【セットバック必須!?】不利な土地売却でも賢く売る方法とは?

独自のノウハウにより入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、他の不動産会社が取り扱いづらい”お困り物件”を解決に導いてきた不動産・用地開発のスペシャリスト、株式会社エスエイアシストがお届けする”お困り物件”コラム、第48回目は「セットバック必須の土地売却」です。
土地の前面道路が幅員4m未満の場合、建築基準法に基づいて、新しく建て替える時には道路幅を広げなくてはなりません!そのために敷地の一部を道路として、後退させることを「セットバック」といいます。当然、建物を建てられる面積は狭くなったり、土地の形が悪くなったりするのですが、その決まりから逃れる術はないのです!そんな不利な土地の所有者さんにとって、もし土地の売却を考えるなら、「どうやって売ればいいのか?」「セットバックによって売却価格はどう変わるのか?」などと、疑問や不安は尽きないですよね!
この記事では、そんなセットバックが必須で、不利な条件の土地の売却を考えている土地所有者さんに向けて、賢く売る方法をご案内します!セットバックの基本から売却のコツ、さらには法律上の注意点に至るまで、一連のプロセスを詳しく解説していきます。ぜひ、最後までお付き合い下さいませ!

お困り物件買取事業

セットバックとは?その目的!

不動産売却に際して「セットバック」は重要な要素です。「セットバック」とは、道路側の土地の一部を建築基準法が定める「道路幅員の確保」のために後退させることを指します。言い換えると、土地と道路の境界線から一定の距離をとり、建築可能な部分を後退させると言うことです。

何故そんなことをするのか?それは建築基準法において、新しく建物を建てるためには、その敷地が前面道路に一定以上接していることを義務付けているからです。これが「接道義務」と呼ばれるもので、具体的には、「幅員4m以上の道路に2m以上」接しなければなりません。この法律は、緊急車両の進入路の確保や、日照・通風といった住環境の質の向上などを目的にしています。その目的を達成するために、4m未満の道路は4m以上になるよう是正が必要ということです。

とは言え、法律施行前に建てられたような古い建物については、「すぐに取り壊して、建て替えろ!」とは流石に国は言えないワケで、そこで「次に家を建てるときには道路幅を確保してねー」としたんですね。
では具体的にどの程度、後退しなくてはならないのか?それはケースによって違いがあります。

①向かいにも建物が建っている場合
まず、向かいにも建物が建っている場合は、道路の中心線から2m以上後退します。当然、そこを駐車スペースにしたり、塀なんかを建ててはいけません。

②向かいが崖や川などの場合
次に、向かいが崖や川などの場合、向こうの道の端から4m以上後退するので、上記のように半分ずつ向かいの家と折半とはいきません。

③向かいの建物はセットバック済みの場合
最後はコレ。向かいの建物がすでにセットバック済みの場合です。現状の道路の中心線から2mではないので注意!それでは4m以上は確保できません。正しくは、向かいの建物がセットバックする前の、過去の道路の中心線から2m以上です。

ただし、各自治体によって多少の違いがあるようなので、どれだけ後退すればいいのか、必ず確認します。

セットバックにはお金も手間もかかる!

そんなセットバックですが、それを実施する際には多くの手続きと、それに伴うお金と手間もかかります!以下に、セットバックに関する主要な工事や手続き、それらにかかるコストについて詳しく説明します。

①測量
まず、セットバックを行う前に土地の境界や面積を正確に把握する必要があります。そのために測量士さんに測量を依頼します。測量費用は、測量の範囲や複雑さや境界立会の有無によっても異なります。

②道路舗装
セットバック後の部分は道路として利用されるため、舗装工事を行う必要があります。長さや幅、アスファルト舗装やコンクリート舗装など、工事の方法によってコストは異なります。

③塀の撤去
そして、セットバックした部分に塀がある場合は、その塀も撤去しなくてはいけません。工事費は塀の種類や大きさによって異なりますが、堅固なものは意外と高額です。

④電柱移設
さらには、セットバックした部分に電柱が残ってしまうなら、電柱も移設する必要があります。移設工事では、電柱の撤去と設置、電線の引き直しをします。

これらは、基本的には自腹です。何か腑に落ちないかも知れませんが、自腹。ただ、各自治体によっては助成金を出しているので、しっかり確認します。

そして、セットバックして道路になっても、実は所有権は残ります。でも、私的利用はできません。「えっ?」となりますよね?それどころか、固定資産税や都市計画税もかかります。免除されません。
ただ、ご安心を!各自治体に非課税申請をするか、登記によって地目変更を行うかということになります。

セットバックすると有効宅地面積が減る!?

そうして、セットバックした土地には、以前のような規模の建物を建てることができなくなります。「有効宅地面積」と言って、宅地として利用できる面積が減少するのです。
都市計画法では、その土地の用途地域などに応じて、建ぺい率(敷地面積に対して建築できる面積の割合)や容積率(敷地面積に対して建築できる延べ床面積の割合)、及び斜線制限(境界線からの距離に応じた建物の高さ制限)が決められています。
100㎡の整形の土地があったとして、1mセットバックしなければいけないとすると、実に一割にあたる約10㎡の有効宅地面積が使えなくなります。これが、非整形地(形が歪な土地)や狭い土地の場合は、その影響が大きいことも!デットスペースができて、数字以上に使えない面積が増えたり、最悪は住宅には適さないくらいの面積になることもあり得ます。

参考までに、国土交通省の出している「住生活基本計画における『水準』について」という資料で、「世帯人数に応じて、豊かな住生活の実現の前提として多様なライフスタイルに対応するために必要と考えられる住宅に関する水準」として、一般地域における戸建住宅居住を想定した面積を示しています。
(1)単身者 55㎡
(2)2人以上の世帯 25㎡ × 世帯人数 + 25㎡

さらに、各自治体によってマチマチですが、23区の一部では60㎡を下回ると、建築できない、認めてもらえない、ということになります。

セットバックで不利な土地でも賢く売る方法とは?

このように、セットバックが必須な土地の様々な費用負担は、基本的に売主である所有者さんが負担することになります。そして、セットバックによって有効宅地面積が減少してしまうデメリットもあります。ただ、これは考えようによっては、前面道路が「みなし道路(2項道路)」であるため、幅員4m以上の道路に現状は接していなくても、いわゆる「再建築不可物件」ではないので、まだ良い条件なのかもしれません。
であるので、適切な売却戦略と情報を持っていれば、不利な状況を乗り越えて有利に売却することが可能です。

以下を踏まえて、買主さんに買い叩かれず、適正価格に近づけ、賢く売る方法をお伝えします。

①立地の魅力を活かす
ひとつに、セットバックが必要な地域というのは、それだけ利便性の高い地域であるのかもしれません。だからこそ密集していると考えられるからです。駅近、商業施設、観光地へのアクセスなど、立地に魅力があれば、そのポイントを売却戦略に活かすことも可能です。

②周辺環境の分析をする
次に、周辺道路の幅員拡張がスムーズに進んでいくかも重要なポイントになります。通常であれば、月日とともに近隣も順次建て替えていくと考えられます。中には特定空き家といった障壁になり得る住宅もあるかもしれません。が、コミュニティーがしっかりして、適切に情報を得ているのであれば、無闇な値引き交渉に応じる必要はありません。

③経験豊富な不動産業者と連携する
最後に、経験豊富な不動産業者さんと連携することです。そのためには、法律周りや不動産相場についても、自ら学んでいく姿勢をもつことが大切です。学ぶ姿勢は悪い業者への牽制にもなります。信頼の置ける業者さんとともに、セットバック工事費用を考慮した適切な価格設定をすることができます。

とは言え、セットバック必須の土地は、一般の買主さんには避けられるのは仕方ないものです。少しでも条件が悪いなら、なおさらです。仲介による土地売却が難しいと考えるなら、無理せず不動産買取も検討しましょう。

不動産買取なら
・セットバック工事をせずに売却できる
・手間や時間をかけずに現金化できる
・売却後のトラブルを回避できる
といった多くのメリットがあります。

まとめ

というワケで今回は、セットバック必須で不利な土地売却でも賢く売る方法について、詳しく解説してきました。
「セットバック」とは、道路側の土地の一部を「道路幅員の確保」のために後退させることを指します。
建築基準法において、敷地は「幅員4m以上の道路に2m以上」接しなければなりません。セットバックすることで4m未満の道路は4m以上になるよう、新しく家を建てるときには道路幅を確保しなくてはならないのです。

具体的にどの程度後退しなくてはならないのか?
①向かいにも建物が建っている場合は、道路の中心線から2m以上後退する
②向かいが崖や川などの場合なら、向こうの道の端から4m以上後退する
③向かいの建物がセットバック済みの場合は、過去の道路の中心線から2m以上後退する

セットバックを実施する際には、多くの手続きとお金と手間もかかります!
①測量
②道路舗装工事
③塀の撤去
④電柱移設
これらの費用は基本的には自腹ですが、各自治体によっては助成金を出しているので、しっかり確認します。

また、セットバックした道路は所有権は残りますが、私的利用はできません。固定資産税や都市計画税もかかるので、各自治体に非課税申請をするか、登記によって地目変更を行うか、手続きをします。

そうして、セットバックした土地は、宅地として利用できる「有効宅地面積」が減少し、新しい建物の規模も小さくなります。非整形地(形が歪な土地)や狭い土地の場合は、デットスペースができたり、最悪は住宅には適さないくらいの面積になることもあり得ます。
23区の一部では60㎡を下回ると、建築できない場合もあります。
このように、セットバック工事の費用は基本的に売主負担です。そして、セットバックによって有効宅地面積が減少してしまうデメリットもあります。

ただ、いわゆる「再建築不可物件」ではありませんので、適切な売却戦略と情報を持っていれば、買主さんに買い叩かれず、適正価格で賢く売る方法があります。
①立地の魅力を活かす
②周辺環境の分析をする
③経験豊富な不動産業者と連携する

とは言え、セットバック必須の土地は、一般の買主さんには避けられるのは仕方ないもので、もし仲介による土地売却が難しいと考えるなら、無理せず不動産買取も検討しましょう。
不動産買取なら
・セットバック工事をせずに売却できる
・手間や時間をかけずに現金化できる
・売却後のトラブルを回避できる
といった多くのメリットがあります。

私たちエスエイアシストは、そういった不動産買取業者の一つです。これまでも入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、困ってしまう”訳あり物件”のご相談を数々と解決してきた実績がありますので、ものは試しとぜひ一度エスエイアシストにご相談ください!お待ちしています。

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