
独自のノウハウにより入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、他の不動産会社が取り扱いづらい“お困り物件”を解決に導いてきた不動産・用地開発のスペシャリスト、株式会社エスエイアシストがお届けする“お困り物件”コラム、第130回目は「国道沿いの土地が売れない」です。
「相続や資産整理で、国道沿いの土地をどうしていいか分からない」「固定資産税だけが出ていくばかりで活用できない」その不安、よく分かります。国道沿いの土地を住宅活用するには、デメリットばかりで焦ってしまいがちです。
今回の記事では、国道沿いの土地が売れにくい理由を「居住性」だけで判断する罠と、今ある条件でできる工夫によって、現実的な選択肢を「5つの視点」と「3つの出口」でいっしょに見ていきます。読み終えるころには、現状から脱却するために今日から試せる小さな一歩が見つかるはずです。ぜひ最後までお付き合いください。
国道沿いの土地が売れない理由とは?

「国道沿いの土地」とは「ロードサイド」とも呼ばれ、「中心市街地から少し離れた幹線道路に面し、車両の交通量が多く、騒音・排気ガス・振動の影響を受けやすい土地(立地)」です。そのため、宅地利用を前提に売却活動をすると、「固定資産税だけが出ていくばかりでうまく活用できない」と悩んでしまう所有者さんは多いです。
たしかに国道沿いの土地は、一般的に「売れない」と考えられがちです。その理由は以下のようなものがあります。
①騒音と振動がある
まず、走行音やトラックの通過音、ブレーキ音が室内に届きやすく、昼夜問わず静けさを求める層には敬遠されがちです。振動も家具の揺れや窓のビビりとして体感され、居住満足度を下げます。
②空気環境が悪い
つぎに、交通量が多いと排気ガスや粉じんの影響を受けやすく、洗濯物や外壁の汚れが気になりやすい傾向があります。窓を開け放つことに抵抗があり、換気の仕方に工夫が必要です。
③人目が気になる
そして、国道に面しているため歩行者やドライバーの視線が気になり、カーテンを閉めがちになります。バルコニーの使い方やプライバシー確保に配慮がいりますし、ときに話し声が気になることもあります。
④建築制限の可能性がある
さらに、用途地域や斜線制限、騒音対策のためのサッシ仕様など、計画に影響する条件が付きやすい立地です。車両出入口の位置や歩道の切り下げや排水の可否がネックになる場合もあります。
⑤体調への懸念がある
さいごに、音や振動に敏感な方、呼吸器に問題のある方、小さなお子さまや在宅時間の長い方はストレスを感じやすく、居住の選択肢から外れることがあります。将来的な健康面の不安として敬遠されやすい要素です。
ここまで見ると「やっぱり売却には不利…」と感じますが、評価の軸をどう持つかが大切なポイントといえます。
国道沿いの土地が売れない理由とは?
「国道沿いの土地」とは「ロードサイド」とも呼ばれ、「中心市街地から少し離れた幹線道路に面し、車両の交通量が多く、騒音・排気ガス・振動の影響を受けやすい土地(立地)」です。そのため、宅地利用を前提に売却活動をすると、「固定資産税だけが出ていくばかりでうまく活用できない」と悩んでしまう所有者さんは多いです。
たしかに国道沿いの土地は、一般的に「売れない」と考えられがちです。その理由は以下のようなものがあります。
①騒音と振動がある
まず、走行音やトラックの通過音、ブレーキ音が室内に届きやすく、昼夜問わず静けさを求める層には敬遠されがちです。振動も家具の揺れや窓のビビりとして体感され、居住満足度を下げます。
②空気環境が悪い
つぎに、交通量が多いと排気ガスや粉じんの影響を受けやすく、洗濯物や外壁の汚れが気になりやすい傾向があります。窓を開け放つことに抵抗があり、換気の仕方に工夫が必要です。
③人目が気になる
そして、国道に面しているため歩行者やドライバーの視線が気になり、カーテンを閉めがちになります。バルコニーの使い方やプライバシー確保に配慮がいりますし、ときに話し声が気になることもあります。
④建築制限の可能性がある
さらに、用途地域や斜線制限、騒音対策のためのサッシ仕様など、計画に影響する条件が付きやすい立地です。車両出入口の位置や歩道の切り下げや排水の可否がネックになる場合もあります。
⑤体調への懸念がある
さいごに、音や振動に敏感な方、呼吸器に問題のある方、小さなお子さまや在宅時間の長い方はストレスを感じやすく、居住の選択肢から外れることがあります。将来的な健康面の不安として敬遠されやすい要素です。
ここまで見ると「やっぱり売却には不利…」と感じますが、評価の軸をどう持つかが大切なポイントといえます。
居住性だけに注目するとミスマッチを起こす?
それでも昔から住んでいる人からすれば、そんな環境に「慣れている」ため、国道沿いのメリットも感じているかもしれませんね。
・交通アクセスが良い:主要道路にすぐ出られ、通勤や買い物の移動時間を短縮しやすい
・商業施設が集まりやすい:ドラッグストアや飲食店が近く、日常の用事が片付きやすい立地
・日照や通風が良い場合がある:前面が広い道路のため、遮る建物が少なく明るさや風通しが期待できる
ただ、そんな土地を売りたいと考えたとき、一般的な買い手からすれば、「静けさ・プライバシー・子育て環境」を重視するため、どうしても評価が厳しくなりがちです。住宅前提で探すほど別の比較対象に負け、内見数も増えにくくなります。
一方、商用に視点を変えれば国道沿いの土地でも、メリットはたくさんあります。
・ロードサイドの視認性:車から看板が見つけやすく、集客に直結しやすい
・車の導入性:信号や中央分離帯の位置しだいで入りやすく、売上に寄与しやすい
・集客性:交通量の多さは潜在客の多さであり、適合する業種なら安定した来店が見込める
ただ、それも一般的な住宅需要の買い手ばかりを探していると、これらの強みが伝わらず、魅力が正しく評価されません。ターゲットを切り替えない限り、時間だけが過ぎてしまいます。
つまり、国道沿いの土地が売れないのは「居住性だけ」と注目してしまうと、ミスマッチを起こして、買い手層の母数を狭めてしまうのです。商用の視点も加え、用途と価格の考え方を切り替えることが近道になります。
都心と郊外で変わる考え方とは?

続いて、土地の条件に応じた用途の考え方を、商用利用を念頭に立地別に整理します。都心部とやや郊外とでは、需要のあり方が根本的に異なります。
①都市部の考え方
・人が歩いて来やすい、電車やバスも使われやすい
・車での来店が少なくても成り立つお店や施設(物販、クリニック、テイクアウトなど)との相性が良い
・1階は店舗で上階はオフィスや住まい、のような縦に使う発想が合う
・ポイントは駐車台数ではなく「歩いている人の多さ」と「看板の見えやすさ」
②やや郊外の考え方
・車での来店が中心なため、道路から入りやすいこと(右左折のしやすさ、近くに信号があるか、中央分離帯の有無)が売上に直結する
・平面の駐車場を取りやすいので、ドラッグストア、飲食(ドライブスルー)、ホームセンター、トランクルーム、月極駐車場などがはまりやすい
・近くに住む人が少ない場所では、見込める売上(=出せる家賃)も控えめになりがち
③共通した考え方
・「用途地域(この場所で建ててよい建物の種類のルール)」をチェックする
・「建ぺい率・容積率(敷地に対して建てられる広さの上限)」も確認すると、建物計画の現実味がでる
要するに、都心部は「歩行者と看板の見えやすさ」を軸に、上に重ねる使い方で価値を見出し、やや郊外は「車の入りやすさ」と「駐車台数」を軸に、ロードサイド向けの用途で価値を見出します。
やや郊外の国道沿い140坪「ちょうど悩ましい規模」を抱えたケース!
具体的な対策の前に、弊社での国道沿いの土地の取引事例をご紹介します。
ご相談者さまは資産整理の一環で、やや郊外の国道沿い約140坪の整形地(交差点間近の角地、測量済み・更地渡し)をお持ちでした。固定資産税の負担を感じつつも、「事業用にしては小さく、住宅用にしては少し大きい。買い手が見つかるだろうか」と不安を抱えていました。
まず、市場の「常識」が壁になっていました。飲食大手やコンビニなどロードサイドの有力テナントは、200〜300坪以上を好条件とすることが多く、140坪では駐車台数や動線計画に制約が出ます。
一方で住宅用途には持て余しがち…、その狭間で「売れない」感覚が強まりがちです。さらに「国道・県道沿いは仕入れない」「これより郊外の北側は対象外」といった方針の業者もあり、声をかけられる先が限られていました。
しかし、現地には「プラスの手掛かり」が揃っていました。角地ゆえの導入性、国道沿いならではの視認性、整形地によるレイアウト自由度、そして測量済み・更地渡しという安心材料。弊社はこれらを丁寧に拾い上げ、「規模のハンデ」を立地の強みで補える買主像を具体化。
その上で、条件が合う業態の例と角地の利点で「面積だけで判断されがちな懸念」を払拭し、結果として(仲介業者さま経由のため詳細は非公開ですが)弊社の提示金額は候補の中で最も高く、ご相談者さまからも「想定より前向きな条件で進められた」とご満足の声をいただけました。
学びとして「国道沿いの土地が売れない」背景には、規模と用途のミスマッチが潜みます。ただし本件のように、「安心と使いやすさ」を揃えれば、適切な買主に届きます。それが停滞から一歩抜け出す近道です。
5つの視点で現状から脱却する!
では、条件に応じて5つの視点を持つことで、現状から脱却できるかもしれません。国道沿いの土地を「売れない」から「売れやすく」へ変えて行きましょう。
①現地調査と法規の確認
まずは基本に立ち返り、土地のポテンシャルを正確に把握します。現地調査では、「地域性(周辺の人口動態や商業施設の繁盛具合)」「導入性(中央分離帯の有無や右折進入の可否など、車の入りやすさ)」「画地条件(土地の形状や間口の広さ)」という3つの評価軸でチェックすることが重要です。平日・休日、時間帯によって、交通量や人の流れを改めて客観視。同時に、役所で用途地域や建ぺい率・容積率、条例による制限などを再確認し、「何ができて、何ができないのか」を明確にします。
②小さく収益化し賃料実績を作る方向性も検討
すぐに買い手が見つからない場合、活用しないままでは固定資産税の負担だけが続きます。月極駐車場やコインパーキング、資材置き場など、初期投資の少ない方法で一時的に貸し出し、収益化を図るのも一手です。たとえ少額でも「賃料実績」は、将来的に投資家へ売却する際の有力なアピール材料になります。ただし、過去に居住用の建物があった土地で、当該建物を解体から売却までの間に、居住用以外の用途に使用すると、税制上の優遇を受けられなくなる可能性があるので注意。
③販路を広げる方法を模索
そして、住宅の買い手だけでなく、事業用テナント・投資家・隣地所有者さんへも声をかけます。仲介と同時に買取査定も取り、価格と期間のバランスを早めに把握して「待ちすぎ」を防ぎます。また、出店意欲のあるコンビニやドラッグストア、飲食店などの本社の開発担当部署に、直接アプローチしてみるのも有効な手段です。
④データをもって値付けを補強
ときに、「このくらいで売りたい」という希望だけでなく、客観的なデータに基づいた価格設定が買い手を引き寄せます。近隣の住宅地と事業用地の取引事例、路線価、公示価格はもちろんのこと、想定される業種の売上予測から逆算した賃料相場などを提示できれば、価格交渉を有利に進められます。
⑤税務と制度の落とし穴を理解
注意すべきは、安易な判断によって使えたはずの制度を取り逃がすこともあります。土地の売却には、譲渡所得税などの税金がかかります。売却のタイミングや方法によっては、利用できる特例や控除があるかもしれません。事業に一時的に使ったり、時期を逸したりすることは避けます。事前に税理士などの専門家に相談し、手残りが最大化するプランを検討しておきましょう。
これらの5つの視点を並走させ、その上で取捨選択することで、現状を脱却するとともに、国道沿いの土地の価値を最大化できるものと思います。
「3つの出口戦略」と買取という最後のカード!
さいごに、出口を三択で明確にします。
①隣地所有者へ売却する
もし隣地が更地であったり、小規模な建物が建っていたりする場合、あなたの土地と一体化させることで、より大きな、形の整った土地として活用できる可能性があります。隣地所有者さんにとっては土地の価値を高めるチャンスであり、相場より高値での売却が期待できるケースもあります。
②賃料実績を作って投資家へ売却する
前述の通り、税制上の留意点を理解した上で、駐車場などの賃料実績を築いた後、その土地を「収益物件」として投資家に売却する戦略です。想定利回りが算定しやすくなるため、投資家は事業計画を立てやすく、買い手がつきやすくなります。安定したインカムゲイン(定期的に得られる収益)を求める投資家層にターゲットを絞ってアプローチできます。
③現状のまま不動産買取を利用する
さいごに、不動産買取です。仲介で売却活動をしても買い手が見つからない、あるいは早く現金化したい場合や確実な取引をしたい場合に有効なのが、不動産業者に直接買い取ってもらう方法です。仲介に比べて価格は低くなる傾向がありますが、それを補う大きなメリットがあります。
特に、期間と手間の最小化を最優先する場合、「不動産買取」が最後のカードです。
・手間や資金の手出しを少なく、精神的な負担も軽減できる
・売却後の「契約不適合責任(契約内容と相違があった場合の売主責任)」が免責されることが多く、将来のトラブルを回避できる
・測量や解体などが必要な場合でも、現状のまま引き渡せるケースがほとんど
不動産仲介と同時並行で活動し比べ、期限を決めて最適解を選べば、固定資産税の負担と管理コストを確実に縮小できます。
まとめ
今回の記事では、国道沿いの土地が売れにくい理由や、現実的な選択肢を「5つの視点」と「3つの出口」で一緒に見ていきました。
「国道沿いの土地」とは、「中心市街地から少し離れた幹線道路に面し、車両の交通量が多く、騒音・排気ガス・振動の影響を受けやすい土地(立地)」です。
一般的に「売れない」理由は以下のようなものがあります。
①騒音と振動がある
②空気環境が悪い
③人目が気になる
④建築制限の可能性がある
⑤体調への懸念がある
居住用としての国道沿いの土地のメリットは、「交通アクセスが良い・商業施設が集まりやすい・日照や通風が良い場合がある」があるものの、一般的な買い手からすれば、「静けさ・プライバシー・子育て環境」を重視するため、どうしても評価が厳しくなりがちです。
一方、商用としての国道沿いの土地のメリットは、「ロードサイドの視認性が良い・車の導入性が良い・集客性がある」があるものの、一般的な住宅需要の買い手ばかりを探していると、これらの強みが伝わらず、魅力が正しく評価されません。
つまり、国道沿いの土地が売れないのは、「居住性だけ」と注目してミスマッチを起こし、買い手層の母数を狭めていることにあります。
続いて、商用利用を念頭に立地別に整理すると、都心部は「歩行者と看板の見えやすさ」を軸に、上に重ねる使い方で価値を見出し、やや郊外は「車の入りやすさ」と「駐車台数」を軸に、ロードサイド向けの用途で価値を見出します。なお、「用途地域」や「建ぺい率・容積率」も確認すると、建物計画の現実味がでます。
具体的には、以下の5つの視点を持つことで、「売れやすく」なり現状から脱却し、国道沿いの土地の価値を最大化できるかもしれません。
①現地調査と法規の確認
②小さく収益化し賃料実績を作る方向性も検討
③販路を広げる方法を模索
④データをもって値付けを補強
⑤税務と制度の落とし穴を理解
さいごに、出口を三択で明確にします。
①隣地所有者へ売却する
②賃料実績を作って投資家へ売却する
③現状のまま不動産買取を利用する
特に、期間と手間の最小化を最優先する場合、「不動産買取」が最後のカードです。仲介に比べて価格は低くなる傾向がありますが、それを補う大きなメリットがあります。
・即金性がある
・直接取引で確実性がある
・手間や資金、精神的な負担も軽減できる
・契約不適合責任が免責されることが多い
・現状のまま引き渡せる
不動産仲介と同時並行で活動し比べ、期限を決めて最適解を選べば、固定資産税の負担と管理コストを確実に縮小できます。
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