独自のノウハウにより入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、他の不動産会社が取り扱いづらい”お困り物件”を解決に導いてきた不動産・用地開発のスペシャリスト、株式会社エスエイアシストがお届けする”お困り物件”コラム、第53回目は「不動産リースバックの注意点」です。
「今の家に住み続けたいけれど、まとまった資金が必要になってしまった…」と、自宅売却を検討している方へ。リースバックはそんなときに考慮すべき選択肢の一つです。「でも、悪徳業者が多いと聞いた」とか、「なんだか難しそう…」とか、不安になる気持ちがありますよね?
今回の記事では、不動産リースバックの利用にあたっての注意点や、利用に向いている人とはどんな人なのか、そして何より、「まさかのトラブルを回避するためには、業者さん選びがキモ!」ってところを深掘りしていきます。ぜひ最後まで読んでいってみてくださいね。
住宅のリースバックとは?
長年、持ち家に住んでいると、様々なことが起こります。ライフスタイルの変化があったり、まとまった資金が必要になってしまったり、などなど。特にお金周りは精神的につらいですよね!そんなときに、資金を調達する方法の一つに「リースバック」があります。
住宅の「リースバック」とは、所有する自宅を不動産業者さんに売却し、と同時にその業者さんと賃貸契約を結んで、その後もそのままその自宅に住み続けることができる仕組みです。用途が自由な現金を得られながらも、引っ越しをする必要がないってことです。また当然、住宅ローンや固定資産税などの支払いがなくなりますが、家賃を支払うことになります。このあたりの詳細は後述しますね!
一方で、混同されやすい言葉に「リバースモーゲージ」があります。こちらは高齢者さんの資金需要に対応するもので、所有の自宅を担保に融資を受けて当面の生活費を確保し、その後の所有者さんの死亡(もしくは自宅不動産売却)をもって債務を精算します。
要するに資金の調達方法が、リースバックは売却益、リバースモーゲージは借金ということですね!
住宅のリースバックのメリット!
では、住宅のリースパックの具体的なメリットについて解説していきます。
生活していると、以下のような資金ニーズがあるワケです。
・住宅ローンの支払いが厳しくなってきた
・子供の教育資金や事業資金などにまとまった資金が必要
・老後の資金を確保したい
・相続対策で親族が揉めないためにも現金化したい
・次の住まいに移るまでの繋ぎの時間と資金が必要
などなど。
これらのニーズを満たすための、リースバックにおけるメリットは何でしょうか?
①即現金化・使用用途不問
まずはコレ。通常、不動産の売却には数ヶ月以上がかかります。その点、リースバックであれば、不動産業者さんとの直接取引なので、即現金化が可能です。また、その売却で得た資金は使用用途が不問です。融資であれば金融機関さんによって条件の縛りがあることがありますが、リースバックではそれがありません。住宅ローンの返済はもちろん、学資でも老後資金でも、多岐に使用できます。
②居住維持(引っ越し不要)
つぎに、売却後も同じ家に住み続けることができます。「子供が中学を卒業するまで」とか、「老人ホームに入所するまで」といった繋ぎとする場合もあります。また、プライバシー保護の観点から、自宅売却を近所に知られないで済むということもあるでしょう。そう、引っ越し不要ということですね。
③買い戻し可能
そうして住み続けたのち、契約内容によっては、リースバックによって売却した自宅を、将来的に買い戻すことも可能です。例えば、事業資金として使っていたが資金繰りに目処がついたので、事業で得た収益で買い戻す、といった感じです。買い戻し価格は契約時に設定することもできますが、将来の資金状況に合わせて検討できる場合も!
④金銭的・精神的負担軽減
さらに、住宅ローン残債がなくなるし、固定資産税などの税金も納める必要もなくなります。また、相続において不動産は家族で揉めやすいところ、現金化しておけば安心かもしれません。金銭的にも精神的にも、負担を軽減することができます。
⑤年齢制限・保証人不要
さらにさらに、リースバックには年齢制限もありませんし、融資ではないので保証人もいりません。例えば、一般に高齢で返済の見込みがなければ融資は受けられませんが、そういうワケでもありません。借金ではない生活資金を確保することができます。
住宅のリースバックのデメリット!
ただ、もちろん住宅のリースバックにはデメリットもあります。自宅の売却後もそのまま住み続けることのできることは魅力的ですが、甘い言葉ばかりに惑わされず、デメリットもしっかり抑えましょう!
①相場よりも30〜50%安い売却価格になる
一番のデメリットはコレ。安い売却価格になります。なぜなら、不動産業者さんからすると、この取引によってキッチリ利益を取らなくてはなりません。将来的な家賃や売却によって儲けを出すためには、相場よりも30〜50%安い売却価格でしか買うことができないんです。
②相場より家賃が高額になる可能性がある
また、リースバックの家賃は周辺の家賃相場よりも高額になる可能性があります。さらに、周辺の不動産相場が上がったり、修繕コストの増加によって、家賃の上昇リスクも考えなくてはなりません。
③高額な買い戻し価格になる
不動産業者さんの利益を考えると、リースバックを利用した自宅を買い戻そうとする際にも、それらは影響します。買い戻すための金額というのは、当然、当初の売却価格よりも高額になります。例え契約時に買い戻し条件を設定できていたとしても、買い戻しは困難である可能性も考慮しなくてはなりません。
④買取額よりローン残債が多いと契約できない
そして、そもそも契約ができないケースもあります。不動産買取額より住宅ローンの残債が多いとリースバックの契約はできません。これはローンを貸している金融機関さんが、自宅を担保として設定している抵当権の解除に難色を示すからです。
⑤賃貸借契約の期間に注意が必要
さいごに、リースバック後の賃貸借契約の期間に注意が必要です。賃貸借契約には、「普通借家契約」と「定期借家契約」があります。普通借家契約であれば、基本的には長期的に住み続けることができますが、定期借家契約となると、希望していても住み続けられない場合や、家賃を上げられる場合があります。
住宅のリースバック活用事例
というワケで、住宅のリースバックの活用事例をご紹介!
①有料老人ホームの入居までの繋ぎ
高齢になり自宅で暮らすことに限界を感じ、有料老人ホームへの入居を希望した。とても気に入った老人ホームがあったが、現在満室であったことや高額の入居一時金が必要であった。リースバックを利用することで、空室がでるまで自宅に住み続けつつ、入居一時金の資金の確保ができた。
②両親との同居のための実家の建て替え資金を捻出
高齢になる両親と同居するため、実家の建て替えを決意した。それには現在住んでいる自宅を売却して建て替え資金を捻出しなくてはならないが、建て替えの一年間という短期間に、知らない土地で家を借りるのもどうかと悩む。リースバックを利用することで、そのまま自宅で両親と同居しつつ、建て替えすることができた。
③離婚後の子供の通学を考えつつ財産分与
離婚することになり、妻と子供を置いて家を出ることに…。自宅をすぐに売却することも考えたが、子供の通う小学校を変えるのは可哀想に思い、「せめて小学校を卒業するまでは、そのままココで住ませてあげたい」と考えた。リースバックを利用することで、子供の通学を考えつつ財産分与することができた。
住宅のリースバックでの注意点とは?
一方で、住宅のリースバックでの取引には注意点があります。
①不利な契約と違約金
ひとつに、不利な契約と違約金には気を付けましょう。契約内容を十分に理解しないまま進めると、予想外に高額な違約金を請求されるケースがあります。これは特に、契約解除時や契約条件の変更を求めた際に問題になります。契約書の分かりづらい部分に、不利な条件がある場合も考えられます。事前に契約書を取り寄せてチェックしたり、必要に応じて専門家さんに相談も検討!
②過小評価と高額家賃
また、リースバックの契約では、不動産の売却価格が市場価格よりも過小評価されたり、売却後に払う家賃が周辺地域とかけ離れた金額だったりする場合があります。もちろん先述のとおり、業者さんとしての利益を取らなくてはならない部分もありますが、あまりにもバランスを欠く条件には注意が必要です。ご自身で事前に相場感を養っておくなど、必ず対策しましょう。
③悪質な業者であっても違法とは限らない
さらに難しいのは、「悪質な業者であっても違法とは限らない!」ということ。一方的に利用者さんが不利になるリースバック契約が問題になっていますが、これらの行為が必ずしも法外とは言いづらいことがあります。そのため、不動産業者さんの信頼性や契約内容を慎重に確認し、不明点や疑問点があれば第三者の専門家さんに相談しましょう。
トラブル回避には業者選びがキモ!
その他、リースバック利用後に、「断りなく第三者に売却された!」とか、「売却した業者が倒産してしまった!」とか、「こちらが売却する立場なので、消費者保護制度であるクーリングオフが使えない!」とか、予期せぬ問題が生じることがあるため、こういったトラブルの回避をするにも、やはり不動産業者さん選びがキモとなります!
信頼できる不動産業者さんを見つけるには、どんなことに気をつければ良いでしょうか?ポイントを以下にまとめます。
・実績と経験:特にリースバックに対する豊富な実績と経験が重要です。
・国土交通省の登録:法令に基づく登録状況を確認します。
・担当者の対応力:誠実な対応や相性も大切です。
・複数業者の比較:条件やサービスを比較して相見積もりも取りましょう。
・口コミと評判:他の利用者や地域の評判も参考にします。
と、ここまでは一般的な不動産業者さん選びの基本です。住宅のリースバックを利用するにあたって、下記について明快な回答を得られる業者さんを選びます。
①売却価格と家賃
まず、売却価格が市場価格に対して適正かどうかと、払うべき家賃とのバランスを確認します。明確であり予算に合理的かつ持続可能か判断します。
②賃貸期間と更新
次に、賃貸借契約の内容が、普通借家なのか定期借家なのか、賃貸期間はどれくらい想定していて更新料はいくらなのか、確認していきます。ご自身の退去時期が明確なら、定期借家にすることで好条件を引き出せるかもしれません。
③修繕費の負担
そして、賃貸期間中の修繕費の負担や、メンテナンスの責任が誰にあるのかを明確にして、予期せぬ出費を避けられるようにします。
④退去時の条件
さらに、賃貸契約途中で退去する場合や、契約更新しない場合、それぞれの退去における条件を確認します。
⑤買い戻し条件
最後に、将来的に自宅を再購入することを考えるなら、買い戻しにはハードルが非常に高い点を理解した上で、買い戻し価格や条件についてよく話し合い、実現可能なオプションであることを確認します。
これらの側面を慎重に考慮し、評判の良い実績ある不動産業者さんを選ぶことで、複雑な契約であるリースバックのリスクを、大幅に減らすことが可能です!
ちなみにですが、私たちエスエイアシストでは、今回のようなリースバックの実績があります。本サイトでは「買取情報」として過去の取り引きを紹介していますので、ぜひチェックをしてみてくださいね!
まとめ
今回の記事では、不動産リースバックの利用にあたっての注意点や、利用に向いている人とはどんな人なのか、そして何より、「まさかのトラブルを回避するためには、業者さん選びがキモ!」ってところを深掘りしました。
住宅の「リースバック」とは、所有する自宅を不動産業者さんに売却し、と同時にその業者さんと賃貸契約を結んで、その後もそのままその自宅に住み続けることができる仕組みです。
一方で、混同されやすい「リバースモーゲージ」とは、所有の自宅を担保に融資を受けて当面の生活費を確保する借金です。
住宅のリースバックによるメリットは以下。
①即現金化・使用用途不問
②居住維持(引っ越し不要)
③買い戻し可能
④金銭的・精神的負担軽減
⑤年齢制限・保証人不要
住宅のリースバックのデメリットは以下。
①相場よりも30〜50%安い売却価格になる
②相場より家賃が高額になる可能性がある
③高額な買い戻し価格になる
④買取額よりローン残債が多いと契約できない
⑤賃貸借契約の期間に注意が必要
住宅のリースバックの活用事例をご紹介!
①有料老人ホームの入居までの繋ぎ
②両親との同居のための実家の建て替え資金を捻出
③離婚後の子供の通学を考えつつ財産分与
一方で、住宅のリースバックでの取り引きには注意点があります。
①不利な契約と違約金
②過小評価と高額家賃
③悪質な業者であっても違法とは限らない
その他、リースバック利用後に、
「断りなく第三者に売却された!」
「売却した業者が倒産してしまった!」
「こちらが売却する立場なので、消費者保護制度であるクーリングオフが使えない!」
といった予期せぬトラブルを回避するには、不動産業者さん選びがキモとなります!
信頼できる不動産業者さんを見つけるポイントは以下。
・実績と経験:特にリースバックに対する豊富な実績と経験が重要です。
・国土交通省の登録:法令に基づく登録状況を確認します。
・担当者の対応力:誠実な対応や相性も大切です。
・複数業者の比較:条件やサービスを比較して相見積もりも取りましょう。
・口コミと評判:他の利用者や地域の評判も参考にします。
さらに、住宅のリースバックを利用するにあたっては、下記について明快な回答を得られる業者さんを選びます。
①売却価格と家賃
②賃貸期間と更新
③修繕費の負担
④退去時の条件
⑤買い戻し条件
これらの側面を慎重に考慮し、評判の良い実績ある不動産業者さんを選ぶことで、複雑な契約であるリースバックのリスクを、大幅に減らすことが可能です!
私たちエスエイアシストでは、入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、困ってしまう”訳あり物件”のご相談を数々と解決してきた実績のある会社です。今回のような様々な資金ニーズに答えられる「リースバック」についても、多くの物件を取り扱ってきました。もしご検討されているなら、ぜひご相談ください!お待ちしています。