独自のノウハウにより入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、他の不動産会社が取り扱いづらい“お困り物件”を解決に導いてきた不動産・用地開発のスペシャリスト、株式会社エスエイアシストがお届けする“お困り物件”コラム、第79回目は「リバースモーゲージとは？」です。
今後、「将来受け取れる年金給付額が減っていくのではないか？」と言われ、老後に不安を覚える方が多いのではないでしょうか？そんな中、自宅を担保にお金を借りる「リバースモーゲージ」という仕組みに注目が集まっています。「老後の生活資金の確保ができる！」と一見便利そうですが、「それってやばいんじゃないの？」と懐疑的な見方もあり、実は思わぬ落とし穴が潜んでいると噂されています。
今回の記事では、リバースモーゲージの基本から、そのメリット・デメリット、そして「結果、安く買い叩かれるくらいなら売却の方が吉！」である理由も含め、分かりやすく解説していきます。ぜひ、最後までお付き合いくださいね！
リバースモーゲージとは？
「リバースモーゲージ」とは、持ち家はあるものの収入が少ない高齢者が「現に居住している自宅不動産を担保にして、銀行から融資を受けながら住み続けることができ、老後資金を確保する。そして、受けた融資は契約者死亡時に担保不動産を売却することで、元本一括返済する仕組み」です。通常、借り入れ元本に対する利息のみを支払い続けるので、毎月の返済自体は少なく、他の支出にお金を回しやすいとされています。
一般にリバースモーゲージの利用に向く人は、
・子に自宅不動産を相続させるつもりがない高齢者
・そもそも相続人のいない自宅不動産を所有する高齢者
などとされ、「老後の生活基盤を安定させられる」と、近年注目されています。
そんなリバースモーゲージが注目される理由には以下のようなものがあります。
①退職金が少なくなってきている
ひとつに、年々退職金が減少してきていることがあります。以前であれば、終身雇用前提で就職して定年まで頑張っていれば、それなりの退職金が得られていました。「老後はその退職金で悠々自適な生活を送る」のが、一つの人生設計。ただ、今や中年世代が会社からリストラされたり、定年まで勤め上げても退職金は大した額にならなかったり、といった現実があります。
②年金支給額の引き下げ不安がある
また、「年金制度をどう維持していくのか？」が国の政策に影響していっています。そのため、高齢者の多くは、年金支給額の引き下げに不安を持っているワケです。さすがに年金制度は破綻はせずとも減額は十分に予想されています。高齢世帯でも収入を得るために働き続けなくてはならない時代が迫っています。
③低金利時代の銀行の収入源
そして、現在の低金利時代において、銀行は新たな収入源を模索しています。これまで通りでは、銀行も収入が得られず生き残っていけないため、金融サービスは今後も多様化していくのではないでしょうか？その一環として、銀行はリバースモーゲージの取り扱いを増やしているのです。
リバースモーゲージのメリットとは？
では、リバースモーゲージには、高齢者にとってどういったメリットがあるのでしょう？一つずつ詳しく見ていきます。
①自宅に住み続けられる！
まず、リバースモーゲージの最大の魅力は、自宅に住み続けながら老後資金を確保できる点です。これにより、長年慣れ親しんだ地域から離れることなく、安心して老後を過ごせます。家は多くの人にとって、心の拠り所であり、年老いてから引っ越しや慣れない環境に身を置くことは、かなりのストレスになるものです。
②得られた資金は使途自由である！
つぎに、リバースモーゲージを利用して得られた資金は、使途の制限なく自由に使うことができます。生活費、趣味や旅行その他、はたまた介護サービスを受けるにせよ、老後の自分らしい生活を楽しむ資金となります。もちろん、医療費といった予期しない支出にも対応でき、経済的な不安の軽減にもなります。
③不動産担保ローンより条件が良い！
また、同じ融資を受ける不動産担保ローンと比較すると、借り入れ条件が柔軟である良さがあります。月々の返済負担は少ないのにも関わらず、融資額も大きくなります。年齢や年収といった個々の属性による制限も少ないという魅力もあります。
④基本的に生前は利息のみの支払いでいい！
さらに、リバースモーゲージの大きな特徴に、基本的に生前は利息のみの支払いでいい点があります。元本の返済は自身の死後に精算することになります。これにより、資金繰りに余裕が生まれ、老後をより豊かなものにしてくれます。
⑤リバースモーゲージを完済すれば自宅を子に残す道もある！
さいごに、リバースモーゲージを完済すれば、自宅を子に残す道も考えられること。基本的には、最終的に自宅を売却することで精算となりますが、もし子が自身の資金で完済できるなら、自宅を買い戻すことも可能です。
リバースモーゲージのデメリットとは？
一方で、リバースモーゲージにはデメリットもあります。何事にも表裏があるので、よく確認しましょう。
①諸費用も含めトータル負担が大きい！
まず、リバースモーゲージには契約時や維持に関する様々な諸費用が発生します。たとえば、
・契約手数料：金融機関との契約を結ぶ際に支払う手数料
・不動産鑑定費用：自宅の価値を評価するための費用
・維持管理：管理費や火災保険料など
・利息支払い：元金には触れずに利息の支払いのみ
といったもの。これらの費用は、それぞれは一見少額に見えるかもしれませんが、長期間にわたると塵が積もるように膨らんでいきます。また、利息のみを支払えばいいということは、元金が一切減らないこと。月々の返済額が減ることはありません。そのため、トータルの負担が大きいのです。
②金利上昇リスクがある！
つぎに、リバースモーゲージの多くは変動金利を採用しています。つまり、金利上昇リスクがあるのです。
・毎月の利息支払いが増加
・借入可能額の減少
・長期的な負債の増大
金利が上がると毎月の負担が増えて、将来的に返済が難しくなる可能性があります。
③担保割れリスクがある！
また、自宅を担保にお金を借り入れているので、もし自宅の市場価値が下がってしまった場合、借入金額が担保としての価値を上回ることがあります。これにより、
・追加担保の要求をされる
・借入金額の一部の即返金を求められる
・契約の見直しや解約が求められる
といった危険があり、担保割れが発生すると、場合によっては相続人さんに追加の負担が生じるかもしれません。
④長生きリスクがある！
さらに、リバースモーゲージは借入期間が長くなるほど、総負担額は増加します。人生100年時代、想定よりも長生きすることで、
・借入限度額に達して追加融資が受けられなくなる
・生活資金の確保が困難になる可能性がある
という状況を迎えるかもしれません。そのため、長生きした場合の金銭的な負担を見越しておくことが重要です。
⑤死後に残った家族に債務が残る可能性がある！
上記の様なリスクが重なることで負債が膨らむと、死後に残った家族に債務が残る可能性があります。それは、自宅を売却しても、借金が残るケースがあるためです。最悪の場合は、
・相続人が一括返済を求められる
・家族の居住権が失われる
などの影響が出てしまいます。そのため、リバースモーゲージの契約前に、家族で十分に話し合いをしておくことをオススメします。そもそも、リバースモーゲージの利用には、推定相続人全員の同意が必要になりますので、「同意が得られない！」こともあり得る話です。
リバースモーゲージは本当に「やばい」の？
そんなリバースモーゲージ。上記で語ったデメリットは、あくまで一般的に言われているものです。実は、あまり目に見えていない負の側面もあるんです。リバースモーゲージは本当に「やばい」のか、見極めないといけません！
①物件価格上昇の恩恵は取れないのに下落リスクだけ被る！？
ひとつに、リバースモーゲージを利用し始めてから、自宅の物件価格が上昇したとしても、その恩恵を受けることはできないことがあります。もちろん契約内容にもよりますが、それは融資を受けた時点での不動産評価額が基準となるため、将来的な価格上昇分は相続人さんに渡ることなく、全て融資した銀行の利益になってしまうということ。にも関わらず一方で、契約者さんは市場価格が下落した際のリスクだけは、キッチリ被ることになるんです。何とも不公平な状況に陥る可能性があるんですね！
②借金返済ができないと自宅が競売によって取り上げられる！？
ふたつ目に、先述の通り、返済は契約者さんの死後に行うとされていますが、その前に金利上昇や担保価値の下落の影響を受けることがあります。もし借入金が担保の価値を上回るような事態になれば、銀行は契約の見直しや一部の返済を求める可能性があると解説しました。これは最悪の場合、返済が焦げ付いてしまえば、自宅不動産が競売によって取り上げられることを示唆しています。「天寿を全うするまでは自宅で…」という思いも虚しく、生きている今にも自宅を失うリスクが常に伴うため、利用には慎重な判断が必要です。
③実は物件を安く買い叩かれているのと同義である！？
さいごに、リバースモーゲージを利用することで、実質的には自宅物件を銀行に「安く買い叩かれる」のと同義であると言えることにあります。そもそも不動産市場価格よりも低い借入金額であり、契約者さんの死後に一括返済精算されるので、資産が残る道理は無いからです。当然、相続人さんに残るお金はありません。要するに、「市場価格＞借入金額」になるので、「老後に住む場所が変わったとしても、素直に売却した方が手残りが多かったのに…」という後悔を生んでしまいます。
自宅を安く買い叩かれるくらいなら売却が吉！
そんなリバースモーゲージには確かにメリットもありますが、デメリットやリスクの方が大きい仕組みです。であるなら、「自宅を安く買い叩かれるくらいなら、素直に売却する方が吉！」です。それが賢明な選択肢かもしれません！
①好条件なら不動産仲介で売却！
不動産売却するなら、不動産仲介の利用を検討するのが一般的でしょう。たとえば、
・その時点で不動産市場が活況である
・駅近や周辺環境といった立地が良い
・築古ながら管理状態が良く土地の問題もない
など、自宅物件を売る好条件が揃うなら、適正価格での売却が期待でき、売却益を得ることも可能でしょう。そこで得られた老後資金で、より良い環境に住み替え、より安心でゆとりのある生活ができるハズです。
②お困り物件なら不動産買取で売却！
ただ、問題を抱えたお困り物件であるなら、不動産買取を利用して売却する方が安心です。たとえば、
・自宅建物は老朽化している
・立地はそれほど良くはない
・物件に瑕疵（隠れた問題）や近隣トラブルを抱えている
などがあれば、一般の買い手さんは見つかりにくく売却活動が長期になってしまいます。また、問題を解決するためや建物の解体するためには、金銭的手出しも必要なケースがあります。そうなると、手間や精神的ストレスが膨らんでしまうことも！そんな時は、不動産買取を利用するのも一つの手です。
その不動産買取による売却では、市場価格相場よりも低くなることが多いですが、以下のようなメリットも存在します。
・即現金化：手続きが簡単ですぐに現金が得られる
・仲介手数料不要：業者との直接取引であり仲介手数料が発生しない
・現況のまま買取：物件の状態に関わらない買取で瑕疵責任も発生しない
・手間の軽減：内覧対応や残置物の廃棄などの手間がかからない
・確実な売却価格：確実な売却価格で住み替えの資金計画が立てやすい
これらは、大きなメリットですね。
というワケで、安易にリスクのあるリバースモーゲージを利用するより、素直に不動産売却する方が「安心かつ得！」ではないでしょうか？よくよく検討して頂けると幸いです！
まとめ
今回の記事では、リバースモーゲージの基本から、そのメリット・デメリット、そして「結果、安く買い叩かれるくらいなら売却の方が吉！」である理由も含め、分かりやすく解説していきました。
「リバースモーゲージ」とは、「現に居住している自宅不動産を担保にして、銀行から融資を受けながら住み続けることができ、老後資金を確保する。そして、受けた融資は契約者死亡時に担保不動産を売却することで、元本一括返済する仕組み」です。
毎月の返済自体は少なく、「老後の生活基盤を安定させられる」と、近年注目されています。
注目される理由には以下のようなもの。
①退職金が少なくなってきている
②年金支給額の引き下げ不安がある
③低金利時代の銀行の新たな収入源
では、リバースモーゲージには、高齢者にとってどういったメリットがあるのでしょう？
①自宅に住み続けられる！
②得られた資金は使途自由である！
③不動産担保ローンより条件が良い！
④基本的に生前は利息のみの支払いでいい！
⑤リバースモーゲージを完済すれば自宅を子に残す道もある！
一方で、リバースモーゲージにはデメリットもあります。
①諸費用も含めトータル負担が大きい！
②金利上昇リスクがある！
③担保割れリスクがある！
④長生きリスクがある！
⑤死後に残った家族に債務が残る可能性がある！
上記で語ったデメリットは、あくまで一般的なものであり、リバースモーゲージには本当に「やばい」負の側面もあります。
①物件価格上昇の恩恵は取れないのに下落リスクだけ被る！？
②借金返済ができないと自宅が競売によって取り上げられる！？
③実は物件を安く買い叩かれているのと同義である！？
そんなリバースモーゲージはデメリットやリスクの方が大きい仕組みです。であるなら、「自宅を安く買い叩かれるくらいなら、素直に売却する方が吉！」です。それが賢明な選択肢かもしれません！
①好条件なら不動産仲介で売却！
自宅物件を売る好条件が揃うなら、適正価格での売却で売却益を得ることも可能でしょう。そこで得られた老後資金で、より良い環境に住み替え、より安心でゆとりのある生活ができるハズです。ただ、問題を抱えたお困り物件であるなら、不動産買取を利用して売却する方が安心です。
・一般の買い手さんは見つかりにくく売却活動が長期になる
・問題を解決するためには金銭的手出しも必要
そうなると、手間や精神的ストレスが膨らんでしまうことも！
②お困り物件なら不動産買取で売却！
そんな時は、不動産買取を利用するのも一つの手であり、市場価格相場よりも低くなることが多いですが、以下のようなメリットも存在します。
・即現金化：手続きが簡単ですぐに現金が得られる
・仲介手数料不要：業者との直接取引であり仲介手数料が発生しない
・現況のまま買取：物件の状態に関わらない買取で瑕疵責任も発生しない
・手間の軽減：内覧対応や残置物の廃棄などの手間がかからない
・確実な売却価格：確実な売却価格で住み替えの資金計画が立てやすい
というワケで、リスクのあるリバースモーゲージより、素直に不動産売却する方が「安心かつ得！」ではないでしょうか？
私たちエスエイアシストでは、入居者がいる古いアパートや借地・底地、再建築不可など、困ってしまう“訳あり物件”のご相談を数々と解決してきた実績のある不動産買取業者です。ほかの不動産会社とも比べていただき、その中からものは試しとぜひ一度エスエイアシストにご相談ください！お待ちしています。
