独自のノウハウにより入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、他の不動産会社が取り扱いづらい“お困り物件”を解決に導いてきた不動産・用地開発のスペシャリスト、株式会社エスエイアシストがお届けする“お困り物件”コラム、第42回目は「築50年アパートを相続したらどうすべき?」です。
相続というのは、時に予想外の責任や決断を迫られることがあります。特に、築50年アパートの不動産を相続する場合、その取り扱いに困ってしまう人も少なくありません。そもそも「アパート経営は親がしていたもので、これまで一切関与することなく、不動産や相続に関する知識もない」となると、「どう対処したらよいものやら…」となりますね!そうしてどうにもならず、駅前の大手不動産会社さんに駆け込んでみたものの、「お取り扱いできません」と断られてしまう始末。さすがに頭を抱えてしまいますね。
今回の記事では、築50年アパートを相続したときの、「アパート経営を継続すべき?」「賃貸以外の土地活用は?」「いっそのこと土地ごと売却?」様々な選択肢をご紹介します。どのような選択をするにしても、まずは現状をしっかりと把握し、情報を収集することが重要ですね。この記事があなたの最適な道を見つけるための一助になれば幸いです!ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
築50年アパートの相続税とその現実!
相続とは、亡くなった人の財産が遺族に引き継がれることを指します。一口に財産と言っても、現金や株式など多岐に渡りますが、中でも不動産は財産の中でもウエイトも大きく現物であるため、その扱いには特別な注意が必要になります。
なぜなら、土地を先祖代々受け継いできた誇りがあったり、法定相続人それぞれの思い入れがあったりする上、現金化が難しいといった財産であるからです。
そして、自宅と違い、アパートのような収益のある大きな物件を相続する場合の多くは、相続税が発生する可能性があります。相続税は、故人が残した財産の総額から基礎控除を差し引いた金額に対して計算されます。築50年アパートの場合、その評価額は新築時と比べて大幅に減少していることが多く、相続税の計算にも影響します。また、適切な減税対策を行うことで、税負担を軽減することが可能ですが、これには不動産の詳細な評価が必要となります。
ですが!古いアパートでは、その価値を正しく評価し、適切に管理することが非常に困難です。そのため、駅前にあるような大手不動産会社さんでは、その「取り扱いを断られる!」ケースも少なくないのが現実です。
古いアパートの売却や管理には、専門的な知識が必要であり、修繕の必要性や建て替えの可能性も考慮しなくてはなりません。大手には苦手な分野なのかもしれません。ですので、そういった物件においては、周辺地域に根差した地元の不動産業者さんや築古物件を専門的に扱う業者さんがいい場合があります。彼らなら、こうしたアパートの価値を見出し、適切なアドバイスを提供することが出来るかもしれません。この点については後述しますね!
築50年アパートの現状把握と最適な選択肢を選ぶために
まず大切なことは、相続したアパートの現状把握。それが最適な選択肢を選ぶための第一歩です。築50年という年月は、不動産にとってのターニングポイント。建物の構造によって違いはあれど、節税効果の期待できる減価償却期間はとうに過ぎています。これまでの管理状況にもよりますが、木造建築であれば修繕で何とかするには限界が近づいています。
建物の老朽化の程度、現在の入居率、近隣不動産の市場環境など、総合的な状況を把握しましょう。当然、50年もの昔の新築時とは市場ニーズは変わってきていて、そもそも賃貸運営がその土地に適地なのかも疑わしいこともあります。安易にご自身の感覚で判断するのではなく、お金を出してでも不動産鑑定士などの専門家さんに、建物や土地の正確な評価をしてもらうことも必要と捉えるべきです!
そして、忘れてはいけないのは、借入金といった負債も相続しているということ。例え新築時の借り入れは完済できていたとしても、管理会社さんへの委託費、退去時の原状回復費用や幾度となく行われてきたであろう修繕費用などは、大きな負担です。まったくの無借金経営は稀なので、ほぼ借り入れは残っているハズです。
それらの現状を把握した上でも、ともすると「賃貸アパートを相続したのだから、そのまま継続でしょ?」と考えられるのかもしれません。もちろん賃貸経営を継続することは、一つの選択肢です。しかし、これには修繕の必要性や空室対策など、様々な課題が伴います。賃貸市場での競争力を維持するためには、あえて古いアパートだからこそのレトロ感を活かしたマーケティング戦略だとか、リノベーションや設備の近代化が必要なんだとか、ときに建て替えも当然検討しなくてはだとか、考えなくてはなりません。そして、それらの投下資金をどれくらいの期間で回収するのか、損益分岐点はどこなのか、などなどもしっかりと計画していかないといけません。要するに何が言いたいのかというと、「ちゃんと経営する!」と覚悟を決めるのです!
それが出来ないのであれば、他の選択肢が賢明かもしれません。
築50年アパートの経営を継続するなら?
では、相続した築50年アパートの経営を継続するなら、どのように考えるべきなのでしょうか?まずは先述の通り、建物の現状と市場ニーズを汲み取って、今後の方向性を検討します。
建物の老朽化が進んでいる場合、入居者の安全を守るためには、定期的な修繕及び点検が必要です。この修繕には、屋根の補修や配管の更新、外壁の塗り替えなど、さまざまな工事が含まれます。しかし、その修繕だけではなく、建物の機能的な改善も視野に入れるべきです。例えば、間取りの変更やバリアフリー化など、時代に合わせた改修も求められることもあります。
もし、建物の老朽化によって修繕や改修では到底難しいとなれば、建て替えを検討します。まずは解体費用、建築費用の見積もりをとります。必ず数社に依頼して相見積もり。そして、入居者さんとの退去などの交渉や退去費用の相場も確認します。
建て替えは高額な投資になるため、将来の賃貸収入や資産価値の増加を見越して、費用対効果を慎重に計算する必要があります。建て替えを行うことで、新しいニーズに応え、入居率の向上や賃料の上昇が見込めるのであれば、その投資は正しい判断であったということです。ただし、建築期間中の収入減のコストも忘れずに!
そして、各自治体の利用可能な補助金や税制措置もチェックしましょう。自治体によっては、古いアパートのリフォームや耐震補強に対して、補助金を出している場合があります。また、建て替えに際しては、減税措置や固定資産税の軽減が適用されることもあります。これらの制度を利用することで、初期費用を抑えることが可能です。ただし、申請条件や申請期限があるので注意をしてください。
これらのことは、知っていると知らなかったでは大きな差になります。経営を決めた時点からプロ意識をもって知識を蓄えることはもちろん、これまでお世話になってきている管理会社さんとの、良好な関係性を築いておきましょう。経営のパートナーとして日頃から丁寧にコミュニケーションを取っていれば、大切な時に適切なアドバイスをもらえるハズ!
築50年アパートを取り壊す!土地としての活用は?
と、ここまで「賃貸経営を継続するならどうするか?」についてお話してきました。その上で「賃貸経営は難しそうなので、自分には無理!」と思われる人もいるかもしれません。はたまた、その土地が賃貸住宅の適地ではないと判断することもあるでしょう。
ただ賃貸アパートを取り壊し、更地にした土地を活用するにしても、経営は経営です。解体後の更地の利用計画も重要です。解体だけで終わらせず、土地の将来的な活用方法や費用回収についても、事前に計画しておかなくては失敗します。土地の価値を最大限に活かすためには、賃貸経営同様に地域の市場状況や開発計画に合わせた戦略が求められます。
例えば以下の活用があります。
①駐車場や倉庫などの活用
一つの方法として、駐車場(駐輪場)や倉庫として活用することが考えられます。これらは比較的低コストの上、需要次第で安定した収益を見込むことができるビジネスモデルです。また、日々の運営はそれほど難しくはありません。特に市街地では、駐車スペースの需要が高く、利益を生み出しやすいです。ただし、地域によっては許認可が必要な場合や、特定の規制が適用される場合があるので、事前に各自治体に確認してください。
②商業施設として活用
次に、スーパーやレンタルスペースといった、商業施設として活用します。ここで重要なのは、土地の立地や周辺環境を考慮し、地域の開発動向の把握も含め、より長期的な視点で土地の価値を最大化する計画を練ることが肝心。投資資金も大きくなるので、借り入れする金融機関との連携も意識しなくてはなりません。
これらは、大なり小なりリスクがあるので、ご自身のリスク許容度に対する理解もしないとですね。一方で、成功すれば土地の価値を高めることが出来るかもしれません。
築50年アパートを売却するなら?
でも、です!「経営や土地活用でリスクを取るのはツラい…」と感じる人は多いのではないでしょうか?そもそも、共有名義人が複数いて意見が対立して、「お話にもならない!」ということもあるでしょう。この際、アパートを売却するのも悪くはないのかもしれません。しかし、先述の通り、築50年アパートの売却には困難が伴うので、大手不動産会社さんは断られてしまうこともしばしば。それでも何とか売却したいのであれば、準備と業者さん選びが重要です!
売却までの手順は以下。
①売却に必要なものを準備する
築50年にもなると、各種証明書を揃えるのも大変です。アパートの現況などの情報収集をはじめ、ときに権利関係を明確にする手続きや新しく取得すべき書類もあるでしょう。売却に必要なものを準備することは、買い手が判断する際の重要なポイントになります。
②売却価格の設定と実際の相場
次に、売却価格の設定です。築50年アパートの現在の市場価値を正確に把握することが肝心です。近隣の類似物件の売却価格や、不動産業者さん間の相見積もりを参考に、妥当と思われる価格を意識します。
③大手がダメでも地域に精通した業者を選択する
築50年アパートを取り扱うのは、大手では難しい場合もありますが、地域に精通した業者さんなら、その価値を見出し、適切なアドバイスを提供することがあります。地域のネットワークを活用して、買い手を見つけることも期待できます。
④不動産買取業者も検討する
ただ、仲介による売却の場合、買い手さん次第で売却条件が厳しい場合もありえます。入居者の退去が条件とか、更地が条件とか、というヤツです。これらは費用の捻出や大きなストレスに感じることもあるでしょう。そんなときは、不動産買取業者さんも検討します。一般的に市場価格よりもやや低い価格での取り引きにはなりますが、メリットも多くあります。
・入居者がいる現況でも買い取ってもらえる場合がある
・直接取り引きのため仲介手数料が不要である
・通常の不動産市場を介さずに迅速に現金化できる
まとめ
というワケで、今回の記事では、築50年アパートを相続したときの、様々な選択肢をご紹介しました。
相続とは、亡くなった人の財産が遺族に引き継がれることを指します。財産の中でも不動産はウエイトも大きく現物であるため、その扱いには特別な注意が必要になります。
アパートを相続する場合の多くは、相続税が発生する可能性があり、不動産の詳細な評価が必要となります。
古いアパートでは、その価値を正しく評価し、適切に管理することが非常に困難なため、大手不動産会社さんでは取り扱いを断られるケースも少なくないのが現実です。
まず大切なことは、相続したアパートの建物の老朽化の程度、現在の入居率、近隣不動産の市場環境など、総合的な状況の現状把握をします。
安易にご自身の感覚で判断するのではなく、不動産鑑定士などの専門家さんに、建物や土地の正確な評価をしてもらうことも必要です。
そして、負債も相続しているということも理解します。
それらの現状を把握した上で賃貸経営を継続することは、一つの選択肢ですが、これには修繕の必要性や空室対策など、様々な課題が伴います。それらの投下資金をどれくらいの期間で回収するのか、損益分岐点はどこなのか、などなどもしっかりと計画しなくてはなりません!
建物の老朽化が進んでいる場合、入居者の安全を守るためには、定期的な修繕及び点検が必要ですし、建物の機能的な改善も視野に入れるべきです。
もし、建物の老朽化によって修繕や改修では到底難しいとなれば、建て替えを検討します。まずは解体費用、建築費用を必ず数社に依頼して相見積もり。そして、入居者さんとの退去などの交渉や退去費用の相場も確認します。
建て替えは高額な投資になるため、将来の賃貸収入や資産価値の増加を見越して、費用対効果を慎重に計算する必要があります。
また、各自治体の利用可能な補助金や税制措置がある場合がありますし、減税措置や固定資産税の軽減が適用されることもあります。これらの制度を利用することで、初期費用を抑えることが可能です。
これらのことは、知っていると知らなかったでは大きな差になります。ご自身で知識を蓄えることはもちろん、管理会社さんとの良好な関係性を築いておくことで、適切なアドバイスをもらえるハズです。
ここまでで、賃貸経営は難しそうであると感じたり、その土地が賃貸住宅の適地ではないと判断することもあるでしょう。
賃貸アパートを取り壊し、更地にした土地を活用するにしても、土地の将来的な活用方法や費用回収についても、事前に計画しておかなくてはなりません。
例えば以下の活用があります。
①駐車場や倉庫などの活用
②商業施設として活用
ご自身のリスク許容度を理解して、その事業に成功すれば土地の価値を高めることが出来るかもしれません。
経営や土地活用でリスクを取るのが難しいと感じる人や共有名義人が複数いて意見が対立してしまうのであれば、アパートを売却することも視野にいれます。しかし、築50年アパートの売却には困難が伴うので、それでも何とか売却したいのであれば、準備と業者さん選びが重要です!
売却までの手順は以下。
①売却に必要なものを準備する
②売却価格の設定と実際の相場
③大手がダメでも地域に精通した業者を選択する
④不動産買取業者も検討する
不動産買取は一般的に市場価格よりもやや低い価格での取り引きにはなりますが、メリットも多くあります。
・入居者がいる現況でも買い取ってもらえる場合がある
・直接取り引きのため仲介手数料が不要である
・通常の不動産市場を介さずに迅速に現金化できる
私たちエスエイアシストでは、そんな地域に根差した取り引きも得意とする「不動産買取業者」です。これまでにも、入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、困ってしまう“訳あり物件”のご相談を数々と解決してきた実績があります。もし他の不動産会社さんで難色を示されることがあれば、専門家の立場から適切なアドバイスもさせて頂きますので、ぜひ一度ご相談ください!お待ちしています。