
独自のノウハウにより、入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可物件など、他の不動産会社が取り扱いづらい「お困り物件」を解決に導いてきた不動産・用地開発のスペシャリスト・株式会社エスエイアシストがお届けする「お困り物件コラム」。
不動産を相続したものの、事故物件や再建築不可、近隣トラブルなどを抱えた「お困り物件」であったとき、「このまま持ち続けるのは不安だけれど、どう売ればいいか分からない」といった悩みを抱えていませんか?ただ放置すれば、維持管理費がかさみ続けるばかりか、近隣との関係性にも影響が出かねません。自宅マンションに住み続けながら資金を確保したいといったニーズに応える手段として、リースバックが注目されています。戸建て向けのサービスという印象を持つ方もいますが、実はマンションでも問題なく利用できます。ただし、マンション特有のルールや費用構造があるため、戸建てとは少し勝手が違います。ここでは、マンションでリースバックを利用する際に知っておきたい注意点や、戸建てとの違いを整理していきます。
マンションのリースバックにおける注意点
マンションは「区分所有」という独自の仕組みで成り立っているため、リースバックを進めるうえで確認すべき項目がいくつかあります。後からトラブルになりやすい部分でもあるため、事前に把握しておくことが大切です。
①管理規約や管理組合の承認が必要になることがある
マンションを売却すると、所有者が変わるため管理組合への届け出が必要です。さらに、管理規約によっては「賃貸利用には理事会の承認が必要」「短期賃貸は禁止」などの制限が設けられているケースもあります。リースバックは売却後に賃貸として住み続ける仕組みなので、規約と矛盾がないかの確認は必須です。また、管理費や修繕積立金は新しい所有者が負担するのが一般的ですが、その分が家賃に反映されることもあります。契約前に「家賃にどこまで含まれているのか」を確認しておくと安心です。
②家賃が相場より高くなるケースが多い
リースバックの家賃は、周辺の賃貸相場ではなく「事業者が確保したい利回り」を基準に計算されます。多くの事業者は年間6〜13%程度の利回りを想定しており、買取価格が高いほど家賃も上がる仕組みです。そのため、同じマンション内の一般的な賃貸よりも家賃が高くなることは珍しくありません。「高く売りたい」と「家賃を抑えたい」は両立しにくいため、どちらを優先するかを事前に整理しておく必要があります。
③買い戻しを希望する場合は価格が上がる可能性がある
将来的に買い戻しを検討している場合、買い戻し価格が売却時より高く設定される点にも注意が必要です。一般的には売却価格の1.1〜1.3倍ほどが目安とされており、たとえば2,000万円で売却した場合、買い戻しには2,200万〜2,600万円ほど必要になります。市場価格より高くなるケースもあるため、「本当に買い戻す必要があるのか」「資金計画は現実的か」を慎重に検討することが大切です。
④定期借家契約の場合は更新がない
リースバック後の賃貸契約は「普通借家契約」か「定期借家契約」のどちらかになります。
・普通借家契約:更新が前提で、借主の保護が強い
・定期借家契約:契約期間が満了すると終了。更新はなく、再契約には双方の合意が必要
リースバックでは定期借家契約が採用されることも多く、長く住み続けたい人にとってはリスクになる場合があります。特に高齢者や単身者は新規契約が難しくなることもあるため、契約形態は必ず確認しておきましょう。
戸建てとマンションのリースバックはどこが違う?
同じリースバックでも、マンションと戸建てでは仕組みや費用の考え方が大きく異なります。ここでは、マンションならではの特徴を整理します。
①所有形態の違いが手続きに影響する
戸建ては土地も建物も単独所有ですが、マンションは区分所有で、土地は住民全員の共有持分です。そのため、売却時には管理組合への届け出が必要になり、規約によっては承認が求められることもあります。また、共用部分の管理は管理組合が行うため、売却後の維持管理の負担は戸建てより軽くなる傾向があります。一方で、専有部分のリフォームや設備交換には制限がかかることもあり、自由度は戸建てより低めです。
②修繕費の扱いが異なる
リースバック後は家賃のみの支払いになりますが、室内設備の修繕負担は契約内容によって異なります。
・経年劣化による故障 → 事業者負担
・入居者の過失による破損 → 入居者負担
というケースが一般的です。
退去時の原状回復も通常の賃貸と同じ扱いになるため、契約前に「どこまでが事業者負担か」を明確にしておくことが重要です。
③査定額と家賃の決まり方が違う
マンションは同じ建物内の成約事例や周辺相場を基準に査定されるため、価格が比較的安定しやすい特徴があります。一方、戸建ては土地の形状や接道条件など個別要素が大きく影響するため、査定額に幅が出やすい傾向があります。家賃についても、マンションは専有面積や階数など比較しやすい要素が多いため、相場に近い水準になりやすいのが特徴です。戸建ては個別性が強いため、家賃のばらつきが大きくなりがちです。
リースバック業者の選び方
リースバックを扱う会社は数多くありますが、サービス内容や費用体系は業者ごとに大きく異なります。メリットだけでなく注意点も多い仕組みだからこそ、どの会社に相談するかは慎重に見極めたいところです。複数社を比較しながら、自分の状況や希望に寄り添ってくれる業者を選ぶことが、納得のいくリースバックにつながります。
まとめ
今回はマンションにおけるリースバックについて解説してきました。マンションでリースバックを利用する際は、管理規約の確認と家賃の妥当性が特に重要です。戸建てよりもルールが細かい分、事前のチェックを丁寧に行うことで、住み続けながら資金を確保するというメリットを最大限に活かせます。リースバックを検討されている場合は信頼できる専門の不動産買取業者への相談をお勧めします。私たちエスエイアシストは、入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可物件など、扱いが難しい「お困り物件」のご相談を数多くサポートしてきました。「どこに相談すればいいか分からない」「家族に迷惑をかけたくない」と感じている方こそ、ひとりで抱え込まず、まずは現状をお聞かせください。お客様の状況やご希望を踏まえ、無理のない出口プランを一緒に考えます。お困りの物件でお悩みの方は、ぜひエスエイアシストまでご相談ください。


