独自のノウハウにより入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、他の不動産会社が取り扱いづらい“お困り物件”を解決に導いてきた不動産・用地開発のスペシャリスト、株式会社エスエイアシストがお届けする“お困り物件”コラム、第87回目は「売れない家をどうするか?」です。
家族のためにと新築一戸建てを購入して30年余り。今では子供たちも皆独立し、それぞれ別に新居を購入しているので、誰一人実家に戻る予定はなくなっています。そこで、残された夫婦二人にはちょっと広すぎる今の自宅を、「売却して住み替えを検討している…」そんなケースがあるかと思います。また別のケースでは、ご自身が介護施設に入ったり、親御さんから住まない家を相続したりといったこともあるでしょう。そんな中「家がなかなか売れない…」と、お悩みではありませんか?
では、売れない家をそのまま放置してしまうとどうなるのでしょうか?高額な維持費や老朽化による資産価値の低下、さらには行政からの指導や解体命令、競売のリスクに直面する可能性もあります。特に、2023年12月13日に施行された「空き家等の推進に関する特別措置法」の改正により、空き家の管理責任が強化され、所有者への負担が増しています。
この記事では、売れない家が引き起こすリスクやその原因、解決策について詳しく解説します。適切な対応を取ることがリスクを回避し、「早期売却が資産を守るカギ」となります。その具体的なヒントが得られる内容ですので、ぜひ最後までお読みください。
売れない家の特徴とは?
はじめに、「売れない家」にはいくつかの共通点があります。以下のようだと不動産市場のニーズに合わず、買い手にとって魅力的に映らないことが多いのです。具体的に見ていきましょう。
①築年数が古く建物の状態が悪い
まず、築年数が古い物件は、建物の老朽化が進んでいることが多く、購入後の修繕費用が高額になる点が買い手さんにとって大きなネックとなります。特に、築40年以上となると、1981年6月1日施行の建築基準法に基づく新耐震基準に適合していない物件の可能性があり、敬遠されがちになります。
・外壁のひび割れや塗装の剥がれ
・屋根の劣化や雨漏りの跡
・水回り設備や電気設備の劣化
・畳や床の傷み、窓や扉の開閉不具合
②立地条件が悪い
つぎに、物件の立地条件は、不動産売却において重要な要素の一つであり、問題視されると買い手さんが付きにくくなります。
・交通の便が悪い
・周辺環境の不便さ
・治安の悪さ
・自然災害リスク
③内覧時の印象が悪い
また、内覧は買い手さんにとって、物件の購入を決める重要なステップであり、物件の印象が悪ければ購入を見送られる可能性が高まります。
・室内清掃が不十分
・整理整頓されていない
・暗く風通しが悪い
・修繕の必要性が見える
④売り出し価格が相場より高い
さらに、物件の売り出し価格設定が市場相場より高すぎると、売れない原因になります。買い手さんはポータルサイトなどで複数の物件を比較検討するため、適正価格でない物件はすぐに候補から外されてしまいます。
・売主が過去の購入価格や「思い入れ」を基準に価格を設定している
・リフォーム費用を価格に上乗せしている
・仲介業者が売り手の気を引くため相場以上の価格で売り出している
⑤悪い仲介業者に捕まっている
最後に、不動産売却を仲介する業者の質も、売却の成否を大きく左右します。
・自社利益を優先し、他社の買い手を排除する
・広告やPRに力を入れず、物件情報が広がらない
・相場より高く査定し、売れないまま放置する
・売り手に寄り添った対応をしない
売れない家を放置するとどうなる?
つぎに、売れない家を売れないまま放置すると発生し得る問題を見ていきましょう。
その最も大きな負担になるのは維持費であり、具体的には以下のような費用があります。
・固定資産税:物件所有しているだけで毎年課される税金
・修繕費用:屋根や外壁等の劣化部分の修繕・維持するための費用
・管理費:清掃や草刈り等、空き家なら定期点検といった管理会社への管理費
これらの維持管理費が毎年積み重なり、家計を圧迫する要因になります。特に、老後資金に限りがある場合や収入が減少している状況では、より負担感は大きいものです。そんな中「手が回らない!」と、万が一管理を怠って放置してしまうと、時間の経過とともに建物は劣化し資産価値は低下していきます。具体的には以下。
①建物の外観が劣化していく
ひとつに、家の見た目は非常に大切です。売れない家を放置すれば、建物の外観が劣化していきます。外壁のひび割れや塗装の剥がれ、屋根の瓦の破損などは、買い手さんによっては大きなマイナス要因です。また、外観が劣化したままでは、周辺住民さんに悪い印象を与え、近隣トラブルに発展する場合もあります。
②水回りのトラブルが増える
つぎに、長期間使用されないキッチンや浴室・トイレといった水回りでは劣化が早まり、カビや錆が発生することがあります。水漏れや配管の詰まりといった問題が発覚する場合も多く、これらを修繕するには大きな費用がかかります。
③資産価値が低下していく
結果、老朽化の進んだ建物は、市場価値が大幅に低下していきます。例えば、築年数が経った家では、構造にもよりますが耐用年数を過ぎてしまい、基本的には土地の価値のみになります。劣化によって家としての利用価値すら無くなれば、売却はさらに難しくなる悪循環に陥ります。
④住宅ローン滞納のリスクが伴う
他方、30年以上経過する中で修繕費用が思いの外かかってしまい、借金が重なるケースがあります。売れない家を抱えたまま住宅ローンを返済できなくなるケースも深刻です。そうなると、金融機関は担保となっている物件を競売にかけ、貸付金の回収を図ることになります。
⑤行政からの指導や命令を受けるリスクがある
さらには、空き家となってしまった売れない家を放置しておくと、行政からの指導や解体命令を受けるリスクがあります。特に、2023年12月13日に施行の「空家等対策の推進に関する特別措置法」の改正によって、そのリスクが高まっています。具体的には、以下のような経過を辿ります。
・管理不全空家等指定:安全性や環境・衛生に悪影響があるとみなされ、改善指導・勧告が入る
・特定空家等指定:管理不全空家等が放置されると特定空家等に指定され、税金の優遇措置が解除
・行政代執行等:改善が見られないと行政が所有者に代わって解体・修繕、費用請求や法的措置
早期売却することが資産を守るカギ!
一般的に首都圏の中古一戸建て住宅は、不動産市場に売り出されてから契約締結まで、3ヶ月以内が目安と言われています。しかし、それ以上の期間が経っても売れない場合、その物件は「売れ残り物件」として見なされてしまいます。
住宅購入は買い手にとって非常に慎重な決断です。多くの買い手は、不動産ポータルサイトやチラシなどで複数の物件を比較検討しています。そんな中で「売れ残り」と認識されてしまうと、「何か問題があるのではないか?」という不信感を抱かれ、購入の候補から外れてしまうことが多いのです。
売れない家でも不動産市場で売るためには、体制を立て直し適切な対策を講じることで「早期売却することが資産を守るカギ」となります。具体的には以下の様に進めます。
①一旦不動産市場から取り下げる
まず、販売期間が6ヶ月に及んでいる場合は、思い切って一度取り下げてみるのも一つの手です。長期間売れ残っている物件は「売れ残り」という悪い印象がついてしまっています。市場から取り下げることでリセット効果が期待でき、市場のタイミングを見計らい、再度新しい物件として売り出すことが可能です。
②不動産仲介業者を再検討する
また、売却活動が思うように進まない場合、仲介を依頼している不動産仲介業者さんの選び方に問題があるかもしれません。業者さんごとに得意なエリアや物件のタイプが異なることや、営業担当レベルでスキルが足りていないケースもあります。特に、自社利益の最大化しか考えず、囲い込み(買い手の仲介手数料も含め両取りを企む)をしようとするような悪徳業者もいるので注意が必要です。
③デメリットをメリットに変換する
そして、物件のデメリットを放置するのではなく、逆にメリットに変換してアピールすることが重要です。例えば、以下のようなアプローチが考えられます。
・築古物件:「リノベーション向け物件」として、買い手に自由な改装を楽しんでもらえる点を強調
・不便な立地:「静かで落ち着いた環境」「広々とした敷地」など、周辺環境の良い点を訴求
・老朽化:取り壊し後の「更地活用」を提案し、土地としての価値をアピール
④内覧時の印象を良くする
さらに、ごちゃごちゃと物で溢れかえっているようでは、売れるものも売れません!内覧時の買い手さんの第一印象を良くするための工夫を行いましょう。
・クリーニングの徹底:プロのクリーニング業者に依頼し、家全体を清潔に保つ
・ホームステージング:家具やインテリアで室内を美しく演出し、生活イメージを伝える
・明るさと換気:内覧前に窓を開放して換気し、明るく風通しの良い空間を作る
⑤建物状況調査を実施する
一方で、専門業者に依頼して「建物状況調査(ホームインスペクション)」を実施し、物件の状況を第三者目線で評価してもらいます。物件の状態を明確にすることで、修繕が必要な箇所については事前に報告することができ、買い手さんに安心して購入できる材料を提供します。
⑥新耐震基準に適合させる
もし、新耐震基準に適合しないのであれば、耐震性が不安視されることが多いです。また、買い手さんは住宅ローンを活用できないことにもなります。これは大きなネックになるので、可能であれば耐震補強工事を行い「耐震基準適合証明書」を取得することで、住宅ローン控除の対象にもなります。
⑦販売戦略を練り直し早期売却を目指す
最後に、「売れない家を早期売却をするためにどうするか?」販売戦略を練り直し、再度、不動産市場での売却活動をスタートさせます。
・古家付き土地か更地として売却:老朽化著しいなら土地の価値を前面に出す
・リフォームや修繕をして売却:ターゲット層を明確化して訴求する
・売り出し価格の再設定:適正価格を見極める
売れない家は不動産買取も検討する!
ただ、「売却活動が長引いている」「費用や手間をかけたくない」「急いで現金化したい」…そんな場合には、不動産買取業者さんを活用するのも一つの方法です。通常の仲介売却とは異なり、不動産買取では、「買取後に付加価値を出して再販」する目的があるため、一般的には不動産市場相場より売却価格は安くなります。
一方で、以下のような大きなメリットがあります。
①直接取引で仲介手数料が不要
ひとつに、仲介売却の場合は仲介手数料が必要ですが、直接取引である不動産買取ではこれがかかりません。そして、話がまとまれば、ほぼ確実に売却することができます。
②現状のまま売却できる
また、老朽化が著しい物件でも、現状のままの状態で買い取ってくれます。リフォームやクリーニングなどの手間やコストをかける必要がないため、時間とお金を節約できる上、「瑕疵(かし)が見つかった」などとクレームを受けるリスクは、ほぼありません。
③早期売却が可能
最後に、不動産市場で買い手さんを探す時間が不要です。先述の通り、通常売却活動には3ヶ月から半年以上かかることがありますが、不動産買取を利用すれば最短数週間で売却が完了します。早期に売却して、売れない家を即現金化することが可能です!
まとめ
この記事では、売れない家が引き起こすリスクやその原因、早期売却が資産を守るカギとして解説してきました。
「売れない家」にはいくつかの共通点は以下。
①築年数が古く建物の状態が悪い
②立地条件が悪い
③内覧時の印象が悪い
④売り出し価格が相場より高い
⑤悪い仲介業者に捕まっている
売れない家を売れないまま放置すると発生し得る問題で、最も大きな負担になるのは維持費となります。
・固定資産税
・修繕費用
・管理費
これらの維持管理費が毎年積み重なり、家計を圧迫する要因になります。
そんな中「とても手が回らない!」と、万が一管理を怠って放置してしまうと、時間の経過とともに建物は劣化し資産価値は低下していきます。
①建物の外観が劣化していく
②水回りのトラブルが増える
③資産価値が低下していく
④住宅ローン滞納のリスクが伴う
⑤行政からの指導や命令リスクがある
一般的に首都圏の中古一戸建て住宅は、不動産市場に売り出されてから契約締結まで、3ヶ月以内が目安と言われています。しかし、それ以上の期間が経っても売れない場合、その物件は「売れ残り物件」として見なされてしまいます。そう認識されてしまうと、「何か問題があるのではないか?」という不信感を抱かれ、購入の候補から外れてしまうことが多いのです。
売れない家でも不動産市場で売るためには、体制を立て直し適切な対策を講じることで「早期売却することが資産を守るカギ」となります。対策は以下。
①一旦不動産市場から取り下げる
②不動産仲介業者を再検討する
③デメリットをメリットに変換する
④内覧時の印象を良くする
⑤建物状況調査を実施する
⑥新耐震基準に適合させる
⑦販売戦略を練り直し早期売却を目指す
ただ、「売却活動が長引いている」「費用や手間をかけたくない」「急いで現金化したい」…そんな場合には、不動産買取業者さんを活用するのも一つの方法です。通常の仲介売却とは異なり、不動産買取では、「買取後に付加価値を出して再販」する目的があるため、一般的には不動産市場相場より売却価格は安くなります。
一方で、不動産買取には以下のような大きなメリットがあります。
①直接取引で仲介手数料が不要
②現状のまま売却できる
③早期売却が可能
私たちエスエイアシストも、そんな不動産買取サービスを展開する買取業者のひとつです。入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、困ってしまう“訳あり物件”のご相談を数々と解決してきた実績があります。ぜひ他社さんと比較して頂ければと思います。難しい物件をお持ちでお困りの方は、一度エスエイアシストにご相談ください!お待ちしています。