
独自のノウハウにより、入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可物件など、他の不動産会社では取り扱いづらい「お困り物件」を解決に導いてきた、不動産・用地開発のスペシャリスト・株式会社エスエイアシストがお届けする「お困り物件コラム」。第144回目は「都市計画道路予定地の売却」です。
相続した実家が都市計画道路予定地に含まれていると知り、「将来家を壊さなければならないのか」「売却できないのではないか」と強い不安を感じている方は少なくありません。結論から言えば、都市計画道路予定地でも売却は可能です。大切なのは、その土地が現在どのような進捗段階にあり、その法的ルールの適用範囲と内容を正しく把握することにあります。
今回の記事では、都市計画道路予定地が「売れない土地」だと誤解されやすい理由を整理します。その上で、売主がやるべき確認手順と売却の出口となる「3つのルート」をどう比較・検討すべきかを、分かりやすく解説します。ぜひ最後までお付き合いください。
都市計画道路予定地の定義と進捗段階ごとの制限とは?

はじめに押さえたいのは、「都市計画道路予定地」について。これは「都市計画法に基づいて将来的に道路を新設したり拡張したりする計画がある土地」を指し、その売却可否は「進捗段階」によって大きく異なります。
都市計画道路予定地という言葉を聞くと、「すぐにでも立ち退かなければならない」と思うかもしれません。しかし、実際には計画が決まってから数十年も動きがない「未着手路線」が数多く存在します。
それを読み解くには、都市計画法に基づく進捗の定義を知ることが大切で、大きく分けて「計画決定」と「事業決定(事業認可)」の2つの段階があります。
①計画決定段階
まず、将来的な道路のルートが図面上に定められた初期の段階です。このフェーズでは、具体的な工事の時期が決まっていないことが多く、土地全体を第三者へ売却することが法的に認められています。
ただし、将来の道路整備に支障をきたさないよう、建て替えや増改築の際には都市計画法第53条に基づく許可(第53条許可)が必要となり、「原則として階数は2階以下で地階を有さず、木造や鉄骨造であること等(自治体により緩和あり)」が基準とされ、構造や階数に一定の制限が課されます。
②事業認可段階
その後に事業認可が下りると、具体的な用地買収のスケジュールが確定段階に入ります。こうなると、都市計画法第65条に基づき原則建築不可となります。また、道路がかかる部分は行政による任意買収が原則ですが、合意に至らなくても土地収用(正当な補償を前提として強制取得する)の可能性があります。
行政側に「先買い権(優先的に買い取る権利)」があるため、自由な民間取引は著しく制限されます。一方で、道路に含まれない敷地部分「残地(ざんち)」については売却が可能ですが、土地の形状や面積次第で売却価格に大きな影響を与えます。
なお補足として「第53条許可」とは、「都市計画区域内で建築を行う際、都道府県知事等の許可を得る制度」のことです。この許可の目的は、将来の公共事業を円滑に進めるために、容易に移転や取り壊しができる建物に限定することにあります。
また、「緩和路線(計画決定から超長期で事業が進んでいないエリア)」では、都市計画道路の予定があるにもかかわらず、実態としては超長期にわたり事業化の見通しが立たないケースがあります。このような路線では、各自治体が地域の実情に合わせて第53条許可の運用条件を緩和していることがあります。
このように、実務上は土地のフェーズで売却の難易度は大きく変わり、事業の進捗によって行政主導へと移行していきます。
都市計画道路予定地の売却が難しい三者三様の心理的背景
とは言え、都市計画道路予定地の活用及び売却は、決して不可能なことではなく「許可が必要で、条件付きで可能なケースがある」と捉えるのが現実的です。しかし、その内容の複雑さから、売主も不動産業者そして買主も、売却に際して三者三様の消極的になりやすい心理的背景があります。
①説明すべき複雑な情報が多く買主に不安が生まれる
まず、都市計画道路予定地では、通常の土地売却に比べて説明すべき複雑な事項が格段に増えます。買主が一番避けるのは「分からない」ことであり、そこから不安が生まれます。
・建替えや増改築の制限:将来の建築計画が描きづらくなる
・土地活用の制限:用地買収で有効面積が狭くなる可能性がある
・立ち退きの可能性:移転や収用の対象次第で住めなくなる
・事業の不透明性:何年後に事業化されるかが分からずに見通しが立たない
・環境変化のリスク:工事開始後の騒音や交通量増加などによる生活環境の変化
こうした情報が整理されていないと、買主はリスクを過大に見積もり、購入を見送る傾向が強まります。
②担保評価が低くなりやすく融資が難しい
つぎに、将来的に土地の一部が収用されたり、建物が制限されたりすることを、金融機関はリスクと見なします。「将来的な取り壊しが前提になる」「再建築時の制限により資産価値が維持しにくい」といったネガティブ要因から、物件の担保評価を低く見積もります。その結果、住宅ローンの融資額が減らされたり、審査自体が通らなかったりすることがあり、買いたい人がいても「お金が借りられない」ために成約に至らないのです。
仲介を請け負った不動産仲介業者にとっても、この融資の難しさは敬遠する理由です。どんなに手間と時間をかけたとしても、成約に至らなければ一切の報酬は発生しないからです。
③売主が所有の土地に価値を見出せない
そうなると、所有者である売主自身も「この土地は問題だらけで売れず、価値がない」と思い込んでしまうことも少なくありません。土地に価値を見出せないことで、建物のメンテナンスを放棄したり、適正な整理や比較検討を行わないまま売却を先送りにしたり、条件の悪い形で妥協してしまったりすることがあります。
つまり、都市計画道路予定地の売却で最初にぶつかる壁は、「売れない」ではなく「説明設計が難しく、感情が追いつかない」という問題です。
「時間とともに負担増?」都市計画道路予定地を持ち続けるリスク
そして、それら都市計画道路予定地の問題は、時間の経過とともに深化してしまう可能性が出てきます。以下のようなものが、所有者にとっての実質的なリスクとして重くのしかかります。
①先の読めない事業の進捗によって状況が変化する
特に、都市計画道路予定地は「計画がある」こと自体よりも、「いつ動くか分からない」ことが厄介なポイントです。数十年以上動かない未着手路線もあれば、あるタイミングで優先整備路線に位置づけられ、事業認可が下りて半年〜数年で用地買収や収用の話が具体化することもあります。
このため、今は不動産市場で売れる状態だったとしても、ある日を境に「事実上の塩漬け状態」「市場での流動性が極端に低下する」といった状況に一変する可能性があります。売却を先送りにした結果、選択肢が急に狭まるリスクがある点は押さえておくべきです。
②説明不足による契約不適合責任を問われる可能性がある
先述の通り、都市計画道路予定地では、買主が気にする論点が多く、説明すべき事項も増えます。たとえば第53条許可の要否、想定される建築制限、公拡法(公有地の拡大の推進に関する法律)の届出の要否、将来の立ち退き可能性、残地の扱い…など。
これらを十分に説明しないまま契約を進めると、「聞いていない」といった紛争に発展し、契約不適合責任(契約内容に相違があった際の売主責任)を問われれば、契約解除・損害賠償の火種になりかねません。
③経済的及び精神的な負担が積み上がる
さらに、そんな先行き不透明な問題を抱え「いつ立ち退きになるか分からない」という不安を抱えたまま暮らす、あるいは相続後の空き家を管理し続ける、その精神的な負担は計り知れません。都市計画道路予定地の売却を先送りしている間も、固定資産税や都市計画税、建物の維持管理費といったコストは発生し続けるからです。
結果として、本来は冷静に比較できたはずの選択肢を失い、焦って不利な条件で手放す、あるいは手放せずに抱え続けるといった状況になりやすいのです。
こうしたリスクを抱えたまま、土地を持ち続けることは好ましい状況ではありません。特に、市街地では土地の有効活用が重要視されるため、制限によって活用法が限られることの影響は、無視できないものとなります。
「収用はチャンス?」都市計画道路予定地の税軽減措置と補償

ただ、確かに都市計画道路予定地には多くの問題や難しさが伴いますが、それだけで価値がゼロになると判断するのは早計です。実は行政による収用は、所有者にとって強力な生活再建のチャンスでもあります。
①固定資産税の軽減措置
一定の要件を満たす場合、建築制限による利用価値の低下を考慮し、多くの自治体では予定地内の土地評価額に対して「補正率」を乗じる軽減措置を設けています。これにより、結果的に固定資産税・都市計画税の負担が減ります。必ず適用されるわけではありませんが、長期間所有する場合の負担が変わるため、自治体の案内や課税課で確認しておくと安心です。
②将来の利便性向上への期待
また、将来的に道路整備が実現すると、周辺の交通利便性が改善し、生活動線が良くなる可能性があります。たとえ土地の一部が収用されても、残った部分が「幹線道路沿いの角地」になるなど、かえって希少価値が高まるケースも少なくありません。ただ、これは事業の進捗と完成時期に左右されるため、期待だけで判断するのは危険です。
③収用後の生活再建に向けた手厚い補償と税控除
そして、将来的に計画道路が実行に移され収用等が現実化すると、それに伴う損失に対して補償されます。土地はもちろん、建物は時価ではなく再築費(経年減価した額)、引越し代(動産移転料)や登記費(移転雑費)、門塀・庭木などの移設など、根拠さえ示せれば幅広く対象となります。
買収による譲渡益は最大5,000万円控除(申出から6ヶ月以内など要件)や、行政によっては補償額の約7〜8割を「前払い」として受け取れる制度がある場合もあり、その後のスムーズな生活再建を支えてくれます。
大切なのは、現状の制限という「マイナス面」だけでなく、収用という「出口」を活用して、税金の安さや将来の整備計画といった「プラス面」も含めて総合的に判断することです。
【買取事例】売却が難しい都市計画道路予定地を買い取って再販につなげた事例
ここでは、弊社での買取事例を紹介します。今回は都市計画道路の予定区域にかかっていたため売却が難しかった土地を、弊社で買い取り更地化したうえで再販につなげた事例です。
ご相談の物件は、駅から徒歩圏内という立地条件の良さがあるものの、土地の一部に計画道路がかかっていました。この場合、建築時に都市計画法第53条に基づく許可が必要となるケースがあり、将来の建築制限や用地買収によって敷地面積が減少する可能性を嫌って、買い手が限られてしまうのが実情です。
さらに、当初は隣地との境界が一部未確定で、測量が完全に終わっていない状態。加えて、敷地内には堅牢な古家が残っており、解体費用が高額になる点も売主さまにとって大きな不安材料となっていました。 仲介業者を通じてご相談をいただいた際、売主さまは「この条件ではなかなか話が進まない」「測量や解体まで自分で進めるのは負担が大きい」とお悩みのご様子でした。
そこで弊社では、境界が未確定の状態のまま買取することを提案。買取後に弊社負担で解体工事をし、境界確定の上で分筆(土地を分けること)を行い、建売事業者にも検討してもらえる形へと土地を整えています。 都市計画道路予定地には制約が多くありますが、条件を正しく整理すれば活用の余地は十分にあります。将来見通しを踏まえた上で、「現実的に検討しやすい土地」として再構成できたことがポイントでした。
お取引成立までは、測量や建築計画の検討期間を含めて約半年。売主さまからは、「計画道路や境界の問題で身動きが取れなかったが、責任を負わずに手放せて安心した」とのお声をいただいています。
このように、都市計画道路予定地・境界未確定・解体費用が重い土地であっても、状況に応じた整理によって次の活用につなげることは可能です。条件が複雑で売却に踏み切れない土地をお持ちの方は、まずは状況整理だけでもぜひ一度ご相談ください。
都市計画道路予定地の売却で後悔しないための5ステップ!
では、都市計画道路予定地の所有者が具体的にどのような手順で動けば、最も合理的な選択ができるのか、そのステップを整理します。都市計画道路予定地の売却で後悔しないためには、感情的な不安に流されず、事実(データ)に基づいた意思決定を行うことが重要です。
①自治体における計画の進捗を確認する
最初にやるべきことは、自治体の都市計画課などで「どの路線に該当するか」「計画決定なのか事業認可なのか」を公式資料で進捗を確認することです。ここが曖昧なままでは話が前に進みません。
あわせて、優先整備路線かどうか、着工の見通しが示されているかも確認し、「計画通り動く可能性が高いのか」も整理します。事業認可前であれば、通常売却チャンスは十分にあります。
②自治体における最新の運用基準を確認する
次に、第53条許可の最新の運用基準を確認します。原則を示されていても、自治体によって緩和措置の有無や運用の濃淡があります。一定の条件(木造・鉄骨造など)を満たせば、以前より制限が「2階→3階建て(ただし、高さ10m以下)」など許可されるケースも増えており、土地の価値に影響があります。
ここで「何階まで」「どの構造なら可能か」「地階は不可か」「容易に移転・除却できる条件とは何か」を条件付きで言語化できると、買主の不安を大幅に減らせます。
③公拡法の届出の必要性を確認する
また、計画決定段階での一定面積(200㎡)以上の場合の「公有地の拡大の推進に関する法律(公拡法)」に基づく届出や、事業認可後の「都市計画法第67条」に基づく届出などが必要になる場合があります。事前届出が必要なのに手続きを飛ばすと、取引が止まったり、スケジュールが崩れたりしかねません。
「いつの段階で」「どの規模なら」「誰に」「どんな書類で」届出が必要かを確認し、売却手続きの詰まりどころを先回りして潰します。
④「市場売却」と「収用待ち」の損得を天秤にかける
そうして、進捗段階と制限条件が整理できたら、次は損得の比較です。不動産市場での売却では、価格・売却期間・買主の融資可否・説明責任の重さが大切になります。一方で収用を待つ場合は、不透明な待ち時間は大きな機会損失になります。それに対する税制特例の可能性や補償の枠組みといったメリットと天秤にかけて判断します。
ここは「どちらが正しい」ではなく、売主である自身の事情(急ぎか、手残り重視か、手間を避けたいか)によって最適解が変わります。
⑤適切な行動に繋げるための方向性を定める
さいごに、整理した情報をもとに現実的な出口プランを固めます。その後の見通しと方向性が定まることで、無駄なリフォームや維持費を抑えることが可能になり、取引交渉もスムーズに進められるでしょう。
たとえ売却を急がない場合でも、いまの段階で「売れる状態に整えるには何が不足か」を把握しておくだけで、将来の選択肢は大きく広がります。
ここまで材料が揃うと、「市場で売るか?」「待つか?」「買い取ってもらうか?」が、感情ではなく数字で選べるようになります。
都市計画道路予定地の3つの売却ルートを比較する!
ここまでの整理を踏まえると、都市計画道路予定地を売却する出口は大きく3つ。大切なのは「どれが正解か」ではなく、価格・時間・手間、そして売主である自身のトラブル耐性、どれを優先するかで選択が変わります。
①不動産仲介で売り抜ける
1つ目に、市場での売却がまだ十分に狙える状態なら、不動産仲介で幅広く買主を探し、高値で売り抜ける選択肢があります。計画決定段階であり、建築制限が緩和されているエリアや利便性の高い好立地であれば、一般市場でも売却できる可能性があります。
ポイントは、買主が不安に感じる論点を先回りして整理し、重要事項説明を「分かる言葉」で誤解が出ないようにすることです。一方で、融資が通りにくい・契約不適合責任のリスク、売却期間が長期化しやすい点は想定する必要があります。
②行政による収用を待つ
2つ目に、事業認可段階へ進み、用地買収が具体化している局面では、収用・買収の枠組みで手続きを進めるルートも現実味を帯びます。具体的な補償の枠組みが見えてきて、税制上の特例が検討できるのが大きな特徴です。
ただし、超長期の待ち時間が読めない・買収価格が一定期間固定される・手続きに段取りが複雑など、「待てば必ず得」とは言い切れません。事業の進み具合と自身の事情をセットで考えることが重要です。
③買取で確実かつ早期に解決する
3つ目に、「いつ動くか分からない」「複雑な交渉が難しい」という不安を抱え続けるのではなく、今すぐ確実に出口を迎えたいなら不動産買取が最適です。複合課題がある場合は買取で一気に整理するのが有効です。都市計画道路予定地に精通した買取専門業者との直接取引であれば、安心して物件を手放せます。
もちろん、一般的な仲介による相場に近い売却価格より下がる傾向はあります。その価格に対して自身の思い入れに見合わないように感じるかもしれません。ただ、都市計画道路予定地では「高く売る」こと以上に、以下のような「見えない負担」が積み上がりやすいのが実情です。
・売却を急ぎたい:手間を少なく早期の現金化が見込める
・説明責任が不安:専門業者なら事情を織り込んでくれる
・買主の融資が通らない:現金払いで融資条件に左右されない
・条件の整理が難しい:先出し費用不要で現況そのまま引き受ける
・売却後のトラブルが心配:契約不適合責任などのリスクをコントロールしやすい
結果として、固定資産税や管理費の流出、売却ストレス、契約後トラブルのリスクまで含めた「総損失(トータルコスト)」で見ると、合理的な選択になるケースは少なくありません。
都市計画道路予定地は「売却できない土地」ではありませんが、計画決定か事業認可かでルールと難易度が変わる「特殊な土地」です。ただ、仕組みを正しく知った人から損を減らせます。
状況整理から一緒に進めたい場合は、予定地の取扱いに慣れた不動産買取業者へ早めに相談し、価格・時間・手間を見える化して判断していきましょう。
まとめ
今回の記事では、都市計画道路予定地が売却できないと誤解されやすい理由を整理し、売主がやるべき確認手順と売却の出口を解説してきました。
はじめに「都市計画道路予定地」とは、「都市計画法に基づいて将来的に道路を新設したり拡張したりする計画がある土地」を指し、その売却可否は「進捗段階」によって大きく異なります。それは、都市計画法に基づき大きく分けて2つの段階があります。
①計画決定段階
将来的な道路が定められた初期の段階で、具体的には決まっていないことが多く、第三者への売却が認められています。ただし、将来に支障のないよう都市計画法に基づく許可と建築制限が課されます。
②事業認可段階
事業認可が下り具体的な工程やスケジュールが確定すると、道路予定地は行政によって土地収用の可能性があり、所有者側に届出義務と行政側に「先買い権」があるため、自由な民間取引は著しく制限されます。一方で、「残地(ざんち)」については売却が可能ですが、形状や面積で売却価格に影響を与えます。
なお「第53条許可」とは、「都市計画区域内で建築を行う際、知事等の許可を得る制度」のことで、将来の公共事業のために容易に移転や取り壊しができる建物に限定されます。また、実態としては超長期にわたり事業化の見通しが立たない「緩和路線」では、各自治体が地域の実情に合わせて第53条許可の運用条件を緩和していることがあります。
このように、実務上は土地のフェーズで売却の難易度は大きく変わりますが、都市計画道路予定地の活用及び売却は「許可が必要で、条件付きで可能なケースがある」と捉えるのが現実的です。しかし、その内容は複雑で、売主・不動産業者・買主は売却に消極的になりやすいです。その理由は以下。
①説明すべき複雑な情報が多く買主に不安が生まれる
②担保評価が低くなりやすく融資が難しい
③売主が所有の土地に価値を見出せない
つまり、都市計画道路予定地の売却の壁は「売れない」ではなく「説明設計が難しく、感情が追いつかない」という問題です。そして、それらは時間の経過とともに所有者にとっての実質的なリスクとなります。
①先の読めない事業の進捗によって状況が変化する
②説明不足による契約不適合責任を問われる可能性がある
③経済的及び精神的な負担が積み上がる
こうしたリスクを抱えたまま土地を持ち続けることは好ましくなく、土地の活用法が限られる影響は無視できません。
ただ、都市計画道路予定地には多くの問題が伴いますが、それだけで価値がなくなることはありません。収用は所有者にとって生活再建のチャンスでもあるからです。
①固定資産税の軽減措置
②将来の利便性向上への期待
③収用後の生活再建に向けた手厚い補償と税控除
大切なのは「マイナス面」だけでなく、収用という「出口」を活用して「プラス面」も含めて総合的に判断することです。
では、具体的にどのような手順で動けば最も合理的な選択ができるのかを整理します。以下のように、事実に基づいた意思決定が重要です。
①自治体における計画の進捗を確認する
②自治体における最新の運用基準を確認する
③公拡法等の届出の必要性を確認する
④「市場売却」と「収用待ち」の損得を天秤にかける
⑤適切な行動に繋げるための方向性を定める
ここまでを踏まえると、都市計画道路予定地を売却する出口は「市場で売るか?」「待つか?」「買い取ってもらうか?」大きく3つ。大切なのは、価格・時間・手間、そして売主である自身のトラブル耐性、どれを優先するかです。
①不動産仲介で売り抜ける
②行政による収用を待つ
③買取で確実かつ早期に解決する
もちろん買取では、一般仲介による相場に近い売却価格より下がる傾向にありますが、以下のようなメリットがあります。
・手間を少なく早期の現金化が見込める
・専門業者なら事情を織り込んでくれる
・現金払いで融資条件に左右されない
・先出し費用不要で現況そのまま引き受ける
・契約不適合責任などのリスクをコントロールしやすい
結果として、不動産買取は合理的な選択になるケースは少なくありません。
都市計画道路予定地は、状況で売却難易度が変わる「特殊な土地」です。ただ、仕組みを知れば損を減らせるため、取扱いに慣れた不動産買取業者へ相談することが大切です。
私たちエスエイアシストは、入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可物件など、扱いが難しい「お困り物件」のご相談を数多くサポートしてきました。
「どこに相談すればいいか分からない」「家族に迷惑をかけたくない」と感じている方こそ、ひとりで抱え込まず、まずは現状をお聞かせください。お客様の状況やご希望を踏まえ、無理のない出口プランを一緒に考えます。お困りの物件でお悩みの方は、ぜひエスエイアシストまでご相談ください。
【参考エビデンス・出典】
・補償の法的根拠「公共用地の取得に伴う損失補償基準(国土交通省)」
建物の補償が「新築費用(再調達価格)」ではなく「経過年数に応じた減価(時価)」で行われる点や、土地評価の基本原則についての根拠資料です。
URL:https://www.mlit.go.jp/common/001338606.pdf
・税制特例の詳細「公共事業等の実施に伴う収用等に係る課税の特例についての事前協議の手引(関東信越国税局)」
「5,000万円特別控除」や「代替資産の特例」の適用要件(6か月以内の契約等)について詳述された、実務上の手引きです。
URL:https://www.nta.go.jp/about/organization/kantoshinetsu/topics/jizenkyogi/pdf/zizenkyogi_tebiki.pdf?utm_source=chatgpt.com
・事業認可後の実務フロー「用地補償説明会資料(江戸川区)」
事業認可後の「価格固定(1年間)」や「時点修正(地価変動への対応)」、具体的なスケジュールの流れについて、記事の修正に大きく寄与した資料です。
URL:https://www.city.edogawa.tokyo.jp/documents/947/suraidoshiryou28.pdf



