
独自のノウハウにより、入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可物件など、他の不動産会社が取り扱いづらい「お困り物件」を解決に導いてきた不動産・用地開発のスペシャリスト・株式会社エスエイアシストがお届けする「お困り物件コラム」。
不動産を相続したものの、事故物件や再建築不可、近隣トラブルなどを抱えた「お困り物件」であったとき、「このまま持ち続けるのは不安だけれど、どう売ればいいか分からない」といった悩みを抱えていませんか?ただ放置すれば、維持管理費がかさみ続けるばかりか、近隣との関係性にも影響が出かねません。今回は囲繞地の売却方法について解説します。
囲繞地とはどんな土地?押さえておきたい基礎知識
不動産の話を聞いていると、「囲繞地(いにょうち)」という言葉が出てくることがあります。あまり聞き慣れない用語ですが、実は土地の売却や活用に大きく影響する重要な概念です。囲繞地とは、公道に接していない「袋地」をぐるりと囲んでいる土地のことを指します。袋地の所有者は公道へ出るために囲繞地を通らざるを得ません。そのため、袋地の所有者には囲繞地を通行できる「囲繞地通行権」が認められています。ただし、通行権があるからといって何でも自由にして良いわけではありません。民法では、
・囲繞地にできるだけ損害を与えない方法で通行すること
・囲繞地に損害を与えた場合は相当額の償金を支払うこと
が定められています。
ここで誤解されがちなのが「償金=通行料」ではないという点です。償金を払わなかったとしても通行権が消えるわけではなく、囲繞地の所有者も通行を拒否することはできません。あくまで損害に対する補填という位置づけです
囲繞地が売れにくいと言われる理由
囲繞地は一般の買主から敬遠されがちです。その理由はシンプルで、「自分の土地なのに他人が毎日通る」という状況に抵抗を感じる人が多いからです。購入した土地に袋地の所有者が日常的に出入りすることを想像すると、心理的なハードルは決して低くありません。さらに、償金を請求するのも気が引けるという声も多く、結果として買い手がつきにくい傾向があります。そのため、囲繞地は売却までに時間がかかるだけでなく、条件によっては「そもそも売れない」というケースも珍しくありません。
囲繞地を売却するための選択肢
囲繞地の売却方法はいくつかありますが、代表的な方法は次の3つです。
①袋地の所有者に売却する
最もスムーズなのは、袋地の所有者に囲繞地の一部(通路部分)を買い取ってもらう方法です。袋地は公道に接していないため、建て替えができない「再建築不可物件」に該当することが多く、所有者自身も困っているケースがあります。囲繞地の一部を購入して公道に接するようになれば、袋地の価値は大幅に上がり、建て替えも可能になります。一方、囲繞地の所有者にとっても、通行権が消えることで土地の価値が上がるため、双方にメリットがある“Win-Win”の関係が成立します。ただし、袋地の所有者に経済的余裕がない場合は交渉が進まないこともあり、必ずしも成功するとは限りません。
②袋地と囲繞地をまとめて売却する
最近は地価の上昇もあり、袋地と囲繞地の所有者が協力して“セット売却”を行うケースも増えています。2つの土地を合わせれば1つの広い土地として扱えるため、個別に売るよりも高値での売却が期待できます。また、袋地・囲繞地という特殊性も解消されるため、一般の買主にもアピールしやすくなります。とはいえ、双方の売却タイミングが合わないこともあります。その場合は買取業者が間に入り、調整を行ってくれることもあるため、専門業者に相談する価値は十分あります。
③専門の買取業者に売却する
袋地の所有者にも売れない、セット売却も難しい。そんな時の現実的な選択肢が「専門の買取業者への売却」です。囲繞地は一般の買主が見つかりにくいため、仲介で売り出しても長期化する可能性が高いのが実情です。その点、買取業者であれば投資家向けに賃貸物件として販売や民泊施設として運用、・リフォームして収益物件化など、買取後の活用方法も多様で、囲繞地でも価値を生み出すノウハウを持っています。そのため、特殊な土地でも積極的に買い取ってくれるケースが多く、スピード感のある売却が期待できます。
空き家や特殊物件の売却は特例活用がカギ
不動産を売却する際の税金は、所有期間や物件の種類によって大きく変わります。特に空き家や相続物件は、放置すると資産価値が下がり続けるため、特例制度を上手に使って早めに売却を検討することが重要です。弊社では今までに蓄積してきた経験やノウハウを活かし、リフォームや売却することもできますので、売却がしづらい物件においても買取が可能になります。このような物件の扱いに悩まれている不動産業者だけでなく、土地を相続した依頼者から相談を受けた不動産物件の売買に馴染みのない弁護士さんまで、査定のみのご連絡でも構いませんので是非弊社へお気軽にお問い合わせください!
まとめ
囲繞地は確かに売却が難しい土地ですが、袋地の所有者への売却、セット売却、買取業者への依頼など、状況に応じた選択肢をとることで十分に売却できる可能性はあります。
そのため、信頼できる専門の不動産買取業者への相談をお勧めします。私たちエスエイアシストは、入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可物件など、扱いが難しい「お困り物件」のご相談を数多くサポートしてきました。「どこに相談すればいいか分からない」「家族に迷惑をかけたくない」と感じている方こそ、ひとりで抱え込まず、まずは現状をお聞かせください。お客様の状況やご希望を踏まえ、無理のない出口プランを一緒に考えます。お困りの物件でお悩みの方は、ぜひエスエイアシストまでご相談ください。


