「墓地隣接物件は売れない」と決めつけない!隠れた強みを理解しよう!

独自のノウハウにより入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、他の不動産会社が取り扱いづらい“お困り物件”を解決に導いてきた不動産・用地開発のスペシャリスト、株式会社エスエイアシストがお届けする“お困り物件”コラム、第110回目は「墓地隣接物件は売れない?」です。

相続した実家を売却したいけれど、隣が墓地のため買い手が付かず困っている…。不動産業者に仲介を依頼しているが、内覧予約も入らず不安…」と、そんな悩みを抱えている人は少なくありません。たしかに「縁起が悪い」というイメージは根強く、「墓地隣接物件は売れない」と決めつけたくなりそうです。けれど、本当に「売れない」のでしょうか?実は考え方次第で成約につながる方法があります!

今回の記事では、隣接墓地物件が買い手さんに敬遠される理由を整理しつつ、静けさ・日当たり・地盤などの「隠れた強み」を理解し、売却方法の最適解を導く考え方を解説していきます。安心して物件を手放せるよう、ぜひ最後まで読んでいってくださいね!

お困り物件買取事業

墓地隣接物件とは?嫌悪施設は売却価格に影響?

はじめに「墓地隣接物件」とは、「住宅やマンションの敷地が墓地や霊園と隣接している、または近くの位置関係にある不動産物件」を指すことが一般的です。墓地というのは、いわゆる「嫌悪施設(心理的に嫌悪や敬遠されやすい施設)」に分類されます。

他の嫌悪施設…、例えば、
・ごみ処理場
・火葬場
・汚水処理施設
といったものがあり、これらは多くの人が「住んでいる近くにあってほしくないなぁ…」と感じ、不動産購入をためらう要因となります。

もっと言うと、それらは不動産として心理的・環境的な瑕疵(かし:欠陥やキズ、不具合)がある物件とされ、売買契約時には重要事項として説明を果たすべき「告知義務」が発生します。

そんな墓地隣接物件は「その事実を告知しなくてはならない」以上、自宅物件を探す買い手さんからすれば、「あえて選ぶことはない」不人気な物件となります。当然ですが、売却価格に影響して低くなる可能性があります。

「墓地隣接物件は売れない」と決めつけてしまう3つの誤解と実際!

そうなると売主さんの中には、「墓地隣接物件は売れない!」と決めつけてしまう人がいますが、その理由は以下の3つの誤解があるのではないでしょうか?
・縁起が悪い:幽霊や風水的にイメージ面で敬遠される
・告知義務への不安:説明不足で責任を問われる恐れ
・評価への先入観:相場の半値まで下げないと売れないと極端に思う

どうしても、こういったイメージが先行してしまいがち。でも、目を向けるべきは実際的なものであり、デメリットをちゃんと知ることが大切です。それは以下のようなもの。

①害獣や害虫の問題
ひとつに、墓地周辺は人の出入りが少ない分、野良猫やカラスなどが住み着きやすい傾向があります。特に供え物等が放置されていると、時に生ごみを荒らすようなケースも。加えて、雑草が伸びっぱなしの場所では虫が発生しやすく、夏場は虫よけ対策が必須です。ペットや小さなお子さんがいる家庭だと、こうした点を気にされることもあるでしょう。

②線香の匂いの問題
つぎに、線香などの匂いが風に乗って住宅まで届くことがあります。それは、お彼岸の時期などには参拝者が多く、匂いが長時間にわたることも。洗濯物に香りがうつったり、室内に匂いが入ったりすることがあり、匂いに敏感な人にとってはマイナス印象につながります。

③夜間は暗い問題
そして、墓地の周辺は街灯が控えめに設置されていることが多く、夜になると非常に暗く感じることがあります。夜に出歩くときの視界の悪さや、物陰への不安を感じやすく、特に一人暮らしの女性や小さなお子さんのいる家庭では、防犯面で不安を抱えることも多いです。

④時期による人の出入りの問題
さらに、お墓参りの時期には人の出入りが増えるため、通常よりも車や人の往来が激しくなります。私道や隣接空き地に無断で迷惑駐車するトラブルもあり得るでしょう。また、法事や供養の際には静かさが損なわれることもあり、「普段の静かな環境が時期によっては落ち着かない」と感じる人もいます。

⑤売却価格が低い問題
さいごに、心理的な理由から嫌悪と感じる人が一定数いるため、買い手さんの母数が限られがちになります。その結果として、相場より売却価格を下げないと売れにくいという傾向が出やすくなります。一般的には実勢価格(過去事例など実際に不動産取引された価格)の10〜20%ほどの値引きを前提とした交渉になるケースが多いです。

実はこれらの方が、実際的なデメリットと言えるのではないでしょうか?

墓地隣接物件の隠れた強みを理解しよう!

とは言え、デメリットばかりでもありません。墓地隣接物件にはメリットもあります!負のイメージに隠れた強みを理解すれば、買い手さんにアピールすることができます。

①日当たりや風通しがよい
まず、墓地隣接物件の多くは、周辺が建築制限をされていて建物が建ちにくい場所にあり、窓の向こうは開けています。特に自宅南側が墓地の場合は、陽が差し込んで部屋が明るい、冬も暖かく、洗濯物が乾きやすい、といった恩恵があります。また、周囲に建物が少ないことで風通しも良好。夏場でも室内にこもりにくく、弱冷房でも快適になり節電になるといったメリットも。

②静かな環境
そして、墓地の周辺は夜間の人の出入りや車の通行も少ないため、とても静かな環境が保たれています。実際に住む人からは、睡眠の質やリラックスできる時間が格段に違うという声も多いです。特に在宅ワークが多い人や高齢者世帯にとって、「静かで落ち着いた環境」は大きな魅力になります。

③地盤が強い
さらに、寺院や霊園は昔から「安全な場所」として選ばれた土地であることが多いです。台地や高台などに位置している墓地であれば、周辺の住宅地も同様に地盤が強く安定していることが期待できます。地盤が地震の揺れに強いことから、地盤改良費が抑えられたり、保険料が割安になったりと、見えないところでの金銭的な安心感にもつながります。

ただ、「明るいです」「静かです」と口頭で説明するだけでは、なかなか買い手さんの心には届きません。ここでは、その魅力をしっかり「伝える」ための工夫をしましょう。
・照度計や騒音計などを数値化して資料を作り、説得力を出す
・公的な「地盤サポートマップ」や「ハザードマップ」を活用し、安心感を出す
・写真と地図で墓地との位置関係を丁寧に説明し、信頼感を出す
このように、「嫌だな…」という印象を、データと丁寧な情報提供で良い印象を与えることが大切です。

不動産売却する際の正しい向き合い方は?

その上で、墓地隣接物件を不動産売却する際の、正しい向き合い方は以下の通りです。

①売却価格は低くなるのは仕方がない
ひとつに、墓地隣接という条件があるため、「売却価格は低くなるのは仕方がない」との割り切りも大切。一般的には、周辺相場より10〜20%引きを想定しておくと現実的です。事前に「ここまでは許容できる」というラインを決めておけば、価格交渉も落ち着いて対応できます。

②告知義務をちゃんと果たす
また、墓地隣接という事実は買主さんに説明する必要があります。告知義務をちゃんと果たさなければ、契約不適合責任(「契約内容に合わない事象に対する売主責任」で、心理的瑕疵も争点になる例がある)を問われる可能性も。地図や写真を使って墓地との距離や見え方を明示し、「心理的瑕疵であることを事前に了承済み」とする特約を契約書に盛り込めば、売却後の不安や責任も軽減できます。

③仲介での売却活動には時間がかかると心得る
さらに、墓地隣接物件の場合、仲介での売却活動には時間がかかると心得ましょう。誠実に説明するのは大前提ですが、一方で第一印象も大切です。そのため内覧時には、線香の匂いの対策や、庭の手入れ、墓地との視界の調整など、準備の手間もかかります。特に空き家であれば、売却できるまでの手間や維持費が継続して発生するため、「いつまでに売るか」という線引きが必要になります。

仲介と買取を比較して選ぶ最適解!

このように、不動産仲介によって一般市場に墓地隣接物件を出す場合、売却価格を自身の希望に近づけつつ、買い手さんを探すことができます。広告をしっかり打ち、根気強く内覧対応を続けていけば、成約も決して不可能ではありません。

しかしその反面、売却活動への時間やコスト、そして精神的な負担が大きくなりがちです。それは、自宅から遠方の空き家であれば、なおさらです。リフォームやハウスクリーニングを行えば、より良い印象を与えることもできますが、それも費用がかさむ要因に。

一方で、墓地隣接物件を不動産買取によって売却する場合、業者さんの利益を考えると相場通りとはいきませんが、以下のメリットがあります。
・物件の現金化までが早く、相続税や介護費用など急ぎのお金が必要でも安心
・室内の片付け・清掃・修繕は不要で、現況そのまま引き渡せる
・契約不適合責任の免除特約をつけることもできる
・業者との直接取引で、スムーズに物件を手放せる
・話し合いの段階で、実質的な手取り額が明確に分かる

もし、「価格がある程度下がっても、早く・確実に手放したい」と考えるなら、十分おすすめに値します。

まとめ

今回の記事では、隣接墓地物件が敬遠される理由と、隠れた強みを理解し売却方法の最適解を導く考え方を解説してきました。

「墓地隣接物件」とは、「住宅やマンションの敷地が墓地や霊園と隣接している、または近くの位置関係にある不動産物件」を指し、墓地は「嫌悪施設(心理的に嫌悪や敬遠されやすい施設)」に分類されます。

嫌悪施設は、多くの人が不快と感じ、不動産購入をためらう要因となります。その近くにある物件は、心理的・環境的な瑕疵があるとされ、売買契約時には「告知義務」が発生します。

そんな墓地隣接物件は、「あえて選ぶことはない」不人気な物件であり、売却価格は低くなる可能性があります。

売主さんとすれば、「縁起が悪い・告知義務への不安・評価への先入観」という3つの誤解から、「墓地隣接物件は売れない!」と決めつけがちですが、実は実際的なデメリットは以下です。
①害獣や害虫の問題
②線香の匂いの問題
③夜間は暗い問題
④時期による人の出入りの問題
⑤売却価格が低い問題

とは言え、墓地隣接物件にはメリットもあります!強みを理解すれば、買い手さんにアピールできます。
①日当たりや風通しがよい
②静かな環境
③地盤が強い

ただ、そのメリットを口頭で説明するだけではなく、その魅力をしっかり「伝える」ための工夫をしましょう。
・照度計や騒音計などを数値化して資料を作り、説得力を出す
・公的な「地盤サポートマップ」や「ハザードマップ」を活用し、安心感を出す
・写真と地図で墓地との位置関係を丁寧に説明し、信頼感を出す
このように、データと丁寧な情報提供でアピールすることが大切です。

その上で、墓地隣接物件を不動産売却する際の、正しい向き合い方は以下の通りです。
①売却価格は低くなるのは仕方がない
②告知義務をちゃんと果たす
③仲介での売却活動には時間がかかると心得る

このように、不動産仲介によって売却する場合、広告をしっかり打ち、根気強く内覧対応を続けていけば、売却価格を希望に近い形で成約することができますが、その反面、時間やコスト、精神的な負担が大きくなりがちです。リフォームやハウスクリーニングも費用がかさむ要因に。

一方で、墓地隣接物件を不動産買取によって売却する場合、相場通りの価格とはいきませんが、以下のメリットがあります。
・物件の現金化までが早い
・現況そのまま引き渡せる
・契約不適合責任の免除特約
・直接取引でスムーズに手放せる
・早い段階で手取り額が明確に分かる

もし、「価格がある程度下がっても、早く・確実に手放したい」と考えるなら、不動産買取は十分おすすめに値します。

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