
独自のノウハウにより、入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可物件など、他の不動産会社では取り扱いづらい「お困り物件」を解決に導いてきた、不動産・用地開発のスペシャリスト・株式会社エスエイアシストがお届けする「お困り物件コラム」。第149回目は「成年後見人による居住用不動産の売却」です。
「親が認知症で施設に入所し、実家が空き家になった…」「遠方の実家に度々帰って片付けをしている…」固定資産税や草木の手入れ、各種手続き等の負担も重く、「できれば早めに実家不動産を売却して介護費用に充てたい」と考える方も少なくありません。しかし、所有者本人に意思確認できない以上、実家を売却することは難しいのが現実です。なぜなら、売却を進めるためには「成年後見人」の選任に加えて、家庭裁判所の許可という厳格な手続きが必要になるからです。ただ結論から言えば、成年後見人が正しい手順を追って対処すれば、本人の居住用不動産を売却することは可能です。
今回の記事では、成年後見人の基本から、居住用不動産の売却で家庭裁判所の許可が必要になる理由、実務で詰まりやすい現場課題とリスク、そしてスムーズに進めるための具体策までを整理します。本人の安定した介護資金を確保し、ご家族も安心して実家を手放せるようにお手伝いしますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。
「成年後見人とは?」居住用不動産の売却の前提

はじめに、「成年後見人」という言葉が難しく感じられるため、役割を整理します。それは、「認知症や知的(精神)障害などで判断能力が低下した本人(成年被後見人)に代わって、家庭裁判所(以後は「家裁」)に選任されて財産管理や契約などの法律行為を行う立場の人」です。
具体的には以下のポイントがあります。
・財産管理:本人の利益を軸に財産を守り必要な支払いを行う
・身上監護(しんじょうかんご):本人の生活に関わる手続きや調整の支援を行う
・家裁への報告:収支や財産の状況を管理し家裁へ報告する
親族を後見人の候補者として申し立て(=親族が家裁に後見人の選任を求める手続き)を行っても、資産額や親族間の関係性によっては弁護士や司法書士が選ばれることがあります。この場合、専門職への報酬が発生し、第三者としての客観的かつ厳格な視点で実務が進められることになります。
また、専門職が選任されるかどうかにかかわらず制度を利用する以上は、ご家族であっても本人の財産を自由に使っていいということにはなりません。もしも急ぎの資金調達が必要であったとしても、親族間で意見が対立して申立前の調整が長引くと、結果的に想定どおりに進まないこともあるため注意が必要です。
成年後見人による居住用不動産の売却には家裁の許可が必須
特に「(成年被後見人の)居住用不動産」の売却については難しさが伴います。成年後見人は判断能力が低下した本人に代わって法律行為を代理する包括的な権限を持っていますが、本人の生活基盤を左右する財産を動かす際には、法律によって厳格なルールが定められています。
①居住用不動産の売却には家庭裁判所の許可が必須
まず、居住用不動産を売却する場合、民法第859条の3により家庭裁判所の許可が必須です。対象は、成年被後見人が現在住んでいる建物だけではなく、建物の敷地となる土地も含みます。これは、本人の生活基盤を守るための制限であり、許可なく売却すると無効になります。
②空き家でも居住用として扱われることがある
たとえ施設入所で今は住んでいなくても(現状空き家としても)、「入所前に住んでいた」「将来戻る可能性がある」など、生活の拠点だった事情があると居住用として扱われることがあります。「空き家だから後見人の判断で売れるはず」と思い込むと、後に重大なトラブルに発展する恐れがあります。
③居住用以外は条件付きで許可不要
一方で、居住用に当たらない不動産(たとえば別荘、投資用、居住実態がない土地など)は、許可不要で処分することができます。ただし、許可が不要でも「本人の利益にかなう取引か」は別問題であり、相応の責任は伴います。その売却の必要性と本人の利益を客観的に説明できるだけの材料が必要です。
このように、対象となる不動産がどのような定義に当てはまるかを確認することが、売却への第一歩となります。
成年後見人の居住用不動産売却が進まない実務課題とは?
しかし、実際に居住用不動産の売却を進めようとすると、多くのご家族が実務的な壁に突き当たります。
①本人の意思確認の難しさ
そもそも不動産売却は、売主の意思確認や判断が前提です。認知症等で判断能力が低下していると本人の意思確認が難しく、通常の手続きも進みにくくなります。成年後見人の手続きに切り替える必要があるのに、一般的に制度理解が浸透していないので、何から着手すべきか分からず手が止まりがちです。
②遠方にある不動産の現地対応に限界がある
その居住用不動産が遠方にある場合、現地対応に限界が生じやすくなります。様々な片付けや清掃、草木管理、近隣対応、役所の証明書取得など、やるべきことが非常に多く、時間や費用が重くのしかかります。残置物や不用品がそのままであると、精神的な負担も増えて判断が遅れやすくなります。
③申立前の実務プロセスの複雑さ
それに加えて、成年後見制度の申立前における実務の煩雑さは非常に高く、資料収集、他の親族との協議、財産の棚卸しなどのプロセスが重なると、対応する親族は売却以前に疲弊していきます。万が一にも親族間の対立などで調整が長引くと、後見人選任が想定どおりに進まない(親族が選ばれない)可能性も出てきます。
成年後見人が選任された後も、買主を見つけて家裁の許可を申し立てるという煩雑な手順が待っています。もし、成年被後見人の生活費や介護費用などをまかなうために、一刻も早い居住用不動産の現金化が求められる場合、スケジュールが見通せない強い焦りが伴います。
「許可なしで契約無効に?」自己判断で進める売却のリスク

一方で、焦って自己判断で手続きを簡略化して居住用不動産を売却しようとすると、結果的に遠回りになったり、法的・金銭的リスクを負ったりすることになります。
①無許可売却による不動産売買契約の無効リスク
一つ目に、成年被後見人の居住用不動産に該当するのに家裁の許可を得ずに勝手に売却すると、不動産売買契約が無効となるリスクがあります。せっかく買主が見つかっても、契約が無効になれば時間も信用も失う上、取り返しのつかない金銭的トラブルに発展しかねません。
②居住用財産の3,000万円特別控除は期限超過で受けられなくなる
二つ目に、居住用財産の3,000万円特別控除には期限があり、その期限を超過すれば優遇税制が受けられなくなります。具体的には「住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」とされています。しかし、税法上の起算日認定はシビアなので、期限を1日でも過ぎて特例が適用外となれば、経済的損失は重くなります。
③契約不適合責任を追及されるリスク
三つ目に、仲介で一般売却し、引渡し後に雨漏りや設備不良などといった瑕疵(隠れた欠陥)が見つかると、契約不適合責任(契約内容との相違に対する売主責任)を追及されるリスクがあります。成年後見人は本人財産を守る立場のため、トラブルが起きるほど説明責任が重くなり、最悪の場合が後見人自身に賠償責任や解任のリスクを負うことになります。
こういった法的なルールや税制の期限は「知らなかった」では済まされないため、早い段階で正確な情報を押さえる必要があります。
居住用不動産の売却を停滞させる現場課題とは?
さらに注意したいのが、法的な手続きを予定通りに進めるための足かせとなる「現場の詰まり」です。
①境界未確定による長期化
特に、古い宅地では隣地との境界が曖昧なままのことがあり、将来のトラブルを防ぐために境界確定測量が必要になるケースがあります。その際には関係各者(所在等不明者も含まれる場合もある)との調整や立会いも必要であり、対応が長期化するケースもあります。その間に買主の考えや都合が変わり、話が流れることも珍しくありません。
②家財道具(残置物)やゴミの処理の手間と見通しが立ちにくさ
また先述のとおり、家の中が家財道具といった残置物やゴミで溢れていると、片付けの見通しが立ちにくく、時間と手間が増えて精神的に疲弊します。結果として、必要書類の準備や売却活動に手が回らなくなりがちです。
③不動産売却価格の妥当性の説明不足による許可手続きの停滞
さらに、成年後見人の不動産売却において、(残置物の処理や測量の手間などを省くために)市場価格より安価な現状有姿での売却を選ぶ場合、「なぜその条件が本人の利益にかなうのか」、客観的な情報を用いて妥当性を説明できなければ、許可手続きが停滞する要因になり得ます。
現場で起こる様々なトラブルをいかに効率よく解消するかが、スムーズな売却の鍵を握るため、実務と法務の両面に精通した専門家を交えて段取りを組むことが重要です。
成年後見人からのご相談で進めた居住用不動産の売却事例
ここでは、あるご家族の資産整理に伴い、成年後見人の方(被成年後見人のご家族)から居住用不動産の売却のご相談をいただいた事例をご紹介します。
(先述のとおり)成年後見人とは、判断能力の低下した方に代わって、財産管理や手続きを行う立場の人です。本件では、物件所有者の方(本人)が介護が必要な状態となり、「実家の売却を進めて介護費用や生活費を確保したい」というご希望からの相談でした。
対象は、店舗兼住宅に加えて未登記の建物が同じ敷地内にある居住用不動産です。敷地は広くて県道に面した立地でしたが、建物の築年数も経っており、売却前に確認すべき点が多い状況でした。
課題は大きく3つありました。
・敷地内に複数の建物や樹木等があり、解体費用の見通しが立てにくい
・古い登記が残っており、そのままでは今後の活用に支障が出る可能性がある
・飲食に使われていた建物の解体時には、小動物の近隣への影響にも配慮が必要だった
そこで、現地確認を重ねながら、解体の概算把握、登記整理に向けた専門家との連携、解体前の事前対策を並行して進めました。加えて、居住用不動産の売却では家裁の許可手続きが必要なため、売却条件を整理し、未締結の売買契約書案や査定書等の準備を進めながら、許可申立に向けた段取りを整えました。
ご家族には売却を急ぎたいご事情もありましたが、そんな中でも密に関係者間でスケジュールを共有し、手続きの順番や時期を整理していくことが肝要と、丁寧に対応しつつもテンポ良く手続きを進めました。その結果、事前の段取りを徹底したことで、比較的スムーズに事が運んだものと考えています。
本件に関しては、ご家族が成年後見人としてすでに選任されていたことに加え、家裁への申立準備がスムーズに進んだこともあり、ご相談から約1か月半という通常よりも大幅に早く契約と決済。売却資金は今後の生活や介護に充てる予定とのことで、早めに対応できた点にも安心いただけたようです。
このように、成年後見人の不動産売却といった複雑な事情がある物件でも、状況を一つずつ整理すると進め方が見えてくる場合があります。似たお悩みがあれば、まずは現状を把握するところから一緒に考えていきますので、まずはお気軽に弊社にご相談ください。
成年後見人が居住用不動産を売却する5つの行動指針
では改めて、これまで挙げた課題をクリアし、最短ルートで居住用不動産を売却するための具体的な行動指針を解説していきます。
①正確なスケジュール設計をする
はじめに、成年被後見人の居住用不動産に該当するかを確認し、裁判所への許可申立にかかる期間を逆算して計画を立てます。介護費用等といった必要資金の不足期間を見据え、いつまでに現金化が必要かを明確にした正確なスケジュール設計をすることが大切です。
また「家財の片付け」「測量の要否」など、現場の詰まりがどこにあるかも同時に棚卸ししておくと、後半で慌てにくくなります。
②不動産売却の必要性と本人利益を言語化する
次に、なぜ居住用不動産を売却する必要があるのかを、本人の利益に結びつけて整理します。たとえば、本人の預貯金残高や毎月の収支、建物の老朽化による維持管理の困難さなど、客観的な証拠を揃えて「なぜ売却が本人の利益になるのか」を言語化する必要があります。
成年後見人の売却は、家族の都合だけでは進められません。売却の必要性を客観的に説明できる状態にしておくと、許可申立の場面でも説得力が増します。
③査定書等で売却価格の妥当性を補強する
そして、居住用不動産の売却において、家裁が最も重視するポイントの一つが「価格の妥当性」です。不動産業者による客観的な「査定書」を複数取得し、市場価格と比較して不当に安くないことを証明します。
併せて、固定資産評価証明書や登記事項証明書(全部事項証明書)など、価格説明の材料になる書類も準備します。現況有姿や免責など条件を付ける場合は、その理由と合理性を説明できるようにしておくことが大切です。
④停止条件を明記して許可不成立リスクを調整する
さらに、実務上は「契約案が先、許可が後」という順序で進めるのが一般的です。そのため、許可申立で提出する「売買契約書案」は、許可が出る前に本契約や決済へ進まない前提で作成しなければなりません。したがって、売買契約書「案」段階で、必ず家裁の許可を待つことを前提とした「停止条件」を明記しておく必要があります。
その案の中で、本契約・決済に進む前提を明確にし、許可が得られない場合の扱いを調整しておくと、万が一許可が下りなかった場合の当事者間のトラブルや誤解を防ぎやすくなります。
⑤家庭裁判所に不動産売却の申立を行う
さいごに、買主が見つかり、売買契約の条件が具体的に固まった段階の未締結の「売買契約書案」を添えて家裁に許可申立を行います。ポイントは、あくまでも査定段階ではなく、買主・金額などの契約条件が具体化した上での申立です。
申立てから許可までは通常1〜2週間程度かかりますが、その間に家裁から追加資料の照会や呼び出しがある可能性も想定し、迅速に対応できるよう準備しておくことが重要です。
このように、順番を守り、根拠を揃え、停止条件で安全弁を置くことが、成年後見人による居住用不動産の売却を安定させます。
成年後見人の居住用不動産売却には買取で負担軽減
さいごに、成年被後見人の将来を守るために、成年後見人として居住用不動産の売却を成功させる方法を解説します。
①成年被後見人の納得するであろう出口を考える
まず、成年被後見人の居住用不動産を売却することは、本人の生活基盤に関わる大きな意思決定です。だからこそ「なぜ売るのか」「売った資金を何に充てるのか」を整理し、本人の利益につながることを考えることが重要になります。
不動産の売却は単なる事務作業ではなく、「本人のために何が最善か」という視点を持つことが重要です。たとえ判断能力が低下して意思表示が難しくても、大切な資産を本人が納得するであろうことを想像し、「安心な生活資金」へと変換しなくてはなりません。売却後の生活環境も含めて、長期的な視点で出口を描くことが、後見人としての職務を全うすることに繋がります。
②後見案件に精通した専門業者への早期相談をする
また、家裁への申立てには法務と不動産実務の知識が欠かせません。家裁の許可という法務面と、境界・残置物・解体などの実務面を同時に動かさなくてはならないためです。
早い段階で、後見案件の経験が豊富で、裁判所に提出するための「通る説明資料(価格根拠・必要性)」を的確に作成できる専門業者へ相談することが、手続きの停滞を防ぐ最善策となります。
③買取と仲介の比較軸を明確にする
これらを踏まえて、少しでも高値を目指すなら不動産仲介による売却です。ただ、一般の買主を探すため、残置物やゴミの片付け、内見対応、引渡し後の責任など、現場負担とトラブルリスクが残りやすい面があります。
一方で、不動産買取は仲介に比べて、現状有姿や免責などの条件設計で負担を下げやすい反面、売却価格は安くなりがちであることから「価格妥当性」の説明がより重要になる傾向にあります。そのため、単に「手間の軽さ」だけでなく、本人利益と価格根拠の両立ができるかという比較軸を明確にすることが大切です。
その上で成年被後見人による居住用不動産の売却において、不動産買取を選択するメリットは以下のようなものがあります。
・被成年後見人の必要資金を確保するため、不動産を早期に現金化できる
・広告や内覧が不要なため、プライバシーを確保することができる
・残置物や未整理部分があっても、現況有姿での取引が可能
・契約条件を整えることで、契約不適合責任など将来のリスクを抑えやすい
・業者との直接取引で確実性が高いため、許可申立の準備に入りやすい
境界のトラブルや家財道具の片付けなど、現場の泥臭い課題を一人で抱え込む必要はありません。専門家の知恵を借り、家裁への的確な説明準備を整えた上で、不動産買取などの選択肢を賢く活用することで、手間を最小限に抑えつつ、確実に介護資金などに充てる資金を確保することができます。
被成年後見人の穏やかな未来を守るために、まずは信頼できるパートナーに現状を相談し、具体的な一歩を踏み出してみてください。
まとめ
今回の記事では、成年後見人の基本から、居住用不動産の売却での現場課題とリスク、具体的な対策までを整理して解説してきました。
はじめに、「成年後見人」とは、「認知症や知的(精神)障害などで判断能力が低下した本人に代わって、家裁に選任されて財産管理や契約などの法律行為を行う立場の人」です。具体的には、成年被後見人の財産管理・身上監護・家裁への報告を行います。
資産額や親族間の関係性によっては、親族ではなく専門職が選ばれることがあります。この場合、報酬が発生して客観的な実務が進められることになります。また、資金調達が必要であったとしても家族が本人の財産を自由に使うことはできません。
特に、成年被後見人の居住用不動産の売却といった、本人の生活基盤を左右する財産を動かす際には、法律によって厳格なルールが定められています。
①居住用不動産の売却には家庭裁判所の許可が必須
②空き家でも居住用として扱われることがある
③居住用以外は条件付きで許可不要
このように、対象となる不動産の定義を確認することが、売却への第一歩となりますが、実際に居住用不動産の売却を進めようとすると実務的な壁に突き当たります。
①本人の意思確認の難しさ
②遠方にある不動産の現地対応に限界がある
③申立前の実務プロセスの複雑さ
成年後見人が選任後も、買主を見つけて家裁の許可を申し立てなくてはなりません。一刻も早い居住用不動産の現金化を求めて、焦って自己判断で売却しようとすると、法的・金銭的リスクを負うことになります。
①無許可売却による不動産売買契約の無効リスク
②居住用財産の3,000万円特別控除は期限超過で受けられなくなる
③契約不適合責任を追及されるリスク
こういったルールは「知らなかった」では済まされず、早い段階で正確な情報を押さえる必要があります。そして、さらに注意したいのが、法的な手続きの足かせとなる「現場の詰まり」です。
①境界未確定による長期化
②家財道具(残置物)やゴミの処理の手間と見通しが立ちにくさ
③不動産売却価格の妥当性の説明不足による許可手続きの停滞
スムーズな売却には、実務と法務の両面に精通した専門家を交えて段取りを組むことが重要です。
では、これまでの課題をクリアし、最短ルートで居住用不動産を売却するための具体的な行動指針を解説していきます。
①正確なスケジュール設計をする
②不動産売却の必要性と本人利益を言語化する
③査定書等で売却価格の妥当性を補強する
④停止条件を明記して許可不成立リスクを調整する
⑤家庭裁判所に不動産売却の申立を行う
このように、順番を守り、根拠を揃え、停止条件で安全弁を置くことが、成年後見人による居住用不動産の売却を安定させます。
さいごに、成年被後見人の将来を守るために売却を成功させる方法を解説します。
①成年被後見人の納得するであろう出口を考える
②後見案件に精通した専門業者への早期相談をする
③買取と仲介の比較軸を明確にする
本人利益と価格根拠の両立ができるかという比較軸を明確にすることが大切であり、その上で不動産買取を選択するメリットは以下のようなものがあります。
・不動産を早期に現金化できる
・プライバシーを確保することができる
・現況有姿での取引が可能
・契約不適合責任など将来のリスクを抑えやすい
・業者との直接取引で確実性が高い
多くの課題を一人で抱え込まずに専門家の知恵を借り、不動産買取などの選択肢を賢く活用することで、手間を最小限にして確実に介護資金などに充てる資金を確保することができます。
私たちエスエイアシストは、入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可物件など、扱いが難しい「お困り物件」のご相談を数多くサポートしてきました。
「どこに相談すればいいか分からない」「家族に迷惑をかけたくない」と感じている方こそ、ひとりで抱え込まず、まずは現状をお聞かせください。お客様の状況やご希望を踏まえ、無理のない出口プランを一緒に考えます。お困りの物件でお悩みの方は、ぜひエスエイアシストまでご相談ください。
【重要エビデンス・出典】
・さいたま家庭裁判所「居住用不動産処分許可の申立てについて」
家庭裁判所へ居住用不動産の処分許可を申し立てる際の実務的な要件が記載されています。特に、記事内で何度も指摘した「契約の当事者や金額などの記載があるもの(未締結の契約書案)が必要であること」や、「審理期間は問題のない事案で1〜2週間程度であること」の直接的な根拠となっています。
URL:https://www.courts.go.jp/saitama/vc-files/saitama/file/2602F01.pdf
・福岡家庭裁判所「成年後見人のためのQ&A」
成年後見人の基本的な職務内容や責任についてまとめられた実務指針です。居住用不動産の処分において「家庭裁判所の許可を得ないで行った処分行為は無効となる」という法的なリスクや、成年後見制度が「本人の利益を保護するためのもの」であるという前提条件を支える重要な裏付けとなっています。
URL:https://www.courts.go.jp/fukuoka/vc-files/fukuoka/file/30602002.pdf
・国税庁 タックスアンサー「No.3302 マイホームを売ったときの特例」
マイホーム(居住用財産)を売却した際の「3,000万円特別控除」に関する税務上のルールです。自己判断で手続きを遅らせた際のリスクとして記事に盛り込んだ「住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る」という厳格な期限の根拠となっています。
URL:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm



