独自のノウハウにより入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、他の不動産会社が取り扱いづらい”お困り物件”を解決に導いてきた不動産・用地開発のスペシャリスト、株式会社エスエイアシストがお届けする”お困り物件”コラム、第7回目は「古い建物付きの土地」についてです。
古い建物付きの土地を相続したものの、その扱いに困ってしまうことがあります。維持・管理の手間や税金といったコストがかかる上、経済的な価値がない建物が残っている土地では、売却しようにも買い手が付かず時間もかかるし相場より安くなってしまうので、思い入れある家というのも相まってどうにもためらわれる。それでも「古い建物付きの土地を売却したい!」と思った時、どんなことに気をつければ良いのでしょうか?
今回の記事では、古い建物付きの土地の売却に向けての5つの判断基準と、それを踏まえた売却までの方法選びとそれぞれの注意点についてお話ししますので、最後まで読んでみて下さいね!
古い建物付きの土地を売却したい!
「古い建物付きの土地」とは、築年数が古く経済的な価値がない建物が残っている土地のことで、よく「古屋付き土地」とか「上物付き土地」などと言われ、売却しようにも相場より安くなりやすい土地だと言われています。
そんな古い建物付きの土地を亡くなった親御さんから相続したものの、扱いに困ってしまうことがあります。幼少期に住んでいて思い入れがあって大切な土地ながら、その土地の維持・管理といった手間や税金などのお金もかかってしまい頭を悩ませる人も少なくありません。それでも一大決心で売却しようと思ったとしても、相場よりも低い価格で「がっかり…」ということがあります。
多くの場合、古い建物には価値がなく、それどころか解体するにも手間やお金がかかり、どうにも人気がでることがないので買い手が付きにくいのです。建物というのは年月とともに価値がなくなっていくものなので、建っている建物の構造によっても違いはありますが、一般的に木造住宅ならば法定耐用面数は22年とされ、それを過ぎると経済的な価値は無くなります。とは言え、管理状態によっては住宅としての機能的な価値は残り、実際に住める年数は違いますし、リフォームして中古物件として売却した方が高く売却できるケースもあるでしょう。
一方で、建物の経年劣化や住宅としての機能を成していないし見栄えも悪いのであれば、建物を解体して更地にした方が売れやすい場合もあります。はたまたノウハウのある買取り専門不動産会社に買い取ってもらう方がいいかもしれません。「古い建物付きの土地を売却したい!」と思った時、その売却方法を選ぶにあたって、判断基準としてどんなことに気をつければ良いのでしょうか?
5つの判断基準とは?
では、古い建物付きの土地を売却する際の判断基準として、5つあるので解説します!
①立地
まず、その土地の立地です。最寄り駅から徒歩何分かかるのか。徒歩10分以内で通勤・通学に便利となれば好立地と言えます。また、その土地の最寄り駅の知名度や人気度、学校や公園・病院などの周辺環境も大きく影響します。
②土地の大きさ
次に、土地の大きさが影響することもあります。それは土地の地価や地域のニーズによって変わる点で、例えば一住宅あたりの延べ床面積は都道府県の違いで大きく差があり、東京都で売れるのは約66平米に対し、一番広い県で売れるのはその2倍とも言われます。そのことから、最低限の延べ床面積を確保する要件を満たした程よい土地の大きさが、売却しやすい土地となります。
③築年数と耐震基準
そして、建物の築年数と耐震基準を満たしているかどうかです。先述のとおり木造住宅の法定耐用年数は22年で建物の価値はなくなります。さらに管理状況によっては見栄えが悪くなり買い手は付きにくいものとなってしまいます。
また、耐震基準の問題もあります。建築確認日が1981年5月以前なら旧耐震基準で建物は建っており、地震による倒壊リスクがあります。
④法令や瑕疵(かし)
耐震基準以外でも法令にはいろいろあって、古い建物付きの土地には隣地との境界線がはっきりしない場合があり、測量などを実施しないとそのままでは売却できないこともあります。また、新しく建物が立てられない再建築不可の土地である可能性や、接道する道路の幅員を広げるためのセットバックを求められたり、建築当初と用途地域が変更になっていたなんてことも!
そして、瑕疵です。瑕疵とは、「一見では見えない分かりにくいリスク」のことで、売り主には、問題を隠さない・問題が起きたら補償する契約不適合責任(瑕疵担保責任を含んで再構成されたもの)があります。一番厄介なのが地中の埋設物で、売り主にも把握しきれないものもあり得ます。例えば、隣地の給排水管が越境して入り込んでいたなんて事例もあります。
⑤節税対策
最後に、節税の対策が必要か判断していきます。住宅が建っている土地には「住宅用地の軽減措置特例」があり、固定資産税が2分の1〜4分の1に抑えられます。また売却時には、相続空き家の3000万円特別控除を受けられる通称「空き家特例」で、譲渡所得税を抑えることもできます。これらの特例は適用要件が厳しいので、よくよく確認が必要ですので、場合によっては税理士さんや経験豊富な不動産業者さんに相談すべきです。
そのまま?更地?買取り?売却方法選びの注意点とは?
これらを踏まえて、ご自分の古い建物付きの土地をどうやって売却していくか考えなくてはなりません。古い建物をそのままにするのか、建物を解体して更地にしていくのか、はたまたノウハウのある買取り不動産会社に買い取ってもらうのか、…とても難しいですね!
ここでは、売却方法の選び方とその注意点についてお話ししていきます。
①建物付きのそのままで売却
まずは「建物付きのそのままで売却」する良さは、
・解体費用がかからない
・固定資産税を抑えられる
・買い手に住んだイメージが伝わりやすい
という点にあります。ちなみに、建物については売買契約書に契約不適合責任免責の条文を盛り込むことはできます。
一方で問題点として、
・買い手が付きにくい
・売却価格が相場よりも低くなる
となります。古い建物は見栄えが悪く土地活用が限定的な印象を与えます。また、良さである「解体費用がかからない」の裏面で、売却額で解体費用・更地費用が折り込まれた低い価格になりがちです。
補足として、とりわけ管理状況が良い建物や、古民家といった構造的・文化的に価値のある建物については、リフォームして売り出した方が良い場合もあります。
②更地にして売却
次に「更地にして売却」する良さは、
・地中の埋設物・地盤調査などがしやすい
・買い手が付きやすい
買い手にとっては、土地の形状や状況が分かりやすい、すぐにでも着工できる、解体といった手間がないことなど、安心材料が多いことになります。
反面、問題点としては、
・解体や整地・測量といった費用がかかる
・固定資産税の軽減措置特例が使えなくなる
といったものがでてきます。
これらのことから、売却を検討する際には、そのままでの相場と更地での相場を見極めその差を割り出し、解体その他の費用と天秤にかけていく必要があるとわかります。比べて解体費用の方が割安ならば、解体して更地にすることで手残りを増やすことになります。
…と理屈が分かったとして、そのまま売るにしても、更地にして売るにしても、判断基準も多い上に諸条件を加味しながら買い手さんと交渉することは、時間や手間をかけて成約までの6ヶ月〜1年以上を、不安も抱えながら過ごさなくてはならないんですね。
③買取り不動産会社への売却
そこで一つの解決策として、買取り不動産会社さんへの売却という方法があります。もちろん古い建物付きの土地には、手間と再販するためのコストがかかるため、相場価格で買い取ることはさすがに難しいものの、売り手さんにとっては、
・即日現金化できる
・解体などの難しい判断をしないですむ
・古い建物付きの土地にありがちな法的な問題も勘案される
・多くの問題が免責される
・手持ち資金を必要としない
・残留物の処分も任せられる場合が多い
ということが言えます。
まとめ
ここまで「古い建物付きの土地」についてお話ししてきました。
「古い建物付きの土地」とは、築年数が古く経済的な価値がない建物が残っている土地のことです。相続によりその維持・管理といった手間や税金などのお金もかかってしまい、売却しようにもなかなか買い手が付かず、頭を悩ませる人も少なくありません。
売却に向けて考えるべき判断基準は5つ。
①通勤・通学に便利な立地なのか
②土地の地価や地域のニーズにあった土地の大きさなのか
③建物の築年数と耐震基準は満たしているのか
④法令に準じた土地なのか・瑕疵(かし)はないか
⑤「住宅用地の軽減措置特例」や「空き家特例」といった節税対策は可能か
これらを踏まえて、売却戦略をたてていきます!
売却方法の選び方とその注意点については次の通り。
①建物付きのそのままで売却
・解体費用がかからない
・固定資産税を抑えられる
・買い手に住んだイメージが伝わりやすい
一方で問題点として、
・買い手が付きにくい
・売却価格が相場よりも低くなる
②更地にして売却
・地中の埋設物・地盤調査などがしやすい
・買い手が付きやすい
反面、問題点としては、
・解体や整地・測量といった費用がかかる
・固定資産税の軽減措置特例が使えなくなる
そのまま売るにしても、更地にして売るにしても、判断基準も多い上、時間も手間も不安も抱えながら、成約までの6ヶ月〜1年以上を過ごさなくてはなりません。
そこで最後の手段として…、
③買取り不動産会社さんへの売却
もちろん古い建物付きの土地には、手間と再販するためのコストがかかるため、相場価格で買い取ることはさすがに難しいものの、
・即日現金化できる
・解体などの難しい判断をしないですむ
・古い建物付きの土地にありがちな法的な問題も勘案される
・多くの問題が免責される
・手持ち資金を必要としない
・残留物の処分も任せられる場合が多い
ということが言えますので、検討の余地があります。
私たちエスエイアシストでは、入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、困ってしまう”訳あり物件”のご相談を数々と解決してきた実績があります。「古い建物付きの土地」というのも、そのひとつ。それに付随して隣地境界線の問題などが重なってくると、ほかの不動産会社で難色を示されてしまう物件も多いことと思いますが、私たちでしたら、これまでのノウハウを活かして対応させて頂きますので、ご安心下さい。
ぜひ一度エスエイアシストにご相談ください!お待ちしています。