
独自のノウハウにより入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、他の不動産会社が取り扱いづらい“お困り物件”を解決に導いてきた不動産・用地開発のスペシャリスト、株式会社エスエイアシストがお届けする“お困り物件”コラム、第98回目は「大家を辞めたい人の出口戦略」です。
「なかなか入居者が決まらず苦しい」「修繕費やクレーム対応に限界を感じる」など、思わず「大家を辞めたい…」と呟いてしまう人も少なくありません。実際、トラブルに巻き込まれれば精神的な負担は大きくなり、物件管理や法的な手続きといった時間・労力もかさむため、賃貸業を廃業したいと考えるのは自然の流れかもしれません。
今回の記事は、そうした悩みを抱えるオーナーさん必見です!「大家を辞めたい」と思うようになる主な理由から実際の辞め方、入居者さんに対する交渉などのポイントを分かりやすく解説していきます。さらに、状況に応じた最適な出口戦略についてもご紹介。それによって最適な廃業プランを見つけ、次のステップへ踏み出すきっかけになれば幸いです。ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
「大家を辞めたい!」廃業したい理由とは?

はじめに、多くのオーナーさんが「もう大家業は辞めたい」と思いが至る理由を探ってみたいと思います。不動産経営は、家賃収入という安定感に魅力を感じる一方で、維持管理や手間といった想像以上の負担も伴います。ここでは、代表的な理由の一部を挙げてみます。
①空室リスクとコスト高による収益悪化
まず、賃貸経営で最も大きな課題となりやすいのが「空室リスク」です。入居者さんが決まらない期間が長引くと、家賃収入は激減してしまいます。固定資産税といった税金、ローン返済もあれば、その支払い負担はオーナーさんの肩にのしかかります。一方で、昨今の物価上昇による運用コストの増加しているにも関わらず、家賃を上げられない(入居希望者が減ってしまう)現状にあります。それは、物件の周辺環境や不動産市場の動向によって影響が長く続くことになり、先行きの不透明さから「もう維持していくのは難しい」と感じるのは無理はありません。
②老朽化に伴う修繕コストの増大
つぎに、建物の劣化は避けては通れない問題と言えます。それも、築年数が経過していくと、老朽化とも言うべき状況になることもあります。外壁や屋根の修繕、配管設備の交換、入居者さんの退去後の原状回復など、思わぬ大規模工事が必要になることは珍しくありません。その度に高額費用がかかれば、キャッシュフローは圧迫されることになります。もしも、複数の修繕タイミングが重なるような事態が起こるようなことがあると、「手元の資金が枯渇するかも…」と不安になるでしょう。
③入居者からのクレームやトラブル
そして、不動産投資をはじめた頃のオーナーさんが想像していた以上に、入居者対応はストレスが大きいものです。家賃滞納や騒音問題、入居者間のトラブルなど、それらの対応を誤ってしまえば問題がより深刻化する恐れもあります。特に、クレーム対応は時間を問わず連絡が入る場合もあり、「完全なオフの日が作れない…」そんな気の休まらない日々が続けば、精神的な疲弊に直結していきます。長期的にこうした負担が積み重なると、「限界だ…」と感じてしまうのも自然な流れですね。
④家族構成の変化や相続対策
さらに、家族構成やライフイベントの変化(結婚、出産、介護など)によって、物件の管理に気持ちが割けない、時間や心の余裕がなくなる場面も出てくることがあります。ときに、ご自身の健康問題が発生して、入院するようなケースも人生あるものですね。「いつまでも自身が健在であるかは分からない」と心配になれば、身内での事業継承も考えるようになります。先の相続に向けての対策を考えたとき、「とても家族に引き継げる気がしない…」と思うのであれば、早めに売却や廃業を検討せざるを得なくなるかもしれません。
⑤老化や精神不調に伴う体力・気力の限界
さいごに、ご自身でも高齢になって老化を感じたり、若くても他の仕事との兼業や精神的な不調によって、物件管理や修繕・更新手続きが大きな負担になっていくことがあります。先述したような、クレーム対応に追われて精神的に参ってしまう場合や、健康上の理由から管理が不可能になるケースも考えられます。体力や気力の限界を感じ、「このまま続けていくよりも、いま辞めてしまった方が楽かもしれない…」という思いが芽生えるのは、不自然なことではありません。
状況によって異なる大家の辞め方とは?
このように「大家を辞めたい」と考える理由は多岐にわたります。それでは、実際に辞めるにはどのような方法があるのでしょうか?物件やオーナーさんの状況によって異なる選択肢を見ていきましょう。
①オーナーチェンジでの売却をする
ひとつに、いま住んでいる入居者さんをそのまま引き継ぐ形で物件を売却する、オーナーチェンジでの売却をする方法があります。買主さんは、はじめから具体的な家賃収入が見込めるため、投資用物件としての需要や魅力がある場合は、スムーズに売却できるかもしれません。現オーナーさんからすれば、入居者さんとの契約関係をそのままに不動産譲渡することになるため、手間もお金もかかる立ち退き交渉を行う必要が少ないことが大きなメリットといえます。
ただし、物件の築年数が古く収益性も低かったりすると、希望価格で売れるとは限りません。買主さんが投資家である以上、収益性を理由に値下げ交渉をしてくるため、相場の動向を把握しておくことが重要です。
②管理を委託して実質的には手離れさせる
つぎに、物件の経営状況は悪くなく、実質利回りも確保できているようなケースについて。「物件を手放すのはもったいないけれど、もう入居者の面倒は見きれない」という場合には、管理を外部に任せるのも選択肢です。管理を委託して実質的には手離れさせる、ということです。それは、管理業者さんに家賃回収やクレーム対応、修繕手配などを委託することで、自主管理の比率を減らし、オーナー業務のストレスを軽減することができます。
ただし、管理委託料が家賃収入を圧迫したり、管理会社の質が悪いとトラブルが尽きないことになります。したがって、管理会社の評判・実績や費用対効果を見極めなくてはなりません!
③相続や贈与によって家族に引き継ぐ
同様に、現状で実質利回りが取れていて、経営自体には問題がないのであれば、相続や贈与という形で、家族に物件を引き継ぐ手段もあります。将来的に家賃収入が増える見込みがある物件であれば、家族に喜ばれる場合もあるでしょう。
しかし一方で、税金がどの程度か把握しておらず後から思わぬ出費に困ったり、安易な賃貸経営の継承によって家族が苦しむケースもあり得ます。また、遺産分割協議や税金計算など、法律面・税務面で検討が必要となるケースも多いので、早めに専門家さんに相談しておくとスムーズです。
④物件を用途変更をして利用する
この方法は、実質的には大家業を辞めることにはなりませんが、現在は住居用として賃貸している物件を、用途変更して事務所や店舗向けに転用することも一つの方法です。駅前などといった需要のある立地や間取りであれば、事業用途にリノベーションして新たな賃料形態を狙うことができます。
とはいえ、転用にはリノベーションの工事費用や、消防法・建築基準法などの法的チェックが必要になる場合があるため、起こり得る問題や費用対効果を十分検証することが必要になります。
⑤古屋付き土地もしくは建物を解体して更地売却する
そして、築古物件や著しい老朽化物件である場合、古屋付き土地として建物を取り壊す前提の土地として、もしくは建物を取り壊して更地として、不動産売却をする選択肢も考えられます。一般的には、古屋付きの土地として売りに出す方法よりも、更地にすることで買主さんにとって使い勝手が良くなり、需要が高まる可能性が高いと言えます。
もっとも、解体費用や廃棄物処理費用が高額であること、さらには近隣との調整が必要なことなど、いくつかのハードルは存在します。解体して更地にすると、固定資産税の優遇がなくなることになるため、解体すべきかそのまま売却すべきか、じっくりシミュレーションすることが大切です。
法律上の問題と立ち退き交渉の難しさ!
ただ、賃貸業を廃業しようと思い立っても、法律や契約上の制約や問題が大きな壁になることがあります。特に入居者さんが住んでいる物件の廃業には、借地借家法などの法律が大きく影響することになります。そのため、オーナーが一方的に退去を求められるワケではないので、以下の内容を確認しておきましょう!
①借地借家法は賃借人保護が強い法律
はじめに、日本における借地借家法は、賃借人(入居者)さんの立場を強く保護する法律として知られています。とくに住宅の場合は、入居者さんにとって住む場所が突然なくなってしまうと大変困るワケです。
衣食住の一つが奪われれば、安全・安心の生活の確保できないことはもちろん、社会的にも深刻な影響を及ぼすため、オーナーさんが賃貸借契約を解除するのは容易ではありません。オーナー側の都合だけで退去を求めるのは認められにくく、法的に見て正当事由としての十分な理由が必要になります。
②退去を求める正当事由を立ち退き料
そんな正当事由には、例えば老朽化による建て替えや、オーナーさん自身が住むための切実な必要性が挙げられます。しかし、「経営が厳しいから…」「もう賃貸業を辞めたいから…」というだけでは正当事由としては弱く、不十分なケースが多いのが現実でしょう。
そこで、オーナー側が提案する立ち退き料が、交渉をする上での一つの鍵となっていきます。入居者さんの引越し費用や、新居の敷金・礼金負担など、金銭的補償を提示して合意を得るのです。
③立ち退き交渉の難しさ
とは言え入居者さんからすれば、「住み慣れた場所を離れたくない…」「(近隣住人との)良好な人間関係を壊したくない…」という住み続けたいという思いもあれば、賃借人という強い立場を逆手にとってオーナーさんの足元を見てくることも。それによって、立ち退き交渉がこじれると、時間やコストが想像以上にかかります。話し合いで解決できなければ、裁判にまで発展するケースもあるでしょう。
また、入居者さんの中に生活保護受給者がいる場合、生活確保給付金などの支援を受けているため、行政との調整が必要になれば、立ち退き交渉はさらに複雑になることがあります。
実務的には、専門家(弁護士や不動産会社)さんを間に入れることで、交渉期間を短縮しつつトラブルを最小限に抑える方法を模索していきます。入居者さんの事情を考慮し、誠実な対応を心がけることが円満な合意への近道となります。
④オーナーチェンジは売却価格にシビアな影響がある
前述したように、入居者さんがいる状態のまま賃貸物件を売却するオーナーチェンジであれば、退去を求める必要はほとんどありません。投資家である買主さんは、引き続き家賃収入を見込めるメリットがあるため、購入を検討してくれることになるのです。
ただし、入居者さんとの契約条件やトラブルの有無、投資利回りをしっかりと見込めるのかなど、売却価格にシビアな影響が及んでくる点には注意しましょう。
⑤サブリース契約があるとさらに複雑
中には、一括借上で家賃収入保障をしてもらうサブリース契約を結んでいるケースもあるでしょう。表面上は、維持管理などの手間が減り家賃収入が安定しているように見えますが、契約更新時の賃料減額や契約解除の条件が厳しく設定されている場合が多いです。
先述の通り、日本の借地借家法では賃借人さんの方が強いので、その相手が業者さんであっても同様です。立場を利用して有利に進めようとすることも可能ですので、廃業を検討するときに予想外のトラブルが浮上することがあります。
大家を辞めるタイミングは?

そして、実際に賃貸業を廃業するにあたり、「具体的にいつ辞めるべきか?」というタイミングは悩ましいポイントかと思います。売却するにしても、運良く高値で売却できるときもあれば、不動産市場が冷え込んで買い手さんが見つけられない時期もあるワケです。以下に、よりマストなタイミングを判断する観点を挙げてみます。
①不動産市場の動向
大きな観点で言えば、不動産の売却価格や流動性は、景気や金利、人口動態などに大きく左右されます。不動産市況が好調なときは買い手がつきやすく、不況であれば買い手は慎重になります。
・エリアの動向:地域の将来性によって不動産価値は大きく変動
・経済や金利の推移:金利が上昇局面では融資を受ける買い手が慎重になる
・需給バランスの変化:競合が続々と建設されると既存物件の需要が相対的に下がる
ただし、これに対する捉え方は様々かと思います。もし、「売却価格は見込めなくても問題はないから、とにかく大家業を辞めたいんだ!」と思うのであれば、不況時こそ「キャッシュを溜め込んだ優良投資家さんとのスムーズな交渉が出来る」という考え方もあります(不動産取得価格が低い=投資利回りが高いため)。
②ローン返済や大規模修繕
賃貸経営をするうえでは、ローンの返済計画や修繕コストの見通しがキャッシュフロー(お金回り・資金繰り)に大きく影響します。タイミングを見極めるには、以下の点をしっかり押さえておきましょう。
・ローン残債の影響:物件売却益で借入金を完済できないオーバーローンに陥る可能性
・大規模修繕の予定:そのまま修繕を行うか修繕前に売却してしまうか
・設備故障への備え:経年劣化による突発的な修繕費がかさむリスク
このように、ローン残高や金利、修繕費の見込みなどを踏まえながら、「いま辞めることでどれくらいのメリットがあるのか」「修繕後に売ったほうが利益が出るのか」といったシミュレーションを複数パターンで行い、慎重に判断することが重要です。
③生活の変化や家族のライフイベント
大家を辞めるタイミングは、オーナー自身や家族のライフステージとも密接に関わっています。例えば、結婚や出産などで生活費が増えたり、親の介護や子どもの進学で時間とお金に余裕がなくなったりするケースも想定されます。
・急な資金需要:子どもの学費、医療費、介護費用、経済的トラブルなど
・自主管理が困難:高齢化や病気、長期出張などで物件の管理が難しくなるなど
・相続や事業継承:将来的な納税資金の確保や継承者の有無
先々こうしたイベントが起きたとき、「賃貸経営が重荷にならないか」という視点で考えると、最適なタイミングを見逃しにくくなります。
④入居率や賃料の推移
さらに、賃貸経営での収益性を大きく左右するのが「入居率」と「家賃水準」です。もし以下のような兆候が見え始めているなら、物件価値が下がり続ける前に撤退を検討する選択もあります。
・空室の長期化:賃貸需要が低いエリアになりつつある可能性
・家賃の下落傾向:競合物件の増加や築年数に従って家賃を下げざるを得ない局面
・キャッシュフローの悪化:修繕費や管理費の高騰とローン返済額の増加
「いよいよ赤字が続きそうだ」と感じる段階になると、物件自体の資産価値も落ちていることが多いため、「状況がさらに深刻になる前に思い切って売る」という発想も重要になります。
⑤物件の築年数と税制・法律の動向
最後に見落としがちなのが、物件の築年数と税制・法律の動向です。時代の変化や災害・事故に伴い改正され、物件の築年数が古いほど見えていなかった問題が出てくる可能性が高くなります。その内容によっては、金融機関からの融資を受けなくてはならない買い手さんにとって、選択肢に上がらなくなる場合があります。
・税制改正のリスク:不動産関連税制の変化で優遇措置が縮小や廃止の可能性
・建築基準法などの影響:旧耐震基準などの問題ある物件ほど買い手から敬遠される
・借地借家法への影響も:社会経済情勢の変化に伴う改正で今後も不利になる可能性
社会情勢や政策によって、オーナーさんの負担が増える兆候が見られれば、早めに売却・廃業を検討しておくのも一つの選択。「今はまだ大丈夫」と放置していると、急な法改正や優遇制度廃止で負担が増し、後悔してしまうことも少なくありません。
【大家を辞めたい人必見!】最適な出口戦略とは?
ここまでお話してきた通り、「大家を辞めたい」と一口にいっても、選択肢は複数あります。最終的にどう判断するかは、オーナーさんの優先順位によっても変わるでしょう。デメリットも含めて以下に代表的で最適な出口戦略を解説します。
①管理委託に切り替え手間を減らす
ひとつに、「賃貸物件は手放したくはないけれど、とにかく管理をしたくない!」と思うのであれば、不動産管理会社さんへの委託に切り替え手間を減らす方法があります。管理会社に一任することで、オーナーさんの実務負担を大幅に削減することができます。
メリット:
・クレーム対応や修繕手配を代行してもらえストレスが軽減される
・収益の柱として物件を持ち続けながら他に集中できる
デメリット:
・管理委託料が収益を圧迫する可能性がある
・管理会社の質次第ではクレーム対応やトラブル解決がスムーズに進まない場合もある
この方法は、「物件の将来性はまだある」「売却益より家賃収入を重視したい」といったオーナーさんには適した選択肢ですが、委託先が不誠実な業者だと逆に負担が増すリスクも。とくに、先述したような問題があるため、安易なサブリース契約は避けるべきです。また、管理を委託しても、最終的な意思決定(修繕の規模や改修タイミングなど)はオーナーが判断するケースが多いため、一定の知識や意思決定の労力は残ります。
②リノベーションをして不動産仲介で高値を狙う
つぎに、物件をリフォーム・リノベーションしたうえで不動産仲介業者さんを通じて売却活動し、一般市場の買い手さんを探す方法です。ここでは「できるだけ高値で売りたい」というオーナーさんが意識する手段となり、大きな改修によって物件の印象や機能を向上させます。
メリット:
・リノベーションをすることで物件の付加価値が向上できる可能性
・ターゲットに合わせた改修が成功するば相場以上の価格での売却もできる
デメリット:
・工事費用や期間が必要なため、その間家賃収入が得られずキャッシュフローが悪化する
・想定していた売却価格に届かない場合、かえって損失が大きくなるリスク
つまり、「時間やお金をかけても高値で売りたい」「物件のポテンシャルを活かしたい」という場合の戦略です。ただし、あらかじめ改修費用を見積もり、費用対効果がどの程度見込めるのかを確認することが肝心。また、地元の不動産会社やリフォーム業者としっかり連携し、需要や相場を踏まえた工事内容を決めることが成功のカギとなります。
③古家付き土地として不動産仲介でそのまま売却
そして、建物は手を加えずに「古家付き土地」として売りに出す方法です。いわゆる「現状渡し」の形式で、買主さんは購入後に解体・再建築を自由に行うことになります。
メリット:
・解体費用を負担せずに済むため、初期コストが少なく済む
・そのままの売却で、買主のニーズに応じた使い方を可能でき成約に繋がる
デメリット:
・解体前提の物件とみなされ、売却価格は更地よりも低めに設定されることが多い
・建物の状態が悪く法的瑕疵もある場合は、買主が慎重になり売却が長引くリスク
この方法は、「とにかく解体費用を先に負担したくない」「改装するか更地にするかは買主に任せたい」というオーナーさんに向いています。需要次第ではスムーズに話がまとまることもあるため、事前に複数の仲介業者に査定を依頼し、どの程度の価格で売れそうか見極めるとともに、広く広告を打つことが大切です。
④建物を解体して不動産仲介で売却
さらに、建物が老朽化していたり、用途変更が難しい場合には、あらかじめ建物を解体して更地にしてから不動産仲介を通じて売却する方法も有力です。買主さんとしては、解体後の土地を自由に活用できるため、需要が高まりやすいメリットがあります。
メリット:
・更地にすることで買主のイメージが湧きやすく、早期成約につながる可能性
・解体前提の価格交渉を避けられ、スムーズな売却が期待できる
デメリット:
・解体費用が高額になる場合があり、売却益でその資金回収できるかは未知数
・建物を解体してしまうと固定資産税の優遇がなくなる
解体工事には、業者選びが大切です。トラブルを回避するための近隣との調整をしっかり丁寧に行えることや、適切な産廃処理ができる、費用の見積もりが明確など、よく確認し判断してください。
⑤不動産買取でとにかく早く手放す
ここまでの手法とは異なり、不動産買取業者さんに直接買い取ってもらう方法が不動産買取です。仲介売却と違って買主を探すプロセスを省けるため、「とにかく早く手放したい!」と言うのであれば、最短で売却が成立することがあります。
メリット:
・費用や手間をかけずに業者との直接交渉だけで話が進むため、即現金化できる
・老朽化した建物と立ち退きや家賃滞納問題なども含め、現状そのままを買取可能
デメリット:
・仲介で高値売却を狙う場合と比べると、買取価格はやや低めに設定される傾向
・悪質な対応を避けるために買取業者の選定には注意が必要
デメリットは小さいワケではありませんが、それでも「一刻も早く大家業を辞めたい!」「修繕やクレーム対応のストレスに耐えられない!」という状況であれば、不動産買取は十分に検討する価値のある選択肢といえます。よくよくネット上の評判や実績を確認することで、納得のいく売却ができるハズです。
まとめ
今回の記事は、「大家を辞めたい」と思うようになる主な理由から、状況に応じた最適な出口戦略についてもご紹介していきました。
はじめに、多くのオーナーさんが「もう大家業は辞めたい」と思いが至る理由は以下。
①空室リスクとコスト高による収益悪化
②老朽化に伴う修繕コストの増大
③入居者からのクレームやトラブル
④家族構成の変化や相続対策
⑤老化や精神不調に伴う体力・気力の限界
このように「大家を辞めたい」と考える理由は多岐にわたり、実際の辞め方も状況によって様々。
①オーナーチェンジでの売却をする
②管理を委託して実質的には手離れさせる
③相続や贈与によって家族に引き継ぐ
④物件を用途変更をして利用する
⑤古屋付き土地もしくは建物を解体して更地売却する
ただ、賃貸業を廃業しようと思い立っても、法律や契約上の制約や問題が大きな壁になることがあります。特に入居者さんが住んでいる物件の廃業には、借地借家法などの法律が大きく影響することになります。
①借地借家法は賃借人保護が強い法律
②退去を求める正当事由を立ち退き料
③立ち退き交渉の難しさ
④オーナーチェンジは売却価格にシビアな影響がある
⑤サブリース契約があるとさらに複雑
そして、実際に賃貸業を廃業するにあたり、「具体的にいつ辞めるべきか?」というタイミングは悩ましいポイントかと思います。以下に、よりマストなタイミングを判断する観点を挙げてみます。
①不動産市場の動向
②ローン返済や大規模修繕
③生活の変化や家族のライフイベント
④入居率や賃料の推移
⑤物件の築年数と税制・法律の動向
ここまでお話してきた通り、「大家を辞めたい」と一口にいっても、選択肢は複数あります。大家を辞めたい人必見な最適な出口戦略とはどんなものがあるでしょう?
①管理委託に切り替え手間を減らす
②リノベーションをして不動産仲介で高値を狙う
③古家付き土地として不動産仲介でそのまま売却
④建物を解体して不動産仲介で売却
⑤不動産買取でとにかく早く手放す
デメリットは小さいワケではありませんが、それでも「一刻も早く大家業を辞めたい」という状況であれば、不動産買取は十分に検討する価値のある選択肢といえます。
私たちエスエイアシストも不動産買取業者のひとつです。入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、困ってしまう“訳あり物件”のご相談を数々と解決してきた実績があります。ぜひ他社さんと比較して頂ければと思います。難しい物件をお持ちでお困りの方は、一度エスエイアシストにご相談ください!お待ちしています。
