エレベーターなしマンションの売却は難しい?不動産買取を活用した売却戦略!

独自のノウハウにより入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、他の不動産会社が取り扱いづらい“お困り物件”を解決に導いてきた不動産・用地開発のスペシャリスト、株式会社エスエイアシストがお届けする“お困り物件”コラム、第77回目は「エレベーターなしマンションの売却」です。

エレベーターなしマンションをお持ちの方、階段の上り下りや日々の生活に不便さを感じていませんか?そして、将来的にそのマンションを売却しようと考えたとき、「エレベーターがないと売れにくいのでは?」と不安を抱いたことはありませんか?

この記事では、エレベーターなしのマンションの特徴や資産価値を高めるための工夫、効果的な売却戦略まで、不動産のことに詳しくなくても分かりやすく解説していきます。状況によっては不動産買取を活用した方が、納得感ある取り引きができるケースもあるでしょう。ぜひ最後まで読んでいただき、ご自身にあった最適な売却プランを見つけてみてくださいね!

お困り物件買取事業

エレベーターなしマンションは、文字通り「エレベーターが設置されていないマンション」を指します。建築基準法によると、高さ31mを超える建物(一般的には7〜10階建て)には非常用昇降機(エレベーター)の設置が義務付けされています。この高さは火災時の消火活動や救助活動において、はしご車が届くギリギリであり、安全面からの配慮がされていると言えます。ただ、生活する上で現実的には5階が限度なのではないでしょうか?

また、本来エレベーターが設置されていたマンションでも、管理組合の資金不足によりエレベーターの維持管理ができなくなり、使用停止に陥っているケースもあります。このような場合、エレベーターがあるにも関わらず、実質的に「エレベーターなしマンション」として扱われます。

そんなエレベーターなしマンションがある背景をまとめると以下の通り。

①昭和から平成初期の住宅不足
ひとつに、昭和から平成初期にかけての都市部の急速な人口増加に伴う住宅不足の深刻化があります。当時の建設会社は、建築費用を抑え安価な多くの住宅を供給するために、エレベーターを省略することが多くありました。

②バブル期以前の基準の緩さ
つぎに、バブル期以前の建設ラッシュの中で、エレベーター設置基準が現在ほど厳格ではありませんでした。また、設置の有無は、建物の高さや規模、用途、コスト、当時の建築技術水準や制約など、様々な要因によって決定されていました。その結果、多くのエレベーターなしマンションが建てられたと言えるでしょう。

③管理組合の課題
さいごは先述の通り、管理組合の課題があります。近年では管理組合の資金不足により、エレベーターの維持管理が困難になるケースも増えています。特に、建物が古くなると修繕やエレベーター自体の交換において、コストは大きくなっていきます。まともなメンテナンスができなければ安全面への配慮からも、使用を停止せざるを得なくなります。

不動産所有者から見たエレベーターなしマンションのメリット・デメリットとは?

では、不動産所有者さんから見て、エレベーターなしマンションのメリット・デメリットは、どんなものがあるでしょうか?

①エレベーターなしマンションのメリット
・修繕積立金や管理費が安い:維持管理のコストという固定費が抑えられる
・静かな生活環境:エレベーターの作動音や人の出入りが少なく静か
・健康維持に役立つ:階段を日常的に使うことで運動不足にならない

②エレベーターなしマンションのデメリット
・生活の利便性が悪い:日々の階段の上り下りの負担が大きい
・荷物の搬入出が不便:重い荷物を運ぶ作業(引っ越しなど)は大変である
・将来の売却に不安:人気なく買い手の母数が少ないので売却は難しい

以上のことから、もしエレベーターなしマンションを売却したいと考えたとき、効果的に売却戦略を立てるためには、向いている買い手さんと向いていない買い手さんを理解することが重要となります。

①向いていない買い手
・高齢者や障害をお持ちの人:特に車椅子利用の買い手は避ける
・乳幼児のいるファミリー層:ベビーカーや子供を抱えての上り下りは危険である
・将来の売却を重視する人:資産価値を気にする買い手は避ける
・長期居住を考える人:年齢を重ねたときに不自由が生じることに不安がある

②向いている買い手
・小学生以上の子のいるファミリー層:自分で階段を登れる子を持つファミリー層
・予算を抑えたい人:不動産購入価格を抑えたい人
・その他上記メリットを求める人:母数は少ないものの一定数存在する

「エレベーターなしマンションの売却は難しい?」売却するための工夫とは?

「エレベーターなしマンションの売却は難しい?」かと聞かれれば、結論「難しい」です!であるので、売却するためには工夫が必要です。まずは、具体的な購入を検討してくれる可能性のある層をターゲットに絞り込むことが大変重要になります。例えば、
・健康志向が高く若い単身者
・立地を重視するファミリー層
・事務所利用を考えている事業者
・賃貸運用目的の投資家
などが考えられるでしょう。

その上で売却するための工夫をすることになります。

①物件の魅力をアピールする
まずはエレベーターなしのデメリットを補うために、マンションの他の特徴をアピールすることが大切です。例えば、「駅に近い」「周囲に商業施設が多い」などの立地や、治安が良いなどの利点があれば強調します。周辺環境の良さや利便性を前面に出すことで、買い手さんの関心を引くことができます。

②管理組合の立て直し
また、修繕積立金が十分に貯まっておらず、管理組合の資金が不足している場合、管理体制の立て直しを図ることも考えます。「自主管理であれば管理会社へ依頼する」「現管理会社が怠慢であるなら会社を替える」「管理費や修繕積立金などの見直し」など、住民全体の合意形成を得た上で、資金計画を再構築する努力をします。

③リフォームやリノベーションの実施
さらに、室内のリフォームやリノベーションを行うことで、買い手さんの印象を良くして売却に繋げます。工事費用を手出ししなくてはなりませんが、外部要因は個人ではなかなか変えることはできませんので、自身の影響の範囲内で魅力アップを図ります。

不動産買取を活用したエレベーターなしマンション売却戦略!

というワケで、これらの工夫をすることで、エレベーターなしマンションを売却成功させることは可能です。しかし、当然リスクは伴います。
・古いマンションの魅力的にすることには限界がある
・管理組合の立て直しをするための道は険しく時間がかかる
・リフォームする工事費用分を売却によって回収できるかは不確定である
また、取り組みによって物件の資産価値が向上を図れたとしても、必ずしもターゲット層にマッチするとは限りません。そうなると、お金も時間も労力も無駄になりかねません。

こうしたリスクを回避したい場合には、敢えて手を加えることはせずに、一つの売却戦略として不動産買取を活用する選択肢も検討するべきです。売却価格は低くなってしまいますが、それ以上のメリットに以下のようなものがあります。
・現状買取:現状のままでも買い取ってもらえる
・迅速な取引:直接取引なので売却活動は不要かつ時間がかからない
・契約不適合責任が免責:何らかの瑕疵があっても責任を問われない

ただ、不動産買取業者さんの選び方や交渉方法は非常に重要です。そのポイントは以下。
・信頼できる業者を選ぶ:ネット上の評判や免許番号を確認する
・買取相場などを確認する:業者まかせにせずに自らも学ぶ姿勢を持つ
・相見積もりを徹底する:複数の業者に査定依頼して比較する
・誠実な業者を選ぶ:問い合わせの返信が早く対応が丁寧で誠実である
・契約条件を慎重に確認する:契約条件はメールなどに残し必要に応じて他の専門家に頼る

契約後のトラブルを防ぐためにも、しっかりと比べて納得感のある取り引きをしましょう!

まとめ

この記事では、エレベーターなしのマンションの特徴や資産価値を高めるための工夫、効果的な売却戦略まで分かりやすく解説していきました。

エレベーターなしのマンションとは、高さ31mを超える建物にはエレベーターの設置が義務付けされていますが、生活する上で現実的には5階以下のマンションとなります。また、本来エレベーターが設置されていたマンションでも、管理組合の資金不足によりエレベーターの維持管理ができなくなり、使用停止に陥っているケースもあります。

そんなエレベーターなしマンションがある背景をまとめると以下の通り。
①昭和から平成初期の住宅不足において、建築費用を抑えて多くの住宅を供給された
②バブル期以前の基準の緩さや、当時の建築技術水準や制約などあったため
③管理組合の資金不足により、エレベーターの維持管理が困難になるケースがある

不動産所有者さんから見たエレベーターなしマンションのメリット・デメリットは以下。

①エレベーターなしマンションのメリット
・修繕積立金や管理費が安い
・静かな生活環境
・健康維持に役立つ

②エレベーターなしマンションのデメリット
・生活の利便性が悪い
・荷物の搬入出が不便
・将来の売却に不安

以上のことから、効果的に売却戦略を立てるためには、買い手さんを理解することが重要。

①向いていない買い手
・高齢者や障害をお持ちの人
・乳幼児のいるファミリー層
・将来の売却を重視する人
・長期居住を考える人

②向いている買い手
・小学生以上の子のいるファミリー層
・予算を抑えたい人
・その他上記メリットを求める一定数存在する人

エレベーターなしマンションの売却は難しいので、具体的な購入を検討してくれる可能性のある層をターゲットに絞り込むことが大変重要。
・健康志向が高く若い単身者
・立地を重視するファミリー層
・事務所利用を考えている事業者
・賃貸運用目的の投資家
などが考えられるでしょう。

その上で売却するための工夫をすることになります。
①物件の魅力をアピールする
②管理組合の立て直し
③リフォームやリノベーションの実施

これらの工夫で、エレベーターなしマンションを売却成功させることは可能ですが、リスクは伴います。
・古いマンションの魅力的にすることには限界がある
・管理組合の立て直しをするための道は険しく時間がかかる
・リフォームする工事費用分を売却によって回収できるかは不確定である
・必ずしもターゲット層にマッチするとは限らない

こうしたリスクを回避したい場合、一つの売却戦略として不動産買取を活用する選択肢も検討するべき。売却価格は低くなってしまいますが、それ以上のメリットに以下のようなものがあります。
・現状買取
・迅速な取引
・契約不適合責任が免責

ただ、不動産買取業者さんの選び方や交渉方法は非常に重要です。そのポイントは以下。
・信頼できる業者を選ぶ
・買取相場などを確認する
・相見積もりを徹底する
・誠実な業者を選ぶ
・契約条件を慎重に確認する

契約後のトラブルを防ぐためにも、しっかりと比べて納得感のある取り引きをしましょう!

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