マンションの「所有者不明」問題が2026年法改正で前進?管理不全物件と向き合うためのステップ

独自のノウハウにより、入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可物件など、他の不動産会社では取り扱いづらい「お困り物件」を解決に導いてきた、不動産・用地開発のスペシャリスト・株式会社エスエイアシストがお届けする「お困り物件コラム」。第156回目は「管理不全物件」についてです。

「隣の部屋の電気が何年もついていない。一体、どなたが持ち主なんだろう……」「管理費の滞納が重なっているのに、連絡先がわからず督促もままならない」

今、日本の分譲マンションの多くが、これまでにない課題に直面しています。それが「所有者不明」という問題です。1960年代から80年代にかけて建てられた多くのマンションが、建物の経年劣化だけでなく、「所有者の代替わり」という壁にぶつかっているようです。

持ち主がわからない部屋が増えると、マンション全体の意思決定がスムーズに進まなくなる「停滞状態」を招きかねません。修繕の話し合いがまとまらず、建物の維持管理に支障をきたしてしまうケースも見受けられます。

しかし、2026年4月に施行された新しいルール(改正区分所有法)が、この状況に新しい光を投げかけました。本記事では、法改正によって何が変わったのか、そして「今のマンションの状況に不安を感じている」という所有者の方が、どのようなステップでご自身の資産や生活を守っていくべきか整理していきます。ぜひ最後までお付き合いくださいね。

お困り物件買取事業

管理不全の背景:なぜ「連絡の取れない部屋」が課題となるのか

マンションの維持管理は、区分所有者全員による「話し合いと多数決」で成り立っています。建物の価値を維持するための大規模修繕や、管理ルールの変更には、一定以上の賛成が不可欠です。

ところが、相続の放置や転居後の連絡途絶などによって、持ち主が不明になったり連絡がつかなくなったりする部屋が増えると、この多数決の成立自体が難しくなってしまいます。

「意思決定」を妨げる要因
これまでの法律では、連絡がつかない方も「母数」に含まれていました。たとえば、100戸のマンションで25戸の方が所在不明だった場合、残りの75戸全員が賛成しても「4分の3以上」という特別な決議を通すことが物理的に不可能だったのです。
これが、管理不全を招くきっかけとなることがあります。

・修繕計画の停滞:必要な工事の決議ができず、傷みが進んでしまう懸念。
・家計への影響:管理費・修繕積立金が未納のままになると、他の住民の方々でその不足分を補わざるを得ない状況も考えられます。
・住環境の変化:空き部屋の状態が把握できず、防犯や衛生面で近隣の部屋に影響が出てしまうことも、所有者の方にとっては大きなストレスになります。

2026年新制度:意思決定の「停滞」を救う仕組み

2026年4月の改正区分所有法は、こうした膠着状態を解消するために整えられました。大きなポイントは、「所在等不明者を除外して決議できる仕組み」が新設されたことです。

所在等不明区分所有者の除外
新制度では、裁判所の手続きを経ることで、所在がわからない所有者を「決議の分母」から除外して計算できるようになりました。
これにより、実際にマンションの管理に参加されている「今お住まいの方々」だけで、必要な判断を下せるようになります。大規模修繕はもちろん、これまでハードルが高かった「建物の取り壊し」や「敷地の売却」といった抜本的な選択肢も、現実的に検討できるようになってきました。

管理人の選任
また、所有者が不明な部屋に対して、裁判所が「管理人」を選任できる制度も強化されました。管理人が選ばれれば、その部屋が原因で水漏れなどが起きている場合でも、正当な手続きのもとで入室し、必要な処置を行えるようになります。

現実的な視点:制度を活かすためのステップ

法改正によって解決の兆しが見えた一方で、実際にこれらの制度を利用するには、管理組合(あるいは住民の方々)がいくつかの高いハードルを越える必要があります。

調査と手続きの負担
「所有者がわからない」ことを正式に認めてもらうには、管理組合側で詳細な調査を行わなければなりません。

・戸籍や住民票を遡り、相続人の有無を確認する
・郵便物が届かない実態を証明する
・現地の状況を継続的に記録する

こうした作業を、お忙しい住民の方々がご自身だけで進めるのは容易ではありません。専門家への依頼費用も発生するため、すでに資金が不足しているマンションでは、着手そのものを躊躇してしまうケースも想定されます。

不安を感じている所有者の方が考えたい「3つの歩み」

もしご自身のマンションにおいて管理不全の兆候があり、「将来、資産価値が著しく下がってしまうのではないか」と不安を感じられている場合は、次のようなステップで現状を見つめ直してみることをおすすめします。

【ステップ1】管理状況を客観的に把握する
まずは、ご自身のマンションの「現状」を確認してみましょう。

・管理費の未納がどれくらい発生しているか
・長期修繕計画は適切に更新されているか
・理事会や総会にどれくらいの「不明者」が影響しているか

これらを把握することで、現在のリスクを冷静に判断できるようになります。

【ステップ2】管理組合での対話を見守る(あるいは促す)
法改正を機に、所在不明者の除外や建物の今後についての話し合いが始まるかもしれません。しかし、もし「議論が進まない」「現状維持を望む声ばかりで修繕の目処が立たない」という状況が続くようであれば、建物の再生は長期化する可能性が高いと言えます。

【ステップ3】無理のない「住み替え」を検討する
管理組合の体制が変わるのを待つことが難しい場合や、将来的に多額の負担金が発生する見通しがある場合は、早期に物件を手放すことも、生活を守るための大切な選択肢となります。

ただし、管理不全の兆候がある物件は、一般の市場では敬遠されやすいのも事実です。将来のトラブルを懸念して買い手が見つかりにくい場合には、「専門会社による直接買取」を検討することで、スムーズな住み替えが可能になるケースもあります。

まとめ

2026年の法改正は、マンションの再生に向けた大きな一歩です。しかし、実際に手続きを進めるには膨大な時間とエネルギーが必要です。

私たちエスエイアシストは、入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可物件など、扱いが難しい「お困り物件」のご相談を数多くサポートしてきました。「管理組合での話し合いに少し疲れてしまった」「行方のわからない隣人の影響で、自分の資産の今後が不安だ」と感じている方こそ、ひとりで抱え込まず、まずは現状をお聞かせください。お客様の状況やご希望を踏まえ、無理のない出口プランを一緒に考えます。お困りの物件でお悩みの方は、ぜひエスエイアシストまでご相談ください。

【参考エビデンス・出典】
法務省:区分所有法等改正(所有者不明区分所有者への対応等)
 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00289.html
国土交通省:マンション管理不全の兆候把握と解消に向けた手引き
 https://www.mlit.go.jp/jutaku_fr/tatemono_000010.html
政府広報オンライン:マンション管理のルールが変わる!所有者不明対策
 https://www.gov-online.go.jp/useful/article/202306/1.html
裁判所:所在等不明区分所有者管理人の選任申立て手続きについて
 https://www.courts.go.jp/service/saiban_tetsuzuki/index.html

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