族化が当たり前の昨今、就職を機に実家を離れて暮らしはじめ、そのまま所帯を持って持ち家を構えることが多いでしょう。そして、その家族が好んだ場所に定住すると、実家に戻るようなことは、なかなかありません。さらには、親子や親族でも、それぞれの価値観があり、人間関係が良好とも限りません。

そんな空き家が遠方にある場合の不動産売却での注意点は以下。
・交通費と時間の負担:何度も現地に行く必要があり、交通費や時間の負担がある
・現地での対応:現地でしか出来ない手続き(物品の整理・買主との契約・残金決済など)が多い

となると、現地の不動産業者さんに任せてしまうことも考えるでしょうが、それにも難しさが!
・信頼できる業者を探す:物件から近い地元の不動産業者をどう探すか?
・管理と処分の委託:その不動産業者に物件の管理と処分を任せて大丈夫なのか?

その上で「仲介か?買取か?」判断します。

不動産仲介のメリットは、何と言っても「高値で売却できる可能性が高い」ということ。ただ、これまでの話でもあったように、「手間と時間がかかり、コミュニケーションコストが高すぎる!」というデメリットが大きいと言わざるを得ません。

一方で、不動産買取は「業者の利益を出すために売却価格が低くなる!」というデメリットはとても小さいとは言えませんが、
・遺品整理が不要:貴重品の確認のみで物品の整理はしなくてもいい
・管理負担の軽減:売却するまでの管理や現地に行く回数が少なくて済む
・現況のままでいい:耐震改修や解体の費用の手出しがない
・期限に迫られない:特例適用までの期限が迫っても迅速に対応できる
・即現金化:相続税の納付金への資金調達に困らない
という、空き家を相続したときには、メリットが多いと言えるのではないでしょうか?

以上になりますが、この記事によって、ご自分に適した売り方を見つけられるなら、とても幸いです!

まとめ

今回の記事では、相続空き家の売却に関する税金の特例について、他の特例の適用関係とともに詳しく解説していきました。最後にまとめます!

まず、相続空き家の売却に優遇措置がある背景として、空き家の地域社会への悪影響があり、
・耐震性不足
・防犯リスク
・衛生問題
・土地資源の未活用
とされ、「空き家の早期売却を促進し、適切な管理を行う必要性がある」背景から、「被相続人(亡くなった人)の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」が導入し、相続した空き家を売却する場合に売却益に対する課税を軽減されました。

相続空き家の特別控除は、「相続または遺贈により取得した被相続人居住用家屋または被相続人居住用家屋の敷地等を、令和9年12月31日までの間に売って、一定の要件に当てはまるときは、譲渡所得の金額から最高3000万円まで控除する」ことができます。

その特例の対象となる「被相続人居住用家屋及び敷地」とは、相続の開始の直前まで被相続人が居住していた家屋であり、その家屋が建つ敷地のことを指し、次の3つの要件に当てはまるもの。
・昭和56年5月31日以前に建築されたものであること
・区分所有建物登記(区分マンションなど)がされている建物でないこと
・相続開始直前まで被相続人が独居であったこと

ただ、被相続人さんが老人ホームなどに入所していた場合は、以下の条件を満たす必要があります。
・被相続人が介護保険法に基づく要介護認定を受けていること
・入所中は該当家屋が被相続人の物品保管などの一定の使用のみであること

なお、敷地内に用途上不可欠な関係のある2つ以上の建物がある場合(母屋と離れなど)は、全ての建物の床面積に対して、主に使用された建物の床面積が占める割合を、全体の敷地面積に乗じた分のみが適用になります。また、法定相続人さんが複数(3人以上)いた場合、特別控除額はそれぞれ2000万円までとなります。

その上で、相続空き家の特別控除の適用を受けるための要件は以下。
①不動産売却する人が相続または遺贈により、被相続人居住用家屋及びその敷地を取得したこと
②相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
③特別な関係のある人に売却しないこと
④売却価格が合計1億円以下であること
⑤同一の被相続人から他にも取得した家屋や敷地で特例の適用を受けているような状況にないこと
⑥他の特例との併用していないこと
⑦耐震改修するか解体する
・不動産売却時までに売主(相続人)が耐震改修か解体をする
・不動産購入年の翌年2月15日までに買主が耐震改修か解体をする
これら全ての要件が当てはまらないと、特例の適用は受けられません!

他の特例との適用関係についても注意が必要であり、状況によって得か損か判断して選び取ることが重要。以下に併用出来ない特例と空き家特例よりも優先するケースをあげます。
①相続税の取得費加算の特例
概要:相続した土地や建物の譲渡に際して、その取得費に相続税額を加算して譲渡所得を減額する
判断基準:相続税額が高額な場合や、相続した財産全体の取得費を加算する方が節税効果が大きい場合は有利
②収用等の場合の特別控除
概要:公共事業のために土地や建物を収用された場合に、その譲渡所得から一定額を控除する
判断基準:公共事業による収用(国や地方自治体などの事業を行う者が不動産の所有権を取得する)の場合は有利

一方で、現在ご自身が居住している建物に関する以下のような特例は、併用可能となります。
①住宅借入金等特別控除
②居住用財産の買替え等に係る特例措置
③居住用財産を売却した場合の3000万円特別控除

ここまでを踏まえて、不動産仲介と不動産買取のどちらが自分に適した売り方なのかを検討しなくてはなりませんが、空き家はなるべくして空き家になります。
・核家族化で持ち家を構える
・家族が好んだ場所に定住すると実家に戻らない
・親子や親族でも人間関係が良好とも限りない

そんな空き家が遠方にある場合の不動産売却での注意点は以下。
・何度も現地に行く必要があり、交通費や時間の負担がある
・現地でしか出来ない手続きが多い

となると、現地の不動産業者さんに任せてしまうことには難しさ。
・物件から近い地元の不動産業者をどう探すか?
・不動産業者に物件の管理と処分を任せて大丈夫なのか?

その上で「仲介か?買取か?」判断します。

不動産仲介のメリットは、「高値で売却できる可能性が高い」ということ。
ただ、「手間と時間がかかり、コミュニケーションコストが高すぎる!」というデメリットがあります。

一方で、不動産買取は「業者の利益を出すために売却価格が低くなる!」というデメリットがありますが、
・貴重品の確認のみで物品の整理はしなくてもいい
・売却するまでの管理や現地に行く回数が少なくて済む
・耐震改修や解体の費用の手出しがない
・特例適用までの期限が迫っても迅速に対応できる
・相続税の納付金への資金調達に困らない
という、空き家を相続したときにはメリットが多いと言えます。

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