共有名義人が自己破産!?相続不動産への影響を最小限に抑えるための対策とは?

独自のノウハウにより入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、他の不動産会社が取り扱いづらい“お困り物件”を解決に導いてきた不動産・用地開発のスペシャリスト、株式会社エスエイアシストがお届けする“お困り物件”コラム、第91回目は「相続不動産の共有名義人が自己破産したらどうする?」です。

「亡くなった親から相続した不動産の共有名義人である兄が、自己破産するかもしれない…」そんなショッキングな話が出た時、どう対応したらいいのでしょうか?一緒に共有している相続不動産、その影響は自己破産した当人のみならず、他の共有名義全体に及ぶ可能性があります。それは、不動産が競売にかけられたり、新しい共有者さんとのトラブルが発生する恐れも!

今回の記事では、共有名義人さんが自己破産した際に不動産はどうなるのか、またその影響を最小限に抑えるための具体的な対策を詳しく解説します。最後まで読むことで、共有名義と自己破産の仕組みを理解し、安心して問題に対応するためのヒントが得られるハズです。ぜひお付き合いください!

お困り物件買取事業

相続不動産が共有名義である状態とは?

まず、相続不動産が共有名義になっている状態とは、そんな状態であるのか整理しましょう。

相続不動産における「共有名義」とは、「亡くなった親族(例えば、親や配偶者)から相続した一つの不動産を共同所有する」ということ。それぞれの所有者さんは「持分」と呼ばれる割合を持ち、その割合に応じて不動産に対する権利を持ちます。一般に、法定相続人全員で「遺産分割協議」で話し合い、持分は決定されます。それによって決まった内容は「遺産分割協議書」として残します。

そんな共有不動産での建て替えや売却といった重要事項を実行するためには、共有者全員の同意が必要不可欠となります。もしも、他の共有者さんに無断で勝手に実行してしまおうものなら、最悪は法的な罪を問われたり、損害賠償の対象になってしまいます。

遺産の中でも、相続不動産特有の問題点があります。
・故人が遺言を残していない場合に遺産分割協議が難航することがある
・遺産全体での不動産の割合が大きいと共有者間の意見が対立しやすくなる
・相続不動産は現物資産だが相続税は現金納付しなくてなならない

相続不動産における共有名義にするメリットは以下。
・公平な相続:現物資産である不動産を、複数人でも公平かつ適切な割合で所有権を分けられる
・個々の負担軽減:維持管理などの費用を分担でき、個々の経済的負担を減らせる

しかし一方で、共有名義には課題とリスクも伴います。
・意見の不一致:重要事項実施に反対者がいると意思決定が進まない
・処分や売却の制約:不動産全体ではなく一部の持分は売却できるがトラブルになる
・自己破産の影響:一人が自己破産すると破産管財人により不動産全体が競売にかけられる可能性

自己破産と破産管財人の仕組みとは?

では、そもそも「自己破産」とはどんな仕組みなのか確認します。簡単に言うと「借金返済が自助努力では不可能になった人が、裁判所に申請してその債務を免除してもらう手続き」です。ただし、債務が免除になる代わりに、所有する財産はすべて処分され、それによって発生した資金は各債権者への返済に充てられます。

より具体的に言うと、この手続きには以下のような特徴があります。
・債務免除(免責):裁判所に認められると返済義務がなくなる(税金や養育費など一部は除外)
・処分対象となる財産:預貯金や高額家財、共有不動産の持分も例外ではない
・手続きの目的:破産者の再スタートを助け、債権者が公平に配当を受けられるようにする

そして、財産の処分を担当する専門家さんを「破産管財人」といい、自己破産の手続きが始まると裁判所によって選任されます。弁護士や司法書士が選任されることが多く、破産者さんの財産を管理し各債権者への適切な配当をする責任を担います。

破産管財人さんの具体的な役割は以下。
・財産の調査:不動産、預貯金、車両、高額家財など、破産者の所有財産のすべてを調査する
・財産の管理と処分:調査の結果から債務返済に充てられる財産を特定し、処分方法を決定する
・債務者への配当:財産処分によって得られた資金は、各債務者へ公平に配当する

共有不動産において破産管財人さんは、次のいずれかの方法で処分を行います。
・他の共有者に、共有持分の買い取りを提案する
・不動産市場で第三者に、共有持分のみの売却をする(一般に難しく売却価格も低い)
・共有持分のみの売却が難しい場合、不動産全体を競売にかけて処分する

相続不動産の共有者が自己破産するとどうなる?

そんな破産管財人さんの共有不動産の処分方法をみて分かる通り、共有者さん一人の自己破産は不動産全体に影響を及ぼしていきます。それは選択される処分方法によって、内容もその課題もリスクも変わっていくことになります。共有者さんの立場から、より具体的に見ていきましょう。

①他の共有者が破産者の共有持分を購入する
この処分方法は不本意な競売を回避し不動産を守れますが、当然ながら買い取るためには資金が必要になり、経済的負担も発生します。また、持分割合が増える分、維持管理費用や手間が増加し責任も大きくなります。

②不動産市場で破産者の共有持分のみを売却される
つぎに、自己破産によって持分が第三者に売却されると、新しい共有者さんが登場します。わざわざ権利が複雑な共有不動産を購入するのですから、それなりの目的があるワケです。この新たな共有者が、共有不動産の売却や分割を求めること(共有物分割請求)や、意思決定が困難になることでトラブルに発展する可能性があります。

③共有持分のみならず不動産全体を競売にかけられる
最終的に「共有持分のみの売却は難しい」と破産管財人さんが判断すれば、共有持分のみならず不動産全体を競売にかけられることも!競売にかけられると、不動産は市場価格よりも大幅に低い売却価格(30%〜50%程度)になることが一般的です。そのため、破産者自身はもちろん共有者全員が経済的な損失を被るリスクがあります。

自己破産による相続不動産への影響を最小限に抑えるための対策とは?

ここまでで、他の共有者さんの自己破産が相続不動産全体に及ぼす影響を確認しました。それでは、これらのリスクを最小限に抑えるために具体的にどのような対策があるのでしょうか?

とその前に、他の共有者の自己破産が発覚した際、懸念される点があります。
・資産隠し:自己破産者が不動産を正式な手続きなしに第三者へ譲渡したり、財産を偽装して隠す違法行為で、見つかれば破産手続きそのものが無効になる可能性
・不適切な財産処分:自己破産者が他の共有者の同意なしに共有持分を売却するなど、不動産全体に悪影響を与える行為

その対策として、
・自己破産手続きの開始段階で、弁護士を通じて財産の状況を把握することが重要
・裁判所の監督下で破産管財人が適切に処理を進めるよう、積極的に関与する姿勢をもつ
これらに注意しながら、不動産全体に影響を及ぼすリスクへの対策をします。

①早めの専門家相談がカギ!
1つ目。自己破産や共有名義の問題は法律や手続きが複雑なため、弁護士や司法書士などの専門家さんに相談することが非常に重要であり、早めの相談がトラブルを最小限に抑えるカギとなります。
相談するメリット:
・共有不動産にどのようなリスクがあるのか把握することが出来る
・任意売却や競売回避策、共有物分割請求など、状況に適切な解決策のアドバイスを受けられる
・共有者間の調整や破産管財人との交渉など、複雑な手続きを代行

②任意売却を利用して競売を回避する!
2つ目。共有不動産が競売にかけられる前に、破産管財人さんと協力して不動産を任意売却を活用することで、比較的有利な条件で不本意な売却価格になることを回避できます。ただし、適正価格での売却と売却代金の使途には、厳しくチェックが入るので注意が必要です。
任意売却を選ぶメリット:
・競売に比べ、売却価格が市場価格に近い売却が可能になるケースが多い
・共有者全員の合意が取れれば、手続きを短期間で進めることができる
・第三者とのトラブルを避けながら円滑な処理ができる

③他の共有者も競売に参加して不動産を守る!
最後の3つ目は、万が一競売が避けられない場合に検討します。他の共有者が競売に参加することで、不動産を守る方法です。ただし、競売に参加するためには保証金が必要で、落札後の支払いも考慮しなくてはならない上、他の入札者との競争になる以上は落札できる保証はありません。
競売に参加するメリット:
・競売で不動産を落札できれば、その所有権の維持ができる
・(共有持分のみを競売で売却された場合)第三者の介入で発生しうるトラブルを回避できる

仲介での売却は無理?不動産買取を利用して迅速に問題解決する!

ただ、他の共有名義人さんの自己破産によって相続不動産が影響を受けている場合、不動産仲介での通常売却は難しいケースが多いです。その理由は、これまでお伝えした通り「共有持分の売却は難しい」「共有者全員の合意が必要」「手続きが複雑」であるため、一般の買い手さんが見つかることはまずありません。

そこで検討するのは、不動産買取サービスでの売却となります。買取業者さんなら、共有名義や自己破産が絡む複雑な問題でも対応可能なため、迅速かつ確実に問題を解決するための強力な選択肢と言えます。ご自身の共有持分のみはもちろん、破産管財人さんの承認や法的手続きに問題がなければ、不動産全体の売却も可能になります。

とは言え、この状況の扱いが簡単なものではないのは、買取業者さんも同じであり、不動産市場相場のような高額買取はできませんし、足元を見る悪徳業者の存在がいるのも軽視できません。買取業者選びの際には、以下の点に注意してください。
・相続不動産や自己破産案件のノウハウのある業者を選ぶ
・専門家と連携している体制があり、手続きがスムーズに進められる
・ネットや口コミ情報、相見積もりを取るなど比較し、複数業者の中から最適な業者を選ぶ

最適な業者選びが出来たなら、買取サービスによる以下のメリットが得られます。
・現状のまま買取:手間や時間や持ち出し資金不要で現状のままの不動産を買い取り
・即現金化できる:買取交渉がまとまれば迅速に現金を受け取れる
・直接取引で確実:買取業者との手続きはシンプルで分かりやすく安心感がある
・トラブル対応可:他の共有者との関係性が悪くとも交渉を代行してもらえる
・法的な問題も可:複雑な手続きなど法的サポートが手厚い

ということで、「共有名義人が自己破産するかもしれない」というショッキングな状況に直面しても、適切な知識と行動によって相続不動産を守り、安心して問題を解決することができます!

まとめ

今回の記事では、共有名義人さんが自己破産した際に不動産はどうなるのか、またその影響を最小限に抑えるための具体的な対策を詳しく解説していきました。

まず、相続不動産における「共有名義」とは、「亡くなった親族(例えば、親や配偶者)から相続した一つの不動産を共同所有する」ということ。それぞれの所有者さんは「持分」に応じて不動産に対する権利を持ちます。

そんな共有不動産での重要事項を実行するには、共有者全員の同意が必要不可欠であり、勝手に実行すれば、最悪は法的な罪を問われてしまいます。

遺産の中でも、相続不動産特有の問題点があります。
・遺産分割協議が難航することがある
・共有者間の意見が対立しやすくなる
・現物資産だが相続税は現金納付しなくてなならない

相続不動産における共有名義にするメリットは以下。
・公平な相続
・個々の負担軽減

しかし一方で、共有名義には課題とリスクも伴います。
・意見の不一致
・処分や売却の制約
・自己破産の影響

そもそも「自己破産」の仕組みは、「借金返済が自助努力では不可能になった人が、裁判所に申請してその債務を免除してもらう手続き」です。ただし、所有する財産はすべて処分され各債権者への返済に充てられます。より具体的には以下。
・債務免除(免責)
・処分対象となる財産
・手続きの目的

そして、自己破産の手続きが始まると、財産の処分を担当する「破産管財人」が裁判所によって選任され、財産管理や各債権者へ配当をする責任を担います。

破産管財人さんの具体的な役割は以下。
・財産の調査
・財産の管理と処分
・債務者への配当

共有者さん一人の自己破産は、破産管財人さんが選択する処分方法によって、不動産全体に影響を及ぼしていきます。
①他の共有者が破産者の共有持分を購入する
②不動産市場で破産者の共有持分のみを売却される
③共有持分のみならず不動産全体を競売にかけられる

自己破産が発覚した際、その当人の行動で懸念される点があります。
・資産隠し
・不適切な財産処分
その対策として、
・弁護士を通じて財産の状況を把握すること
・破産管財人が適切に処理を進めるよう積極的に関与する

これらに注意しながら、相続不動産への影響を最小限に抑えるための対策をします。
①早めの専門家相談でトラブルを最小限に抑えることがカギ!
相談するメリット:
・リスクを把握することが出来る
・状況に適切な解決策のアドバイスを受けられる
・交渉や複雑な手続きを代行してくれる

②破産管財人さんと協力して任意売却を利用し競売を回避する!
任意売却を選ぶメリット:
・市場価格に近い売却が可能
・共有者全員の合意で手続きを短期間で進めることができる
・第三者とのトラブルを避けて処理ができる

③他の共有者も競売に参加して不動産を守る!
競売に参加するメリット:
・落札できれば所有権の維持ができる
・第三者の介入トラブルを回避できる

ただ、不動産仲介での通常売却は「一般の買い手さんへの共有持分の売却は難しい」「共有者全員の合意が必要」「手続きが複雑」であるため、難しいケースが多いです。

そこで検討するのは、不動産買取サービスでの売却となります。買取業者さんなら、ご自身の共有持分のみはもちろん、破産管財人さんの承認や法的手続きに問題がなければ、不動産全体の売却も可能になります。

とは言え、この状況の扱いが簡単なものではないので、買取業者選びに注意してください。
・ノウハウのある業者を選ぶ
・専門家と連携し手続きがスムーズ
・複数業者の中から最適な業者を選ぶ

買取サービスにより以下のメリットが得られます。
・現状のまま買取
・即現金化できる
・直接取引で確実
・トラブル対応可
・法的な問題も可

ということで、「共有名義人が自己破産するかもしれない」状況に直面しても、適切な知識と行動によって相続不動産を守りましょう!

私たちエスエイアシストでは、入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、困ってしまう“訳あり物件”のご相談を数々と解決してきた実績があります。その中には法的に問題を抱えたものも多くあります。もし、ほかの不動産会社で難色を示されるような物件をお持ちの方であれば、ものは試しにぜひ一度エスエイアシストにご相談ください!お待ちしています。

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