借地空き家をすぐにでも処分すべき理由とは?更地にしなくて済む方法はある?

独自のノウハウにより入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、他の不動産会社が取り扱いづらい“お困り物件”を解決に導いてきた不動産・用地開発のスペシャリスト、株式会社エスエイアシストがお届けする“お困り物件”コラム、第78回目は「借地空き家はすぐに処分すべき理由」です。

借地に建っている実家、空き家のまま放置してはいませんか?例えば、過去に一人独立をして別の場所で所帯を持ち、親御さんが亡くなったからといって戻ることもなく…、そうして誰も住まなくなって空き家になるケースがあります。とは言え、借地権を相続している以上、その家を管理していかなくてはならない責任があります。ただ、正直なところ使わない空き家の管理なんて負担でしかありません。借地権というのはなかなか複雑な権利であり、「地主に返すには更地にしなくてはならない?」「処分にはどんな手続きが必要なのか?」などと、具体的な行動に移せず思い悩んでいるのかもしれません。

もし今後も住むことがあり得ないのなら、借地空き家はすぐにでも処分すべきです!その理由は、放置された空き家の管理を適切に行っていかないと、建物の老朽化や地主さんとのコミュニケーションの不足、はたまた近隣への影響など、さまざまな問題を発生させるリスクがあるからです。

この記事では、借地に建つ空き家をどのようにすればスムーズに処分できるか、また更地にしなくても済む方法はあるのか、これらについて分かりやすく解説します。ぜひ最後まで読んで頂き、例え不動産に詳しくない方でも、具体的な対処法を理解し、ご自身にあった方法を見つけていって貰えれば幸いです。

お困り物件買取事業

まず、「借地権」とは「土地の所有者である地主(底地人)から土地を借りて、借地人が建物を建てて使用する権利」のことを指します。言い換えると、「借地人は土地には所有権はなく、建物のみに所有権がある」とも言えます。そして「借地空き家」とは、親御さん亡き後に相続したものの、誰も住むことが無くなった「借地権付き空き家」ということになります。

その上で借地空き家が、どのような状態にあるのかを理解することが大切です。関連する借地借家法は非常に複雑なので、話を分かりやすくするために、今回は以下のように定義します。
・古い建物が建っており老朽化が進行している
・実家建物の定期的な維持管理が出来ていない
・1992年施行の新法借地権ではなく旧法借地権である
・大昔の契約で借地契約書が残存しない(もしくは口約束レベル)ケースがある
・親が亡くなくなった後に借地権を相続している

また旧法借地権とは、1992年の新法借地借家法の施行以前に設定されていた借地権のこと。その特徴としては、その土地に住んでいた人が簡単に追い出されないように借地人さんの権利が強いもので、地主さん側に特別正当な理由がない限り、契約期間が満了してもその更新を拒絶することが出来ないものです。そのため、地主さんにしてみれば、「土地を自由に有効活用をすることが難しい」と言えます。

一方で、地主さんの立場が完全に弱いというワケではありません。大規模修繕や建て替え、用途変更、第三者への権利譲渡など、借地人さんは地主さんの許可を得なくてはならず、一定の強い権限があります。ひとたび地主さんが「NO!」としたものは、自由に実行は出来ないということですし、出来たとしても承諾料などを請求されて負担となります。

であるので、借地人さんと地主さんとの関係性において、感情的なトラブルは付き物となるのです。地主さんからすれば、「土地を貸したが最後、戻ってこない!」と考えますし、借地人さんからすれば、「いちいち許可なんて窮屈な上、お金もかかる!」と考え、それぞれにフラストレーションが溜まります。そのため、地主さんとの良好な関係を築けているかが、「大変重要!」なんですね。

借地空き家をすぐにでも処分すべき理由とは?

そんな借地空き家を今後も活用しないのであれば、すぐにでも処分すべきです。その理由は以下。

①地代を払い続けないといけない
ひとつに、借地空き家を持っている限り、地主さんに地代を支払い続けなくてはなりません。例えご自身に空き家となった実家に使用価値がなくても、土地を借りているという事実は変わらないからです。この状態が長引けば長引くほど、毎月の地代は積み重なり負担は大きくなる一方です。

②建物の維持管理をし続けないといけない
つぎに、人の住まなくなった空き家というものは、老朽化が進みます。換気がされずに湿気が篭ったり、防水機能が失われて雨漏りしたり、柱や基礎にシロアリ被害が出たり、その他様々な問題が生じていきます。自らの時間や労力を使うか、維持管理を代行してもらうサービスをお金をかけて依頼するなどして、建物の維持管理をし続けなくてはなりません。

③法律上の責任を負わないといけない
さらに、そういった維持管理を怠り、万が一、その空き家で事故や事件、劣化による倒壊や害虫の発生などで、近隣住民に被害が出てしまうと、最悪は過失責任や賠償責任が問われるケースもあり得ます。また、「空き家等対策特別措置法」により、各自治体に「適切に管理していない!」と判断されると、改善命令や行政代執行で強制解体されるなど、厳しい法律上の責任を負わなくてはならなくなります。

これらは、時間が経てば経つほど状況が悪くなるだけです。借地空き家はすぐにでも対処して処分すべきです!

借地空き家は解体して更地にしないといけない?

では、借地空き家の処分とは、どのように進めるものなのでしょうか?

その一つとして、「借地人の原状回復義務」というものがあります。それは「借地権の契約を解除して地主(底地人)に土地を返還する際、借地人はその土地に建てられた建物を解体・更地(原状回復)にして返す義務」があります。当然ですが、その義務を負うのは借地人さんのため、建物の解体費用について借地人さんが負担することになります。

建物の解体費用は構造や大きさによって異なります。例えば、東京都の解体費用相場の例を挙げると、
・木造:坪単価40000円
・プレハブ造:坪単価32000円
・鉄骨造:坪単価54000円
・鉄筋コンクリート造:坪単価84000円
となり、一般的に解体費用は数百万円かかることがあります。

正直なところ、「とてもとても払えない!」と思ってしまう方が殆どではないでしょうか?では、どうするか?少しでも負担を減らす対処方法は大きく2つ!
・地主に解体費用を負担してもらえないか交渉する
・建物を解体しなくてもいい方法を模索する

ただ、地主さんが建物の解体費用の一部でも負担してくれるようなことは、現実問題で非常に難しいでしょう。「丁度、(地主さんの)家族が新しい住まいを探していて…」といった強いニーズがあれば…なんて事はそうそうありません。更地返還をしなくてはいけないのは、あくまでも借地人さんなので、交渉はうまくいきません。

そこでもう一つ。「借地建物の買取請求権」というものもあります。それは「借地契約が更新されずに期間満了で終了する場合に、借地人は地主に対して所有建物の買取を請求できる権利」です。地主さんにはその承諾や拒否の選択肢はないため、適切に行使できれば、両者間の売買契約が成立したものと同じ効果が得られます。

その行使条件は以下。
・借地契約の期間満了時に事前通知する必要がある
・借地人の債務不履行による契約解除では行使不可である
行使するには複雑な交渉が必要なこともありますが、大きな問題は契約期間がそもそも超長期なため、こちらも現実的ではないのかもしれません。

更地にしなくても済む方法はある?

それでも何とか、更地にしなくても済む方法を考えたいところ…。借地空き家を処分、もしくは活用するには、以下のような選択肢があります。

①空き家をリフォームして賃貸物件として活用する
まず、立地に優れている場合なら、空き家をリフォームして賃貸物件として活用することで、収入を得ることができるかもしれません。建物は人が住まないと急速に劣化していきます。その点、人に住んでもらい適切に管理してもらえるなら、一石二鳥です。ただ、
・リフォーム費用の負担
・地主の承諾が必要
・賃貸管理としての手間や責任が伴う
といった注意点があり、借地権の期間によっては長期的な解決策とはいえないケースも!

②借地権を地主に買い取ってもらう
つぎに、地主さんに借地権を買い取ってもらう方法もあります。前述した借地建物の買取請求権を行使することとは別であり、契約満了を待つ必要はありません。借地権によって自由に土地活用できなかった地主さんにとって、土地の完全な所有権が戻ってくるメリットは大きい場合があります。当然、第三者に譲渡に必要であった承諾料も不要です。ただ、地主さんの意向や経済状況によっては難しいケースもあるでしょう。

③地主の底地権(土地の所有権)とともに同時売却する
また、借地権を地主さんの土地の所有権とともに第三者に売却する方法があります。そのメリットして、
・完全な所有権として売却できるため、不動産市場相場通りに高く売れる可能性がある
・地主と借地人の双方にとってメリットがある
というものがありますが、地主さんの協力が不可欠であるのは言うまでもありません。

④借地権のみを第三者に売却する
さらに、借地権のみを第三者に売却する方法です。特に地主さんとの関係性がうまくいっていない、トラブルを抱えている場合には、この方法しかないかもしれません。ただし、以下のようなデメリットがあります。
・(やっぱり)地主の承諾が必要である
・不動産市場相場より低く売却せざるを得ない可能性がある
・借地権付き物件は一般的な不動産より買い手が見つかりにくい

「買い手が見つからない!」時に不動産買取を利用するメリット!

というワケで、不動産市場で「どうにも買い手が見つからない!」と借地空き家の売却が難しい時には、不動産買取の利用をオススメします。そのメリットは以下。

①地主との間に入ってもらえる
ひとつに、借地権に関する専門知識をもつ買取業者さんは、地主さんとの交渉や法的手続きをサポートしてくれます。トラブルを抱え関係性が難しい地主さんとの間に入ってもらえる点は、想像以上に借地人さんの負担を軽減してくれるハズです。

②迅速で確実な売却が可能である
ふたつめに、買取業者さんが自社での直接取引なので、迅速で確実な売却が可能となります。買い手さんを探す手間も、仲介手数料が余分にかかることもありませんし、売却手続きも簡略化されます。

③老朽化した空き家でも現状のままで売却できる
さいごに、リフォームや修繕を行わずに、老朽化した空き家でも現状のままで売却できます。隠れた瑕疵や親御さんが残した残置物があっても問題ありません。これにより、追加の費用負担を避けることができ、手間も省けます。

ただし、借地空き家の買取には買取専門の不動産業者さんにとってもリスクがあり、買取価格はどうしても低くなります。また、権利関係が複雑であるため、相応の実績やノウハウのある業者選びが非常に重要になってきます。

不動産買取業者選びのポイントは、
・借地権を得意とする業者を選ぶ
・物件のある地域の実績のある業者を選ぶ
・複数の業者での相見積もりをとり、その根拠を確認する
・営業担当との相性を確認する
・ネット上の口コミも参考にする

これらのポイントを押さえつつ、ときに第三者の専門家さんのアドバイスを受けながら、信頼できる不動産買取業者さんを選ぶことが重要です。この記事が少しでもお役に立てれば幸いです!

まとめ

この記事では、借地に建つ空き家をどのようにすればスムーズに処分できるか、また更地にしなくても済む方法はあるのか、これらについて分かりやすく解説してきました。

「借地権」とは「土地の所有者である地主(底地人)から土地を借りて、借地人が建物を建てて使用する権利」のことを指し、「借地空き家」とは、相続後に誰も住むことが無くなった「借地権付き空き家」のことを指します。

その上で今回は、借地空き家を「旧法借地権で相続した古い空き家は老朽化が進行しているが、維持管理が出来ていない」ものと定義します。

地主さんからすれば、「土地を貸したが最後、戻ってこない!」
借地人さんからすれば、「いちいち許可なんて窮屈な上、お金もかかる!」
ということで、感情的なトラブルは付き物であり、地主さんとの良好な関係が大変重要です。

そんな借地空き家を今後も活用しないのであれば、すぐにでも処分すべきです。その理由は以下。
①地代を払い続けないといけない
②建物の維持管理をし続けないといけない
③法律上の責任(管理責任・賠償責任)を負わないといけない
これらは、時間が経てば経つほど状況が悪くなるだけです。

では、借地空き家の処分とは、どのように進めるものなのでしょうか?

ひとつに「借地人の原状回復義務」で、「借地権の契約を解除して地主(底地人)に土地を返還する際、借地人はその土地に建てられた建物を解体・更地(原状回復)にして返す義務」があり、建物の解体費用について借地人さんが負担することになります。

建物の解体費用は構造や大きさによって異なり、一般的に解体費用は数百万円かかることがあります。

解体費用が払えない場合に、少しでも負担を減らす対処方法は大きく2つ!
・地主に解体費用を負担してもらえないか交渉する
・建物を解体しなくてもいい方法を模索する

ただ、地主さんが建物の解体費用の一部でも負担してくれるようなことは、現実問題で非常に難しく交渉はうまくいきません。

もう一つは「借地建物の買取請求権」というもので、「借地契約が更新されずに期間満了で終了する場合に、借地人は地主に対して所有建物の買取を請求できる権利」があり、適切に行使できれば両者間の売買契約が成立したものと同じ効果が得られますが、問題は契約期間が超長期なため、こちらも現実的ではないのかもしれません。

それでも更地にしなくても済む借地空き家の処分方法には、以下のような選択肢があります。

①空き家をリフォームして賃貸物件として活用する
②借地権を地主に買い取ってもらう
③地主の底地権とともに同時売却する
④借地権のみを第三者に売却する
ただ、一般的に借地空き家は買い手が見つかりにくいものです。

不動産市場で買い手が見つからずに借地空き家の売却が難しい時には、不動産買取の利用をオススメします。そのメリットは以下。
①地主との間に入ってもらえる
②迅速で確実な売却が可能である
③老朽化した空き家でも現状のままで売却できる

ただし、借地空き家の買取には買取専門の不動産業者さんにとってもリスクがあり、買取価格はどうしても低くなります。また、権利関係が複雑であるため、相応の実績やノウハウのある業者選びが非常に重要になってきます。

不動産買取業者選びのポイントは、
・借地権を得意とする業者を選ぶ
・物件のある地域の実績のある業者を選ぶ
・複数の業者での相見積もりをとり、その根拠を確認する
・営業担当との相性を確認する
・ネット上の口コミも参考にする

これらのポイントを押さえつつ、ときに第三者の専門家さんのアドバイスを受けながら、信頼できる不動産買取業者さんを選ぶことが重要です。

私たちエスエイアシストは不動産買取業者として、借地空き家の買取において多くの実績とノウハウを有しています。もし不動産買取を検討されることがあれば、ぜひ他の買取業者さんとともに比べて頂けると嬉しく思います。その上で、ものは試しと一度エスエイアシストにご相談してみてくださいね!お待ちしています。

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