雑種地売却の大前提!相続登記義務化の注意点と最短で手放す方法とは?

独自のノウハウにより、入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可物件など、他の不動産会社では取り扱いづらい「お困り物件」を解決に導いてきた、不動産・用地開発のスペシャリスト・株式会社エスエイアシストがお届けする「お困り物件コラム」。第152回目は「雑種地の売却」です。

親から相続した土地の登記簿を確認したら「雑種地」と書かれていた…。そんな状況で「本当に売れるのだろうか?」と不安を感じてはいませんか。実は、雑種地を抱えて困っている方は少なくありません。聞き慣れない地目に戸惑うだけでなく、固定資産税の支払いが続く一方で、相続登記が未完了のまま放置されているケースも多く見受けられます。結論から言えば、雑種地の売却自体は可能ですが、法的なルールや実務について適切に理解する必要があります。

今回の記事では、雑種地の定義から始まり、売却を阻む法的な壁や2024年から始まった相続登記の義務化が与える影響、そして最短で不動産を現金化するための具体的な解決策まで解説します。読み終えれば、「何を・いつまでに・どこに頼めばよいか」が明確になるハズです。ぜひ最後までお付き合いくださいね。

お困り物件買取事業

「雑種地の定義とは?」売却前に知るべき基礎知識

はじめに、「雑種地」とは「不動産登記における23種類の地目(不動産登記規則第99条に基づき、土地の主な利用目的を分類した区分のこと)のうち、宅地、田、畑、山林など他の22種類に該当しない土地の総称」です。代表例は、駐車場、資材置き場、ゴルフ場などです。これらには、具体的な用途が決まっていない土地や、一時的な利用地が含まれます。

ポイントは以下の3つです。

①用途に定めはなく極めて多岐にわたる
まず、他の地目に比べて活用の自由度が高い側面もありますが、建築制限の有無によってその価値は大きく変動します。もし、この雑種地の売却を考えるなら、所有している土地がどのような性質を持ち、現在どのような状態にあるのかを正確に把握することが売却の第一歩となります。

②実際の利用状況が最優先されるという原則がある
その上で重要なのは、登記簿上の地目ではなく「現況(実際の利用状況)」が最優先されるという原則であり、それによって土地評価や税金計算が変わります。例えば、登記簿には「山林」でも実際には「駐車場」として利用されていれば、税務上は雑種地として扱われて高い税率が適用される可能性があります。売却に際しては、登記上の地目と実際の使われ方に乖離がないか確認します。

③公的書類と現地確認によって正確に地目を把握できる
自身が所有する土地の地目を正確に知るためには、複数の書類を照らし合わせる方法が有効です。具体的には、「登記事項証明書」で登記上の地目を確認し、毎年送られてくる「固定資産税の納税通知書(課税明細書)」で自治体が把握している現況地目を確認します。さらに、現地に足を運ぶことで、目視で状況を確認し、境界の有無や物理的な利用実態をより正確に判断できます。

なお、不動産登記実務において宅地は「建物の敷地及びその維持若しくは効用を果たすために必要な土地」と定義されています。地目変更の可否は、登記上の目的ではなく現況によって判断され、宅地への変更には、現況として建物の敷地またはその効用を果たす土地と認められる実態が必要です。

売却目的で新築やインフラ整備をするのは、多くの場合で費用対効果があわないため、一般的には現状のまま最適な価格で売却します。

「雑種地売却の大前提!」相続登記の義務化を知る

もし、雑種地を売却したいと考えるなら、その売却方法や地目変更を検討する前に確認しなければならないことがあります。その大前提が「相続登記の完了」です。

2024年4月に施行された不動産登記法の改正によって、相続登記が義務化されました。大切なことは以下です。

①不動産を相続したら登記しなければならない
相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に、相続登記を申請しなければならないと法律で定められました(不動産登記法第76条の2)。もし正当な理由なくこの義務を怠った場合、10万円以下の過料(行政罰)が科される可能性があります。

②施行前の相続も対象となる
この義務化は、2024年4月1日よりも前に発生した相続についても適用されます。長年放置していた雑種地であっても例外ではなく、2027年3月31日(この場合、法改正から3年となる)までに登記を完了させる必要があります。

③登記未完了のままでは売却手続きが止まる
大切なことは、相続登記が済んでいない土地は、名義人が亡くなった方のままであるため、買主への所有権移転登記を行うことができません。たとえ売買契約を結んだとしても、登記が完了するまでは決済ができず、手続きが完全に止まってしまいます。

なお、暫定的な「相続人申告登記」という制度も新設されましたが、これは「簡易に相続登記の申請義務を履行したとみなされる(過料のペナルティを免れる)ための制度」であり、売却を行うには別途正式な相続登記の申請が必要です。

雑種地の売却が宅地より難しい5つの理由

この雑種地の売却を進める上で、宅地とは異なる特有のハードルが立ちはだかることがあります。代表的な問題は以下の5つです。

①市街化区域か市街化調整区域かで売却難易度が変わる
まず、対象地が「市街化調整区域(市街化を抑制すべきと定められた区域)」にある場合、都市計画法34条や43条によって新たな建築や開発が厳しく制限されます。この区域の雑種地は一般の住宅用地としての需要が見込めず、用途が資材置き場等に限定されるため、買い手探しが非常に困難です。

②登記地目と現況が食い違う農地は農地法の手続きが必要である
つぎに、登記簿上の地目が「雑種地」であっても、法的には「農地」として扱われ、売却が制限されるケースがあります(登記地目が農地で、現況が雑種地に無断転用されている逆のパターンも同様です)。これは日本の不動産法規が「登記よりも現況」を優先するためです。現況が耕作地である場合はもちろん、無断転用状態にある場合においても、売却には農地法に基づく厳格な手続き(農地転用許可や違反是正など)が不可欠となります。

③境界未確定や残置物といった問題の可能性がある
そして、長年資材置き場等として利用されてきた雑種地は、隣地との境界が曖昧であったり、古い設備や地中埋設物等が残されたままになっていたりすることが少なくありません。これらを売主側の責任で解消するために、確定測量には関係者との交渉、残置物撤去にも多額の費用が必要です。

④税金面で不利になるケースがある
加えて、雑種地を所有し続ける最大のデメリットは、税制上の優遇措置が受けられないことにあります。住宅が建っている「宅地」には、固定資産税の課税標準額を1/6(小規模住宅用地の場合)に軽減する特例がありますが、建物がない雑種地にはこの適用がありません。雑種地の固定資産税は、概ね「固定資産税評価額×標準税率(1.4%)」で算出されます。

⑤買い手が見つかりにくい
さらに、建築制限がある市街化調整区域の雑種地や、インフラが未整備な土地は担保価値が低く、多くの金融機関が融資(住宅ローン)の実行に消極的です。買い手の資金調達面でハードルが上がりやすく、特に住宅建築を前提としない土地は住宅ローンの対象外になりやすいため、一般個人への売却は難航しやすいのが実情です。

ケースにもよりますが、これらの問題を個人で解決するには多大な時間と手間、費用がかかります。

「節税チャンスを失う?」取得費加算の特例に期限

そんな中にあって、たとえ買い手が見つかり雑種地の売却が決まったとしても、その売却益には高い税金がかかることがあります。

その土地の取得時の費用が不明な場合、売却価格の5%を取得費(概算取得費)として計算することになります。この場合、売却価格のほとんどが「利益」とみなされ、売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超える長期譲渡所得であっても、20.315%(所得税・住民税・復興特別所得税の合計)の譲渡所得税が課せられます。

その点、相続した雑種地であれば「取得費加算の特例」が使える可能性があり、納付した相続税額の一部を不動産取得費に含めて利益を圧縮することができます(租税特別措置法第39条)。

ただ、その特例には期限があり、「相続税の申告期限から3年以内(目安として相続開始から約3年10か月以内)」に売却を完了させなければなりません。さらに注意すべきは、遺産分割協議が長引いていても、特例の基準となる「相続税の申告期限(原則10か月)」は延長・変動しない点です。分割が未了でも申告・納税が必要であり、売却のタイミングが遅れると多額の節税チャンスを失うリスクがあります。

雑種地の売却方法3つを比較

では、雑種地を円滑に売却し、資産を確実に整理するための3つの解決策について、法的・実務的な背景を踏まえてさらに詳しく解説します。

①そのまま雑種地として売却する
第一に、地目を変えず現在の「雑種地」という現状のまま売却する方法です。駐車場や資材置き場としてニーズがある場合に向いています。農地転用や地目変更登記などの法的な手間がかからないため、比較的早く売却活動を開始できます。
ただし、買主が住宅ローンを組めないため、一般の方への売却は難航しやすいのが実情です。

②宅地に地目変更登記をして売却する
つぎに、登記上の地目を「宅地」に変更してから売却する方法です。住宅地としての価値を最大限に高め、買主のローン利用を容易にすることで、需要を広げることができます。
ただし、地目変更には現況が「建物がある(もしくは、インフラ整備ができている)敷地」である実態が不可欠です。そもそも、建築不可の区域では変更自体が認められないリスクもあります。

③不動産買取業者に買い取ってもらう
そして、最も確実でスピーディーな解決策が不動産買取業者への売却です。仲介では売れにくい制限の多い土地や、管理が行き届いていない土地であっても、専門業者が直接買い取ることができます。
ただし、「雑種地」の扱いや「農地転用」といった案件のノウハウや実績がある業者を選ぶ必要があります。

活用できていない土地は、手間がかかるだけでなく固定資産税を納めるだけの「負」動産になりかねません。放置せず適切に手放していく必要があります。

「最短で手放す!」雑種地の売却には直接買取がおすすめ

そんな相続した雑種地を「負動産」として、さらにその先の子世代に引き継がないためにはどうすればよいでしょうか?最短で手放すなら、一般の不動産会社が敬遠しがちな「お困り物件」の扱いに慣れた専門業者による「直接買取」をおすすめします。

理由は以下の3点です。

①地目変更と境界確定や残置物撤去も不要の現況有姿でよい
まず大きなことは、地目変更のみならず、境界確定や残置物撤去も不要の現況有姿で引き取ってもらえます。通常、売主が負担する場合の多い数十万円単位の測量費や撤去費を業者側で引き受けるため、手出し費用を心配する必要はありません。

②直接取引で確実に早期現金化できる
また、仲介とは異なり、業者との直接取引となるため、買い手を探す期間が必要ありません。契約さえまとまれば、最短数日から数週間での確実な決済が可能です。いつ売れるか分からない不安や、毎年の固定資産税負担からすぐに解放され、早期の現金化ができます。

③売主責任をゼロにする契約不適合責任が免除になる可能性がある
さいごに、個人間の取引では売却後の欠陥や目に見えていない埋設物に対して、契約不適合責任(契約内容との相違に対する売主責任)を負わされますが、プロである当社が買い取る場合は、この責任を免除する契約が可能です。免責にできるのであれば、売却後のリスクを抑えやすいのが特徴です。ただし、告知義務違反などがある場合は別です。

相続した土地が「雑種地」であったことで、分かりにくい概念に不安があることと思います。そんなときは、一人で抱え込むことなく、早い段階で専門家に相談することが大切です。

まとめ

今回の記事では、雑種地の定義からその売却に向けた解決策まで解説しました。

はじめに、「雑種地」とは「不動産登記における23種類の地目(不動産登記規則第99条に基づき、土地の主な利用目的を分類した区分のこと)のうち、宅地、田、畑、山林など他の22種類に該当しない土地の総称」です。

ポイントは以下の3つです。
①用途に定めはなく極めて多岐にわたる
②実際の利用状況が最優先されるという原則がある
③公的書類と現地確認によって正確に地目を把握できる

なお、実務において宅地は「建物の敷地及びその維持若しくは効用を果たすために必要な土地」と定義され、地目変更するなら建物が建っている、インフラ整備されている、といった実態が求められます。

雑種地を売却したいと考えるなら、2024年4月に施行された相続登記の義務化にともない、「相続登記の完了」が重要です。
①不動産を相続したら登記しなければならない
②施行前の相続も対象となる
③登記未完了のままでは売却手続きが止まる

この雑種地の売却を進める上で、宅地と異なる代表的な問題は以下の5つです。
①市街化区域か市街化調整区域かで売却難易度が変わる
②登記地目と現況が食い違う農地は農地法の手続きが必要である
③境界未確定や残置物といった問題の可能性がある
④税金面で不利になるケースがある
⑤買い手が見つかりにくい

そんな中にあって雑種地の売却が決まったとしても、その売却益には高い税金がかかることがあります。

その土地の取得時の費用が不明な場合、売却価格の5%を取得費(概算取得費)として計算せねばならず、売却価格のほとんどが「利益」とみなされ、高い譲渡所得税が課せられます。

その点、相続した雑種地であれば「取得費加算の特例」が使える可能性があり、納付した相続税額の一部を不動産取得費に含めて利益を圧縮することができます。ただ、その特例には期限があり、遺産分割協議が未了でも「相続税の申告期限」は延長されないため、申告期限から3年以内(目安として相続開始から約3年10か月以内)に売却を完了させなければならず、タイミングが遅れると節税チャンスを失います。

では、雑種地を円滑に売却し、資産を確実に整理するための3つの解決策は以下です。
①そのまま雑種地として売却する
②宅地に地目変更登記をして売却する
③不動産買取業者に買い取ってもらう

そんな相続しても活用できていない雑種地を「負動産」として子世代に引き継がせないためには、「お困り物件」に慣れた専門業者による「直接買取」をお勧めします。
①地目変更と境界確定や残置物撤去も不要の現況有姿でよい
②直接取引で確実に早期現金化できる
③売主責任をゼロにする契約不適合責任が免除になる可能性がある

私たちエスエイアシストは、入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可物件など、扱いが難しい「お困り物件」のご相談を数多くサポートしてきました。「雑種地」の売却について不安があれば、弊社にまずはご連絡ください。
「どこに相談すればいいか分からない」「家族に迷惑をかけたくない」と感じている方こそ、ひとりで抱え込まず、まずは現状をお聞かせください。お客様の状況やご希望を踏まえ、無理のない出口プランを一緒に考えます。お困りの物件でお悩みの方は、ぜひエスエイアシストまでご相談ください。

【参考エビデンス・出典】
・No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例(国税庁)
相続や遺贈により取得した財産を売却した際、納付した相続税額の一部を不動産の取得費に加算し、譲渡所得を圧縮できる特例について解説されています。特例の期限が「相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日まで」であるという厳格な起算点や適用要件が定められており、遺産分割が未了であっても申告期限は変動しないという「売却を急ぐべき税金上のリスク」を裏付ける重要なソースです。
URL:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3267.htm

・相続人申告登記について(法務省)
2024年4月1日から義務化された相続登記に伴い創設された「相続人申告登記」制度の概要や留意点が記載されています。この制度は、過料のペナルティを免れるために簡易に義務を履行するものであり、「不動産についての権利関係を公示するものではないため、相続した不動産を売却したりするような場合には、別途、相続登記の申請をする必要がある」という、実務上の重大な注意点を裏付けるソースです。
URL:https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00602.html

・土地の地目の判定(国税庁)
土地の地目は登記簿上ではなくすべて「現況」によって判定するという大原則や、不動産登記事務取扱手続準則に基づく地目の区分基準が明記されています。宅地の定義(建物の敷地及びその維持若しくは効用を果たすために必要な土地)や、雑種地の定義(他の22種類いずれにも該当しない土地)が定められており、「現況主義の原則」や「売却目的だけで宅地へ地目変更することは実質的に不可能」というロジックの根幹を裏付けるソースです。
URL:https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hyoka/01/02.htm

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