任意売却のメリットには期限あり?そのメリット・デメリットとともに解説!

独自のノウハウにより入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、他の不動産会社が取り扱いづらい“お困り物件”を解決に導いてきた不動産・用地開発のスペシャリスト、株式会社エスエイアシストがお届けする”お困り物件”コラム、第59回目は「不動産の任意売却」です。

夢のマイホームを買った当時は、「生活が苦しくなることなど想像もしなかった…」と語る所有者さんは多いものです。長く自宅に住まう中で、仕事がうまくいかなくなったり、病気をしてしまったり、状況の変化によって住宅ローンの返済が一気に厳しくなることがあります。「任意売却」は、そんなときの一つの解決策となり得るものです。この手法は、自宅不動産が競売に出される前に自ら先に売却し、その売却金で借入金を返済する方法です。任意売却の最大の魅力は、通常の一般売却ができない事情があっても、不動産市場価格により近い金額で売却できる可能性があることです。また、周囲に知られることなく、新たなスタートを切るための準備を整えることもできるんです。ただし、実は任意売却のメリットには期限があり、借金で首が回らなくなる前に、すぐに動きだすことが非常に重要です。

この記事では、そんな任意売却の適切なタイミングや対策について、その具体的なメリットとデメリットとともに詳しく解説していきます。もし、住宅ローンの支払いに行き詰まりを感じているのでしたら、ぜひ最後まで読んでいただき、これからの生活再建に向けての足掛かりにしてもらえると幸いです!

お困り物件買取事業

「任意売却」とは、住宅ローンによる借入金の返済が困難になった際、債務者さん(所有者)が自らの意思(任意)で進める売却方法です。このプロセスでは、債務者さんは債”権”者さん(金融機関・保証会社など)の同意を得て、不動産市場価格に近い価格で不動産を売却し、その売却金で債務の一部または全部を返済することが目的です。

任意売却では、債務者さんが不動産仲介を通じて、買い手さんとの売却交渉をするワケですが、通常の一般売却とは何が違うのでしょうか?それを知る前にそもそもの前提として、「住宅ローン残債が残ってしまうと不動産の売却はできない」ことがあります。この状態を「オーバーローン」といい、その場合は完済に足らない額を、他から補填しなくてはなりません。「それが出来れば困ってない!」と怒られそうですね…(汗)。というワケで、それを踏まえて以下にまとめます。

①目的
一つに、一般売却では債務者さんが不動産市場で自由に売ることが目的ですが、任意売却ではあくまでも債務返済が目的となります。

②売却時期と価格
つぎに、一般売却では不動産市場の状況に応じて最適な時期と価格で行われますが、任意売却では債務返済の緊急性が売却のタイミングや価格に影響してきます。

③情報公開とプライバシー
さらに、一般売却では多くの場合で広く情報を公開し買い手さんを探しますが、任意売却ではネガティブな売却活動になるためにプライバシーの配慮から情報公開は慎重に行われます。

④売却における判断
最後に、一般売却では債務者さんの裁量に基づいて自由に売却の判断をしますが、任意売却では債務返済の一環である以上は、債権者さんの同意が不可欠になります。債権者さんは、その売却が返済条件に適合するか確認して承認することになります。

もし、任意売却に着手することなく、住宅ローンの支払いが長期に渡って滞った状況を放置すると、どうなるのでしょうか?

それは、「裁判所が債務不履行によって強制的に不動産を売却するために競売にかける」ことになります。競売では多くの場合、不動産は市場価格より著しく低く評価されてしまうことになります。また、債務者さんの信用情報に大きな悪影響を及ぼすばかりか、競売にかけられたことを周囲に知られ、プライバシーも晒されることになります。

任意売却のメリットとは?

では、任意売却のメリットについて、詳しく解説していきます。それは、大きく5つに分類できます。

①自己破産リスクの回避
競売では、売却方法が債権者さんにとっても望ましい手段ではありません。何故なら、債務超過でそのまま債務者さんが自己破産申請をすることになれば、債権回収の見込みが立たなくなるためです。ですので、「願わくば競売は回避したい!」ワケです。任意売却というのは、債権者さんにとっては競売よりも最適な回収が見込め、債務者である所有者さんにとっては債務超過や自己破産リスクを回避できる可能性があるため、双方にメリットがあるwin-winの解決策と言えます!

②相場に近い売却価格の実現
また競売では、買主さんとって、内覧できない・検討時間が短い・退去に応じない(不法占拠)・瑕疵の保証がない、などのナイナイづくしの不利な条件が多いため、その特殊性から評価額は低く見積もられます。一方で任意売却なら、事前に準備を行い、適切なタイミングで市場に出すことも可能なので、市場相場に近い売却価格の実現ができます。

③計画的な売却が可能
そして競売では、裁判所が決めたスケジュールで売却手続きが進められます。そのため、希望に沿わないタイミングや条件で退去を求められることも!任意売却であれば、債権者さんと相談の上、今後の生活計画に合わせて無理のない計画的な売却が可能になります。

④手出し資金が抑えられる
さらに競売では、裁判所費用や抵当権抹消費用などの諸経費がかかりますが、任意売却ならこれらの費用がかからなかったり、必要な分も不動産売却代金から捻出できるので、手出し資金が抑えられます。また場合によっては、新しい住まいへの引越し費用なども債権者さんと相談できるため、リスタートしやすくなります。

⑤プライバシーが保護される
最後に競売では、公的な場での情報の露出は避けられません!ときには、物件を内覧できない購入希望者さんが、自宅の周辺を調査して回ることも考えられます。そうなれば、周辺住民さんにも競売の事実を知られてしまいます。任意売却であれば、そのプロセスは非公開で進行することも多く、静かに次のステップに向けた対応に集中することができます。

任意売却のデメリットとは?

一方で、任意売却には注意すべきデメリットも存在します。以下では、任意売却の主なデメリットと、その対策について解説します。

①連帯保証人への影響
実は一番気になりそうなものは、連帯保証人さんへの影響です。債務者さんがローン返済を滞納すれば、代わりに返済する義務のある連帯保証人に迷惑をかけるのです。対策として、事前に任意売却を検討していることを、丁寧に説明し理解を得ることで、トラブルへの発展は避けられるかもしれません。その上で、債権者さんに連帯保証人さんへの配慮や負担軽減を相談します。

②信用情報への影響
また、任意売却は債務者さんの信用情報を傷つけ、将来的な金融活動に影響を及ぼしていきます。この方法が住宅ローンを滞納したことによる措置である以上、仕方のないことかもしれません。対策として、「任意売却は競売よりマシ!」と割り切り、手続きを出来るだけ早く行い滞納期間を短く保つことで、信用情報への影響を最小限に抑えることが大切です。

③自己判断が難しい
そして、任意売却では、債権者さんの同意が必須で自己判断が難しいことがあります。これは時として大きな障害となり得ます。債権者さんはそれぞれ独自の方針をもっており、売却の条件や返済額について交渉が難しいことも少なくありません。対策としては、事前に債権者さんとのコミュニケーションを図り、必要に応じて専門家さん(弁護士や司法書士)に交渉を依頼することで、スムーズな手続きが期待できます。

任意売却のメリットには期限あり?

これらのデメリットを抑えつつ、任意売却によるメリットを受けるためには期限があります。ズバリ言えば、「競売の開札日の前日」となります!これは「債権者が競売の申し立てを取り下げられる期日」とも言い換えられます。それを過ぎると事実上、任意売却はできなくなります。

任意売却のスケジュールは、事前の準備と交渉によって大きく変わることはありますが、一般的な流れは以下の通り。

①事前準備と専門家への相談
・滞納発生直後またはそれに近い時期に、不動産の専門家や弁護士に相談
・債権者や連帯保証人との初期協議

②債権者から同意取得
・任意売却の意向を債権者に伝え、売却への同意を求める
・交渉には数週間から数ヶ月かかることアリ

③不動産の評価と市場分析
・物件の評価額を設定し、市場分析を行って最適な売却価格を決定
・設定価格によっては債権者が難色を示して難航する可能性

④販売活動の開始
・不動産仲介業者との契約
・内覧会の実施など買い手を見つける活動

⑤売買契約の締結
・適切な買い手が見つかり次第、売買契約の締結

⑥債権者への返済と権利移転
・売却代金の一部または全額を債権者に返済
・抵当権の解除や所有権の移転の手続き

⑦引き渡しと残債の返済
・物件の引き渡し
・多くは残債が残るため話し合いで決めた返済計画を開始する

一方で、債権者さんが競売を申し立てた場合の期間は、
・ローン滞納3ヶ月で「期限の利益の喪失(分割返済の権利の喪失)」を通知、一括返済を求められる
・ローン滞納6〜10ヶ月で「競売開始決定通知」が届き、担保不動産の差し押さえが行われる
・ローン滞納10〜12ヶ月で「競売の入札」が始まり、競売は不可避になる
ということで、債権者さんが競売の申し立てを取り下げられる「競売の開札日の前日」までの猶予期間は、長くても1年とみるべきです。

一般に、不動産仲介による売却活動は平均して3〜6ヶ月、長いと1年かかるとされています。要するにギリギリです。ここに「任意売却の活動は早ければ早いほうがいい」とされる所以があります!

万が一、行動の開始が遅れて、その時には債権者さんが競売の申し立てをするタイミングが差し迫っているときは、仲介と言わず買取を検討に入れてください。正直、付加価値をつけて再販をするために、相場どおりの価格にはなりませんが、競売に比べれば雲泥の差!

不動産買取を利用するメリットは、
・短期間で売却できる
・直接取引で仲介手数料が発生しない
・現状のままでも契約不適合責任が免除される

かく言う私たちも不動産買取業者の一つです。幸い現状、不動産市場は高値と言われており、生活の再建はし易いものと見ています。ぜひ、ご相談だけでもお声掛けくださいね!

まとめ

この記事では、火災による事故物件の所有者さんに向けて、疑問や不安、物件の売却するなら「修復」「そのまま」どっちが正解なのか、どういった点に注意すれば、安心して物件を手放すことができるのか、についてお話してきました。

事故物件とは、物件内(もしくは共用部)で…、
・自殺や殺人、孤独死といった人の死
・事件や事故、自然災害の発生
これらが起こった物件を指します。

火災による事故物件とは、死亡者や重傷者が出たことの他、全焼や半焼など建物に大きなダメージを受けた場合も該当します。物件へのダメージは、物理的・心理的・経済的に分類ができます。

もし、火災のよる事故物件を売却するなら、買主さんに対して、死亡者や重傷者の有無、焼損規模など、告知義務が発生します。ご自身が「重要でない」と判断しても、買主さんが重要な事項と捉えることもありますので、後のトラブルを防ぐためにも知っていることは全て告知します。

火災による事故物件の市場価値が低下する要因は以下。
①物理的損傷
②焦げ臭の影響
③心理的影響

それらの要因が、不動産市場における物件への扱いに影響するものは以下。
①価値の相対的評価は20%〜50%の価格減少が見込まれる
②修復した場合は再評価されるが解体して更地にした方がよいことがある
③扱いの難しく売買実績やノウハウが重要である

火災による事故物件を売却するためには、住宅診断士といった専門家さんによるホームインスペクションで正しく物件の評価をすることが大切です。火災による事故物件の場合、隠れた損傷や修繕が必要な箇所の存在を明らかにすることが重要です。

なぜ、ホームインスペクションが必要なのか、まとめると以下。
・潜在的な問題の早期発見
・売買価格の適正化
・情報公開による信頼構築
・修繕計画の策定

また、ホームインスペクションを受ける際の注意点は以下。
・信頼できる専門家を選ぶ
・調査内容を確認する
・報告書の内容を理解する

正しい告知を怠たり問題が発覚したら契約不適合責任を負うことになります。
・追完請求
・代金減額請求
・催告解除
・無催告解除
・損害賠償請求

逆に言えば、きっちりやるべきことを実行し、誠実な告知をすることが、不動産価値を上げるポイントといえます。
①修復の範囲と費用対効果を考え価値を上げる
・どの修復が必要で、どれが省略可能か、判断する
・修復にかかる費用と、それによって期待できる価値向上を比較検討する(グレードアップも加味)
・市場動向も踏まえ、トレンドや潜在的ニーズを考慮した修復計画を策定する
②適切な告知とディスクロージャー(情報開示)で価値を上げる
・火災事故による物件の詳細や修復の範囲と質、使用材料や業者情報など、全ての情報開示
・それらを文書化して、潜在的な買主がリスクを理解することによる安心材料を提供
・透明性の確保をすることで誠実さをアピールし、買主との信頼構築をする

これらは、将来的なトラブルを回避すること以上に、不動産市場における競争力を保ち、不動産価値の最大化を叶えることとなります!

物件の状態を正しく把握した上で、火災による事故物件を売却するなら「修復」と「そのまま」どちらがいいか。

①修復して売却する
メリット
・修復によりより高い価格で売却可能
・物件の悪いイメージを払拭できる
デメリット
・修復費用がかさむ
・時間と労力がかかる
・修復費用が回収できない

②そのまま売却する
メリット
・迅速に不動産市場に出すことができる
・焼損が軽微なら投資家に好まれる可能性がある
・余計な費用がかからない
デメリット
・市場価値は低く評価される
・買い手が限定される
・心理的な抵抗感が大きい

その上で、そのまま売却するのであれば、不動産買取をオススメします。
市場相場よりもかなり安い買取価格になる一方で、
・直接取り引きで即金性がある
・買い手を探す手間なく確実な引き渡し
・仲介手数料など費用請求がない
・先出しの費用が発生しない
・契約不適合責任や法的トラブルが発生しない

私たちエスエイアシストでは、不動産買取業者として、入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、困ってしまう“訳あり物件”のご相談を数々と解決してきた実績があります。中でも、多くの事故物件も取り扱ってきました。ほかの不動産会社で難色を示されてしまった物件をお持ちの方は、ものは試しとぜひ一度エスエイアシストにご相談ください!お待ちしています。

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