独自のノウハウにより入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、他の不動産会社が取り扱いづらい“お困り物件”を解決に導いてきた不動産・用地開発のスペシャリスト、株式会社エスエイアシストがお届けする“お困り物件”コラム、第28回目は「既存不適格建築物の売却」です。
お持ちの両親から受け継いだ古い家。もしかすると今の法律においては、不適格な建築物なのかもしれません。防災・土地利用・衛生環境…さまざまな要因から、これまで多くの各種法改正が行われていて、結果、「昔は良かったけど、今はダメ!」な建築物が生まれてしまうことがあります。それを「既存不適格建築物」といいます。
と言うと「えっ?まさかうちも不適格!?」と心配になるかもしれません。でも大丈夫!この記事を読めば、「既存不適格建築物」とはどんなものなのか、もし売却するならどんなことに気をつければいいのか、その必要な知識と注意点について、しっかりと押さえることができます!ぜひ最後まで読んでいってくださいね。
既存不適格建築物とは?
でははじめに「既存不適格建築物」とはどんなものなのでしょうか?「漢字が多くて何だか難しそう…(汗)」と思われるかもしれませんね!それはその名の通り、すでにある(→既存の)建築物が、何らかの法律の改正によって基準に合わなくなった(→不適格な)状態にあるものです。
「えっ?それって違法建築物なんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、それとはちょっと違います。「違法建築物」とは、そもそも建築当初から法律に違反していたものを指します。もしくは、正しい手続きを踏まずに増改築をして違反していることもあります。
対して「既存不適格建築物」は建築当初では法律に合致していたけれども、後の法改正によって不適格になってしまったものなんです!
これら「既存不適格建築物」が生まれる背景には、さまざまな法改正がありました。例えば、建築基準法の改正による規制強化や、都市計画法の改正による建築制限などがあります。
それらによる影響の具体的な事例を一部あげてみましょう。
①敷地いっぱいに建物が建っていて隣地の日照権を阻害している
②外壁が防火基準を満たしていないため火災のリスクが高くなっている
③接道道路からのセットバックにより容積率がオーバーしている
④建物の耐震性が不十分で地震に弱い
⑤境界線が不明確で建物が隣地を侵害している
⑥耐火基準を満たしていないため火災のリスクが高い
⑦適切な換気設備が欠如しているため室内環境が悪い
などなど多岐に渡ります!
何と言うか意外にもザラにありそうなので「もしかしてうちも該当する?そのまま住んでいていいの?」と不安になるかもしれませんが、それは大丈夫!現在の法律には適合していないとしても、過去には問題なかったワケでイケないことをしているのではないのですから、基本的にはその家に住み続けること自体は違法でも何でもありません。
既存不適格建築物の売却に必要な知識とは?
では、現状においては生活への影響はないことは理解した上で、今後、「既存不適格建築物」の売却することになったらどうしたらいいのでしょう?それでは必要な知識を得ておきましょう。
もし、「既存不適格建築物」を何もせず、そのまま売却するなら以下の問題があります。
①買主に対する融資制約
ひとつに、銀行その他の金融機関は、購入時の融資を拒否する可能性があります。これは、財産の担保価値が法的な問題により下がるリスクを避けるためです。したがって現金での購入が考えられる買主さんを、見つけなくてはなりません。
②買主に将来的な潜在的リスク
次に、買主さんに将来的な法律問題が増大する潜在的リスクがあります。現状以上に、例えば建築基準法の改正や新たな地方条例の導入などにより法律が厳しくなったり、近隣住人さんからの苦情が出るなどが考えられます。
③固定資産税評価への影響
「既存不適格建築物」は、しばしば低い固定資産税評価を受けます。
これらは、当然、売却価格が低くなる要因となります。一方で、「既存不適格建築物」の不適格な部分を、各種法律に適合させてから売却するなら以下となります。
①不適格な部分を各種法律に適合するように改修する
②建物を取り壊して更地にする
もちろん、これらには多額のコストがかかります。また、そのコストをかけたとしても確実に売れるともいえません。ただ、売却価格に折り込んで安くすることで、買主さんの方で負担して頂くという考え方もできます。
既存不適格建築物の売却時の注意点と住宅診断!
と、ここで「既存不適格建築物」の売却時に注意しなくてはならないことがあります。
①買主に説明・納得してもらわなくてはならない
まず、ここまでお話してきた「既存不適格建築物」について、購入後にどんな制限が課せられるのか十分な説明をして、納得してもらわなくてはなりません。またそれにより、大きな値引きを迫られることにも覚悟が必要です。
②契約不適合責任に注意する
つぎに、「契約不適合責任」です。それは、売買契約において、買主さんに引き渡した物件が契約内容とあっていない場合に、買主さんに対して負う責任のことです。「契約書に書かれている内容が全て」なので、漏れなく記載しなくてはなりません。
万が一、その契約書に書かれていない内容(免責特約・容認事項など)があれば、売主さんの責任となってきます。これには、売主さんすら知らなかった隠れた瑕疵(かし)といった建物のキズ・欠陥も含まれます。「知らなかった…」という理由で免責にはなりません!
大切なことは、その「既存不適格建築物」がどんな状態にあるのか、問題点は何なのかをしっかりと把握することです!これには「住宅診断(ホームインスペクション)」が非常に役立ちます。それは、「プロの目で建物をチェックし、建物の状態や問題点を明らかにすること」で、予想外のトラブルを避け、売買をスムーズに進めることができます。また、売却活動するなかで安心感を相手に与える材料にもなり、かけた経費以上の結果が得られるかもしれません。
さらに、住宅診断をすることは、建物の状態や問題点の客観的な判断に繋がるので、より適正な売却価格の設定ができる要素にもなることも付け加えておきます!
まとめ
ここまで、「既存不適格建築物」とはどんなもので、その売却時に必要な知識と注意点についてお話ししてきました。
「既存不適格建築物」とは、既存の建築物が、何らかの法改正によって基準に合わず、不適格な状態にあるものを指します。
一方で、「違法建築物」とは、そもそも建築当初から法律に違反していたものや、その後に正しい手続きを踏まずに増改築をしたものを指します。
これら「既存不適格建築物」が生まれる背景には、建築基準法の改正による規制強化や、都市計画法の改正による建築制限など、さまざまな法改正があります。
具体的な事例を一部には、
①敷地いっぱいに建物が建っていて隣地の日照権を阻害している
②外壁が防火基準を満たしていないため火災のリスクが高くなっている
③接道道路からのセットバックにより容積率がオーバーしている
④建物の耐震性が不十分で地震に弱い
⑤境界線が不明確で建物が隣地を侵害している
⑥耐火基準を満たしていないため火災のリスクが高い
⑦適切な換気設備が欠如しているため室内環境が悪い
などなど多岐に渡ります!
ただ、現在の法律には適合していないとしても、基本的にはその家に住み続けること自体は違法ではありません。
「既存不適格建築物」をそのまま売却するなら以下の問題があります。
①買主に対する融資制約
②買主に将来的な潜在的リスク
③固定資産税評価への影響
これらは売却価格が低くなる要因となります。
一方で、「既存不適格建築物」を各種法律に適合させてから売却するなら、
①不適格な部分を各種法律に適合するように改修する
②建物を取り壊して更地にする
これらには多額のコストがかかりますが、売却価格に折り込んで安くすることで、買主さんの方で負担して頂くという考え方もできます。
そして、「既存不適格建築物」の売却時に注意することがあります。
①買主に説明・納得してもらわなくてはならない
②契約不適合責任に注意する
「契約不適合責任」とは、買主さんに引き渡した物件が売買契約内容とあっていない場合に責任を負うことで、「契約書に書かれている内容が全て」なので、漏れなく記載しなくてはなりません。
大切なことは、「既存不適格建築物」の状態と問題点を把握することで、それには「住宅診断(ホームインスペクション)」によって、「プロの目で建物をチェックし、建物の状態や問題点を明らかにすること」です。
これは、売却活動するなかで安心感を相手に与える材料になり、建物の状態や問題点の客観的な判断にも繋がるので、より適正な売却価格の設定ができます!
とういうことで、一般に不動産仲介によって「既存不適格建築物」を売却する知識と注意点について、お話ししてきたワケですが、私たちエスエイアシストは「不動産買取業者」です。売却活動が難しい仲介に対して、煩わしい手続きを全て肩代わりして、スピーディーに不動産を現金化をすることができます!
「既存不適格建築物」をはじめ、困ってしまう“訳あり物件”のご相談を数々と解決してきた実績がありますので、法律や市場の専門知識をもとに、適正な価格で買い取ることが可能です。
ほかの不動産会社で仲介することに難色を示されてしまうことも多くあります。そんなときは、ぜひ一度エスエイアシストにご相談してみてくださいね!